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妙才ちゃん2 ■夏侯淵■
1:玉川雄一2003/12/12(金) 02:47
学園最強の機動部隊、“真紅の旋風(Crimson Gale)”を率いるは夏侯淵。
夏侯惇とは同年の従妹であり、曹操一家も含めて幼少時よりのつき合いがあった。
高等部に進級してのち曹操が旗揚げした際には当初より従い、実戦部隊のエースとして頭角を現す。
三輪車に乗っていた頃にスピードに目覚めたという根っからの走り屋で、
長じては校則もどこ吹く風と自動二輪を駆って学園内を疾走していた。
彼女はそのスピード感覚に加えて苛烈な戦闘指揮能力を持ちあわせ、
さらには得難い大局的な戦略眼と貴重な兵站知識も備えていた。
曹操の勢力が拡大するにつれてそれらの特性はいかんなく発揮され、優秀な指揮官として成長してゆく。
従姉である夏侯惇が曹操の留守居を守る“盾”の役割を果たすようになった一方で、
夏侯淵は曹操のもう一振りの“剣”となり、大戦略の一端を担うことになる。
当時曹操の元には名だたる主将が集いつつあったが、
いち指揮官としてはもちろん申し分ない彼女らを統括する最上級指揮官としての役割を見事に果たし、
こと軍略においては「もう一人の曹操」と呼べるほどの実績を積み重ねていった。
その中でも圧巻と言うべきは彼女の活動の最盛期となった三年生二学期だった。
赤壁島での敗戦によっていよいよ侮りがたい勢力となった長湖部と直接対峙する曹操と全戦力を二分し、
夏侯淵は学園の北・西方の不安定勢力をことごとくうち破り、生徒会の傘下に収めることに成功する。
巨大化した組織が必要とするシステマチックな戦略を総合的な視点からとらえて実行するには、
曹操を除いては夏侯淵しかその任に耐えうるものは存在しなかっただろう。
かくして夏侯淵は関中方面の総司令官となり、
今や学園の一角を占めることとなった帰宅部連合と対峙することになる。
『学園最強』に挑むべく連合が投入したのは、益州校区接収により再編なった山岳猟兵。
険阻さでは類を見ない漢中アスレチックの地形に夏侯淵は得意の機動戦を封じられ、
戦力を分断されたところへ突撃してきた黄忠に飛ばされたのだった。
曹操は常々彼女に勇と知のバランス感覚を磨くよう諭していたと伝わるが、
それをもっとも理想的な形で持ちあわせたはずの彼女にこの時何が起きたのか…
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