下
★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★
915:北畠蒼陽 2006/04/14(金) 14:01 海月様支援SS投下〜? ほら、いずれ二宮も書くとか言ってらっしゃいましたし?(笑 北畠さんはこのままダークサイドをひた走ろうと思いますので、えぇ。 ちなみに全ソウってのは北畠にとって結構思い入れのある人物で、まぁ、ポジション的に『後世、あまり目立たない立ち位置』の人……魏でいえば梁習とか、呉でいえば呂岱とか、蜀でいえば……誰だろう? まぁ、そういうポジションってもともと好きなんですが全ソウは結構ドンピシャなところがあって…… かつ昔やった三国志武将占いで全ソウタイプです、とか出たことも! ま、そういうちょっとした思い入れをこめて流れを読まないSS投下なのですよ〜。 >海月 亮様 そして相変わらず流れを読んでいらっしゃる(笑 続き楽しみにしますので風邪とか治してくださいねー?
916:雑号将軍 2006/04/14(金) 20:14 >海月様 将棋で陸遜を引き込む辺りがぐっと惹かれました。お見事でございまする。前期丁奉を久しぶりに見た気がします。 >北畠蒼陽様 おお、ダークだ!ダークが来た!全将軍…ついに彼女が主役級に躍り出てきましたか…。陸遜、朱然に影を潜めている感があった気がします。 それ故にこの全ソウが新鮮に感じられました。
917:海月 亮 2006/04/15(土) 17:34 そこで某所の三国志占いをやったら 一回目に逢紀、二回目に楊修と出た正体不明人格の私が来ましたよwww >北畠蒼陽様 これだ! これと絵板過去ログの歩隲&陸遜のワンシーンを組み合わせれば二宮序盤のイメージも固まりそうです^^ 荊州戦終ったら二宮SSにとっかかるとしますかねぇ・・・。
918:★教授 2006/04/16(日) 22:40 ■■アメフリ■■ 「ふーむ、私の予想通り雨になったか。天気予報というものは私くらい確実でないといかんな」 諸葛亮は白羽扇を口元に校舎玄関前に立っていた。しとしとと雨の降り注ぐ天を仰ぎ涼しげな表情をしている。 トレードマークの白衣を脱ぎ、髪を結わずに流したその姿は正に凛とした美少女。誰もが思わず息を呑んでしまうほどの美貌を降りしきる雨が更に引き立てる。これこそ絵になると言ったものだろう。 「ふふふ、だが私が傘を忘れるといったベタな展開にはならん。むしろ、あってはならん事態だ…萌えられる要素ではない」 喋らなければ…だったが。 「ひゃあー…マジかよー。予報になかったぞー」 「予報はあくまでも予報…ってか。全力疾走すれば被害は少なくて済むかな」 「仕方ないですね。面倒ですけど走りましょうか」 諸葛亮の脇を張飛、馬超、王平ら元気な娘さん達が走り抜けていく。鞄を傘代わりに焼け石に水な抵抗をしながら駆けていく後姿に諸葛亮は心の中で『あれもまた萌えというヤツだな』と頷いていた。 続いて諸葛亮の横を通り過ぎるは、お馴染みの二人組だった。 「孝直〜…もう少し傘こっちに傾けてよー…」 「もうっ! これ折り畳みなんだからそんなに大きくないのっ! 私だって濡れてるんだから!」 ぐいぐいと小さな折り畳み傘の遮蔽範囲に身を潜り込ませようとする簡雍とそれを微妙に防ぐ法正だ。どうやら傘を忘れた簡雍が法正の折り畳み傘に入れてもらっている御様子。結局真ん中に傘を持ってくるという事で落ち着いたのだろう、二人とも肩を濡らしながら歩いていった。 「あの二人はいつも私の心をくすぐる…。次なる策を実行に移したくなるではないか」 ごそごそと自分の鞄に手を突っ込みながら帰宅部公認カップルを見送る諸葛亮。だが、今朝そこに入れたはずのものが見つけられない。段々と涼しい顔が引き攣り始める。 「………何故だ。間違いなく今朝入れたはずだ…折り畳み傘…」 鞄を覗き込み、その小さいながらも雨天時に効果を抜群に発揮してくれるアイテムを目で探す。しかし、その姿を視認する事が出来ない。彼女の頭の中で仮説が二つ浮かぶ。 仮説1:入れたつもりだった 「いや、仮説にしても有り得ん話だ。用意周到だった、昼も確認した…」 却下。 仮説2:賊に盗まれた 「一番可能性が高い。放課後間際の突然の雨、少し席を離れた私。この隙くらいしか思いつかんが…それしかないな…」 採用らしい。 「ともあれ…仮説2だったとすると…。全く、何処の命知らずだ…定例会議にかけんとな」 悪態を吐きながら傘の入ってない鞄を頭の上に掲げる。こうなれば仕方ない、といった表情だ。 「どう考えても傘を持ってきている連中が校舎内にまだいるとは思えん…諸葛亮孔明、一生の不覚。ラボに篭るには準備不足…」 普段から専用ラボに篭る事もしばしばだったが、食料及び着替えが必須の泊り込み。今日は篭るつもりは無かったので用意していなかったのだ。 「運動は苦手な方だ…が、進退窮まった。やるしかない…」 意を決すると鞄を傘代わりに勢いを増した雨の中に飛び込んでいった………──── 「全く酷い目にあった…」 寮の玄関で髪をかきあげ、溜息を吐く諸葛亮。鞄が傘の代用になるにはあまりにも小さすぎたのか、全身は濡れ鼠になり制服がべっとりと体に張り付いてしまっている。上着に至っては下着が透けてしまっていた。 「まずは体を温めんとな。風邪を引いては元も子もない」 寮の管理者が気を利かせたのだろう、玄関先に置いてあったタオルを一枚手に自室へと向かう。と、そのドアノブに見慣れた黒いものがぶら下がっていた。持っていたタオルと鞄がどさどさっと床に落ち、わなわなと怒りに震えだす。 「これは…私の傘! し、しかも使用済みではないか!」 そう、それは自分の所有物。市販物に頼らない彼女が買った数少ない生活用品、それだけに妙な愛着心のあった折り畳み傘だったのだ。 「おのれ、憎き下手人! 久々に私も怒り心頭だぞっ!」 怒りに打ち震えながらタオル、鞄、そして傘を回収して部屋に入り…そして乱暴にドアを閉めた。たまたま近くにいた馬岱がびっくりして階段を踏み外したのはまた別の話。 話はこれでお終いなのだが…さて、諸葛亮の傘を盗んだ張本人は誰だったのだろう? 最後にヒントを。 予報になかった雨、傘を持ってきてない人多数につき濡れるは必然。でも、ずぶ濡れにならなかったのは? 大体の予想は付いたでしょう。機会があれば、続きのお話をするとしましょう。 了
919:★教授 2006/04/16(日) 22:53 お久しぶりです。駄文の帝王、教授です。 存在が希薄になって久しいですが…一応生きているという事で。再び駄作を世に…。 時間もなくて何だか短くて尻すぼみな内容ですみません。 一ヶ月くらい使ってゆっくりと筆を取りたいなぁ…。 諸葛亮を主人公にしてみました。意外とこの人を主役にした作品が少なかったもので、出来心的な感じのノリで書きはじめました。 完璧超人を地に我が道を進む彼女にもこんな一面が…と想像を膨らませました、が。結果は散々なもので。 このままでは私も不完全燃焼、何とか見れるものにリメイクしてあげたいなぁ…
920:海月 亮 2006/04/17(月) 20:32 >教授様 つかおいらの解釈通りなら、孔明さんは自分の傘が目の前を通っていったのに気づかなかったと言うことになりますが^^A 横光三国志で孔明が天井裏に取り残されてしまったシーンを思い出してなんか和んだww 何はともあれご無沙汰しておりやした^^A
921:★教授 2006/04/17(月) 21:50 >海月様 彼女は目の前の萌えに気を取られていたのです(^^;) いつでも完全無欠ではないという事を表現したかっただけで…。 ともあれ、お久しぶりでありました
922:弐師 2006/05/13(土) 20:52 周りは美しい森に森に覆われていた。 その中に敷かれたとても広い遊歩道の中に私達は布陣している。 遊歩道は幅だけでも100mはあるだろうか。煉瓦敷きになっていて、平常時ならば、とても静かでいい場所だろう。こんなところで戦うというのも気が引けるが、仕様がないことだ。 ・・・やはり、多くの人間が整然と隊列を組み、向かい合うのは何度体験しても興奮するものだ。 敵の周昂は、私たちの軍の二倍ほどの兵力。兵力の差だけで言えばかなり絶望的と言っても良いだろう。 しかし、つけ込む隙はある。 まず、将の器。 周昂の名前は今日初めて聞いた、しかし、孫堅さん程の将はなかなか居ないだろう。 第一、今まで名前すら聞いたことさえない将だ、まあ、その程度と言うことなのだろう。 そして、兵の質。 今、袁紹の精兵はお姉ちゃんとの戦線に居る。ここにいる兵はそれほど練度が高くはない、それは今こうして向き合っていれば分かる。以前、お姉ちゃんの元で対峙したときと、明らかに「気」が違う。 それに対して、孫堅さんの軍は精鋭中の精鋭。二倍の兵相手でもかなり持ちこたえられる筈。 まずは耐えに耐えて、敵の崩れを誘う。 そして、私の率いる白馬義従。彼女らを率いて、私が本陣に突っ込む。 それが成功すれば、勝てる。 ミスれば、それで終わり。 白馬義従の娘達の顔を見回す。誰一人とておびえている娘は居ない。 ふふ、上等じゃない。流石は精鋭中の精鋭だ。 やってやるよ。私だって公孫一族なんだから、名を汚すわけにはいかない。 「よし!進軍だ!」 孫堅さんの号令の元、歩兵のみんなが敵軍へ攻撃を仕掛ける、一段目は程普さんが指揮を執っている。一旦は押し込み、その後少しずつ誘い込む作戦だ。 まずは互いの軍の一段目がぶつかる、兵力差を物ともせず、こちらが押し込んでいっている。 段々と敵の一段目が崩れ始める、程普さんは兵達の先頭で竹刀を振り回している。 ん?・・・おかしい、だんだん敵兵が二つに別れている、誘い込み挟み込む気か。 程普さんは気づいていているのかいないのか、そのままどんどん前進している。いや、させられているのか。 敵陣に飲み込まれ、挟み撃ちに合う寸前のところで、いきなり孫堅さん自ら率いるバイク部隊が突っ込んでいく。それと入れ替わりに、程普さんが後退していく。なるほど、流石は孫堅さんの配下、よく訓練してある。 孫堅さんは挟み撃ちにしようとした兵達を追い散らし、同様に引き上げてくる。 敵は算を乱し、結局全軍で押しつぶそうと前進してくる。 必然的に、陣は乱れる。 そして、決定的な隙が出てくる。 本陣と前衛との隙間。そこに全速力で、突入。 「今だ!本陣の周昂の所に突っ込むよっ!」 大地が震える。どんどんスピードを上げ、本陣に近づいていく。 乱戦に、突入する。 周りの娘達には目もくれずに、ただ一直線に周昂の元へ向かう。 「邪魔をするなら、容赦しないよっ!」 どんどんと本陣の中を進んでいく。 それほどまでの圧力はない、やはり、大したことのない敵か。 時々遮ろうと前に出てくる娘もいたが、それもどこか及び腰ですぐに蹴散らした。 私達に合わせ、防戦に徹していた孫堅さん達の本隊も攻勢に転じている。 前からの圧力に加え、陣の内部も引っかき回されているのだ、潰走するのも時間の問題だろう。 流れは、確実にこちらに来ている、あと一押しだ。 風が私の頬を打つ、まさに天を駆けるかの如く周昂に近づいていく。 周昂まで、あと ――――――――50m ――――――――25m ――――――――10m ――――――――――0!!! 遂に、周昂をとらえた。旗本達も蹴散らし、彼女に向かう。 「覚悟!!」 間近で見た、周昂の顔、それを見た瞬間、背筋に冷たい物が走る. 私は勝利を確信した、きっとそれは正しい。 それなのに―――――――― 何だというのだ、今から飛ばされようとしているのに何故っ!! 「何故貴女は、笑ってるのよっ?!」 「分からないの?所詮はあの公孫サンの妹ね・・・ふふ・・・」 「何がおかしいと言っているの!」 「ふふ、じゃあ、教えてあげる。私は、周昂さんじゃないわ・・・あなた、周昂さんの顔知らなかったでしょう?もしかして、名前すら知らなかったんじゃないかしら。 ただ、本陣にいて、旗本に守られているから、私のことを周昂さんだと思った・・・ ふふ、そう、本当の周昂さんは、本陣には最初からいなかった・・・」 そう彼女が言い終えたとき、左右の森の中から鬨の声が響いてきた。 まさか・・・伏兵・・・ 森の中から出てきた軍の先頭には、目つきの鋭い、薄笑いを浮かべた女が立っていた。 あいつが、本物の、周昂・・・!! 「孫堅さぁん!!!逃げてぇっ!!!!!」 ――――――――だけど、その絶叫も、 前後左右の鬨の声にかき消されて――――――――
923:弐師 2006/05/13(土) 20:54 詰めの甘い越さんなのでした。 >雑号将軍さま 袁術先輩は凄いですね、ほんとに。 設定を見てるだけで私の手には負えない気がしてましたw 「一位にこだわるがそれに値する努力はしっかりしてる」というのが素敵です。 >北畠蒼陽さま たった一言ですれ違ってしまった二人・・・相変わらずの素晴らしいダークっぷり!流石は蒼陽さまです 是非袁術先輩も書いて下さい!! 私の筆力ではこれが限界です・・・ >海月 亮さま 呂蒙の決意。そしてそれを認め、協力する少女達。青春ですね! 着々と進んでいく関羽包囲網、決戦が楽しみです。 >教授さま 完全無欠な孔明さんの弱点・・・それは「萌え」だったのですねw いやはや、流石は教授さまでございます。
924:海月 亮 2006/06/04(日) 21:19 −武神に挑む者− 第一部 >>898-901 第二部 >>909-912 第三部 決戦への秒読み 呂蒙たちが陸口の渡し場から遠くの戦場を"観ている"丁度その頃…虞翻は手筈通り、公安津の留守居を命ぜられた士仁の元を訪ねていた。 (…成る程) 闖入者に対して何の警戒も払わないどころか、こちらを時折伺う視線も無関心そのもの。 その守備隊のかもし出す雰囲気からは、訪れるであろうに未来に絶望しているように虞翻には思えていた。 (……同情したくもなるわね) 天下分け目ともいえるこの機会に背後の守りを任されるのは良いとしても…恐らく此処に残されたものは、"前線にいても無用の長物"というレッテルを貼られて、切り捨てられた者たちであろう。 帰宅部連合がまだ弱小勢力のことから劉備や張飛らと艱難をともにし、奸雄曹操をも虜にした義の人・関雲長。 その裏に隠された関羽のもうひとつの顔を、虞翻は垣間見たような気がした。 (君義の落ち度は、此処まで酷い扱いを受けなければならないほどではないだろうに…ううん、厳粛に取りしまるとのは良いとしても) その返り咲きの機会すら与えない…そんな関羽の冷徹な一面を垣間見た気がして、彼女は何時しか不快感すら覚え始めていた。 いや。 彼女が関羽に抱いた嫌悪感は、既にこうなる前から、持ち合わせていたものだった。 長湖部側から持ち出した親睦の歓談を拒絶し、公式の場で孫権を貶める発言をした…そのときから。 執務室に通された虞翻は、半年振りくらいに会った旧友の表情の変化に、衝撃を受けずに居れなかった。 腕前はともかくとしても、発展途上だった同門の有望株は、少なくとも此処まで覇気のない表情はしていなかったはずだ。 快活で前向きだったその彼女の面影はすっかり消え去り…瞳には絶望と憎悪が渦を巻いているように見えた。 「…あなたの言葉…信じてもいいのね?」 「ええ。ただし、条件があるわ」 既に前もって、文書で双方の意思疎通は図られていたのだ。 「……江陵棟の糜芳、その懐柔が条件よ」 「問題はないわ」 その少女は、虞翻に一通の文書を手渡す。 「我ら二名、および公安津・江陵駐屯軍の末卒に到るまで、あの女に味方するものはないわ…!」 「そう」 虞翻は此処まで自分の思い通りに運ぶとは思いもよらず、苦笑を隠せずにいた。 それから30分後、虞翻の連絡を受けた長湖部の精鋭部隊は、樊で戦う関羽にその動きを悟られることなく公安津への上陸を果たした。 「あんたが士仁だな」 「はい」 呂蒙との面会を果たし、降伏者の礼を取る士仁。 「そんなに堅っ苦しいのは抜きで良いよ。立場が立場だから暫くは肩身狭いかもしれないけど…まぁひとつよろしく頼むわ。これからの戦列に加わって協力してもらってもいいかい?」 「無論。武神などと呼ばれ有頂天になっているあの女に、是非とも一泡吹かせる機会を!」 見つめ返す栗色の瞳の奥には、憎悪の炎が渦巻いているかのよう…呂蒙もまた、虞翻が抱いたのと同じ印象を受けた。 傍らの虞翻に目をやる呂蒙。 「…彼女は私と同流派の使い手よ。先鋒に加えて、彼女やひいては我が流派が蒙った汚辱を晴らす機会を与えてくれれば、私としても嬉しい」 その応答に満足げに頷く呂蒙。 「よし決まりだ。此処の連中もやる気満々のようだし、先ずは関羽攻略に一役買ってもらうとするかな」 「…ありがとうございます!」 初めて喜悦の表情を表し、深々と一礼し退出するその少女の姿を見送り、呂蒙は再び虞翻を見やる。 「…どんなに堅い胡桃の実にも虫が食っていることがあるが…まさにその通りだな」 「そうね」 呟く虞翻には何の表情も伺えない。 彼女としても複雑な気分であっただろう。志は違えたといえど、旧友の弱みに付け込んだ格好になったのだから。 「これで私の役目は…」 「んや、あんたにはもう一役買ってもらわなきゃならん」 「え?」 立ち去ろうとした虞翻だったが、呂蒙は更なる重責を彼女に負わせるべく考えていたらしい。 ふたりがそのあと、何を話していたのか知る者はいない。 唯、以降この陣中に虞翻の名をみることはない。 その後関羽攻略を記した記事の中に唯一つ、虞翻が孫権に問われるまま占いを立て、関羽が彼女の予見したとおりの時間に囚われたことを孫権が称揚した以外には…。
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