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【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
191:雑号将軍 2006/01/25(水) 19:58 ▲跳躍▲ 帰宅部連合の劉備が益州校区を手中に収めてから間もない頃、各地では連合に反抗する蜂起が相次いでいたそんな時。ここ南充棟でも反対派が蜂起していた・・・・・・。 「急ぐのよ!反乱軍は目の前まで迫ってきているわ!」 棟長が半ば叫ぶようにして、辺りを駆け回っている。 多少なりとも錯乱しているのだろう。元来、武道を鍛錬するよりも本を読むのが好きな文学少女だ。こんな山賊まがいの連中とまともにやりやったことなどあるはずもない。 まあ、焦るのも無理ないか・・・・・・。 「棟長、少しは落ち着いたらどうです?あなたがそれでは皆の士気にかかわります」 「・・・うっ、でもぉー」 「デモは反乱軍に殲滅させられましたよ・・・。とにかく今は・・・・・・うん?どうした?」 私は半ベソの棟長に軽口を交わし、善後策を講じようとしたとき放っておいた斥候が血相を変えて戻ってきた。 「なに!副棟長が敵に捕らえられたっていうのっ!」 私は灰色の天井を仰ぎ見るよりほかになかった。横では棟長がぺたりとへばりこんでしまっている。 無理もないかな。棟長と副棟長、仲良かったから。 文の棟長に対して武の副棟長。あの人はそんなに弱い人じゃない。 まあそんなに強い人ではなかったけど。 それでも単身棟内に残って私たちを逃がしてくれた・・・・・・。 助けないと・・・・・・絶対助けないと・・・・・・っ! なんだろう。この感じ。なんだか胸が熱い。 体中が炎に包まれているみたいに。 ――なんでもできる なんの根拠もない自信が私の心の中に満ちあふれてくる。 気がついたとき、私はもう木刀を手に取っていた。 身体が勝手に動いていた。 そう。それが一番近い表現。 「は、伯岐さん?一体どこに行くつもり?」 伯岐・・・親しい人にしか呼ばせない私のもう一つの名。この名で呼んでくれる人はここにいる棟長と後一人だけ。 副棟長。あの人は私を「伯岐」と呼んでくれる。 「そうですね。囚われた姫将軍を助けに行く・・・・・・そんなところでしょうか?」 私は肩をすくめ、ちょっとおどけてみせた。 棟長は何も言おうとしない。どうやら私の無謀極まりない行動に絶句しているようだ。 『私だって、バカだと思う。それでも私は副棟長を助けたい!』 もはや火のついていない部分は私の心の中には存在しない。 さあ、行こう! 「棟長。副棟長は私が必ず助け出してきます。必ず!」 わたしはそれだけ言うと、引き揚げてきた道を今度は攻め上っていった。 夕暮れ時に吹く風はまだ冷たかった。 『ここまでたどり着いたはいいが、どうやって侵入するか・・・・・・』 私は南充棟の裏門前の草陰に隠れ、潜入の機会を窺っていた。 昨日まで自分が登校していた所に入れない・・・バカらしい話だ。だが、れっきとした現実だ。 だからこそ、今はこの危機をなんとか切り抜けなければならない。 さて、どうしたものかな・・・・・・。 私は半時くらいそこで丸まっていただろうか。棟内を白光が照らし始めた頃、運動場の方から歓声が聞こえてきた。 それだけではない。 校舎の方からもなにやら、驚喜の雄叫びらしきものが聞こえてくる。 『なんとまあ、節操のない・・・・・・。あれでも女?』 私はそう毒づきながらもこれらの情報から現在の状況を分析する。そこかから導き出される答えは・・・・・・。 宴会である。 『ふふ、なるほど・・・私たちを追い出せたことを肴に祝勝会ねぇ。だったら私も参加してみよっかな』 私は心の底から再び燃えたぎってくる炎を感じていた。そして同時にこれから行う手順が流れる川のように形作られていった。 決断してからの行動は素早かった。 私は六〇センチばかりの木刀を握り直し、裏門に詰める柔道着姿の女生徒に斬り込んでいった。 闇の中を駆けた。かっこよく言えばそんな感じ。 私の斬撃の前に女生徒は助けを呼ぶ暇もなく、地面に倒れ伏していた。 正直言うと、なぜ柔道着なのか突っ込みたくなったけど、生憎そんな暇はなかった。 まあ、聞かなくても大方検討はつくし・・・。 ここからはスピード勝負だと感じた私は、女生徒からサブマシンガン(エアガン)と弾倉だけを引ったくり、棟を囲む壁に手を掛け、登った。 『さて、どこから忍び込むかだけど、やっぱり突入は美術室からよね』 私は最近、美術室の窓ガラスが割れているという情報を入手していたので、そこから乗り込むことにした。もちろん一階にあるというのも重要な理由なのだが。 私は小、中、高とガールスカウトに所属して、数々の山をベッドにしてきた。崩れ落ちそうな橋を何度も渡ってきた。そんな私にとって、塀の上を走ることは難しいことではなかった。 どうやら、本当に運動場に集まって宴会をしているようだ。ここまでいくら裏道を通ってきたとはいえど、誰一人として顔を合わせていないとは。 『ま、交代の時間までが勝負かな』 私は早くも光り始めた月明かりをバックに時計を確認すると、美術室に突入した。 「作戦・・・スタートよ!」
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