【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
173:弐師2006/01/20(金) 17:40
そういえば、あの頃だったか。
あの娘、士起と出会ったのは。
あの頃は、袁紹を攻めるには力が足りず、だからといってじっとしてもいられなくて、
それで、よくバイクを乗り回して烏桓高の連中と「風紀を守るため」と言っては喧嘩していた。
そんなある日の事だ、烏桓高の連中にからまれている女の子を見つけた、その時いらいらしていたのと、その娘がうちの制服を着ていたから、気がついたら、そこへ突っ込んでいた。
喧嘩自体はすぐに済んだ、2、3人殴り倒したら、残りの奴らは逃げていった。
むしろ、問題はそのあとで、その女の子、士起が、私に妙になついてきたのだ。
最初は、鬱陶しい奴だと思った、しかし、段々私は彼女のことを――――――――

こんこん、と遠慮したようなノックの音で考えが中断される。
「入って良いよ。」
おずおずと入ってきたのは、顔をくしゃくしゃにして、目を真っ赤にした士起だった。
「あの・・・」
「士起・・・どうして・・・」
頭が混乱して、うまく言葉が紡げない、あんな事をしてしまったのに、なんでこの娘は。
「えっと、その、伯珪さまに謝りたくて・・・済みませんでした!!私、何にも知らないくせに無神経なこと言っちゃって、その、あたし、ほんとに馬鹿で・・・」
嗚呼、この娘は、なぜこんなに、私などを慕ってくれるのだろう?
「確かに、本当に馬鹿だな、私は、怒ってなどいないよ?」
そういって、頭を下げ続ける彼女を、そっと抱きしめる。
無性に、彼女が愛おしかった。
だけど、馬鹿なのは私だ。
本当に大馬鹿だったのは、私の方ではないか。
憎しみにとらわれ、また大切なものを手放してしまうところだったではないか。
もう、失うのは、嫌だ。
「あ・・・伯珪・・・さま・・・」
何で?
嬉しいはずなのに、
伯珪さまがこんなにも近くにいるのに、
――――――――あたしは、泣いてるの?

だけど、こんな馬鹿なあたしでも、一つだけは分かる気持ちがある。
この温もりを、絶対に、離したくない。
伯珪さまから、離れたくない――――――――
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