呂布軍団その12 ■王楷■
1:玉川雄一2002/12/01(日) 22:00
 王楷タン。

兗州校区の執行部員であったが、あれよあれよという間に呂布一党に収まる。
そんな流されやすい自分がちょっとイヤになってしまう王楷だったが、案外ととけこんで庶務に携わった。

だが、次第に曹操に追いつめられて進退窮まり、ついには一旦破談となった袁術との提携を再び試みることになる。
許汜と共に使者の任に当たったわけだが、相手は名うての曲者である。
案の定、前回の違約をダシにねちねちと絡まれて辟易したものだが、
ここはともすれば感情的になりがちな許汜よりも王楷が活躍することとなった。
『呂布が敗れれば次はアナタの番ですよ』という脅しを二重三重のオブラートにくるんでやんわりと説かれれば、
おだてに弱い袁術のこと、自尊心もくすぐられて上機嫌で承諾とあいなったのである。

だがいざ実行の段になると、袁術持ち前のケチの虫が騒ぎ出した。
「考えてみれば、余所様の喧嘩に首を突っ込んでわたくしのかわいい部下が怪我をするなんて馬鹿げてませんこと?」
結局、袁術の助勢は形ばかりのものとなり、王楷の骨折りも無駄に終わったのだった。
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