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蘭卿ちゃん ■曹芳■
1:玉川雄一2003/01/14(火) 22:45
薄幸の三代目会長、曹芳タン。
曹叡の電撃引退の後、蒼天会長に選出される。
その際にどのような協議が行われたかは明らかではないが、
一旦は内定した新執行部中枢の顔ぶれが軒並み入れ替わったという説もあり、
何やらきな臭いものがあったと見られている。
結局、曹爽、司馬懿の二頭体勢で新たなスタートを切ることになったが、
曹爽一党の工作により司馬懿は閑職に追われ、曹爽の息の掛かった役員が
執行部の要職を独占することとなった。
曹芳の人となりについてはこれといって際だったエピソードもなく、
「可もなく不可もない」といった評価が妥当な線ではないだろうか。
少なくとも、自ら積極的に何かを行ったという事例に乏しいのである。
その後専権著しい曹爽は司馬懿の電撃クーデターに敗れて一網打尽となり、
かわって司馬懿が生徒会の第一人者となった。
その引退後は妹の司馬師、司馬昭がよく後継の任を果たし、
いよいよ司馬氏が台頭し始めるのだった。
だが、曹芳自身は良くも悪くも「傀儡」であることを容認していたのかもしれないが、
彼女の周囲は必ずしもそうは思っていなかった。
張緝、李豊、夏侯玄らのクーデター未遂が発覚したのである。
この事件に曹芳が直接関与したという証拠はなかったが、
不穏な動きが再発することを憂えた司馬師は曹芳のリコールを要求した。
そしてもはや司馬氏に逆らうことのできる者はなく、曹芳自身も例外ではなかった。
彼女は蒼天会長の座を返上し、会長就任前にあった“斉の君(きみ)”の座に退いたのだった。
その後、司馬炎の蒼天会長就任にともない、司馬攸に“斉の君”の位も譲り渡すこととなった。
“邵陵の君”へと事実上の降格となりながらも任期を勤め上げ、ひっそりと引退したという。
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