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【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
211:弐師2007/01/20(土) 22:23
「ダンス・・・パーティー・・・?」
唐突な、誘いだった。
ふむ・・・ダンスパーティー・・・か。
正直、興味はない。ダンスは一応出来るが、そんな場に堂々出られる程までではない。第一、今私達は受験生だったと思うが。
「本気か?田揩?」
そう目の前の少女に問い返す。彼女が自ら何かを私に提案することすら非常に希有だというのに、その用件が「一緒に踊りませんか?」ときている。問い返すなと言う方が無理ではないだろうか。
確かに、二人とも志望校の判定には余裕があると言っても良い。少なくとも、一日くらいなら息抜きできるほどには。だが、それでもこの時期の受験生、しかも真面目で知られる田揩がそのようなことを本気で言うとは思わなかった。
「・・・本気です!私、単経さんと踊りたいんです!」
「君は・・・踊れたか?」
「う゛・・・き、気合いがあれば何とかなります!とにかくっ!私は単経さんと踊りたいんですっ!」
「何でそんなにこだわる?いつもの君らしくもない。」
そうまた聞き返す。そうすると、田揩は何故か急に真っ赤になって俯いてしまった。
まあ、彼女が赤くなるのは良くあることではあるのだが、今回は何やら様子がおかしい。
そう思ったのは、彼女がどうやら涙をこらえているようだったからだ。
「だって・・・」
「・・・だって?」
「だって・・・これが、最後のチャンスだからぁっ・・・!」
彼女がこらえていたものが、零れ落ちた。
これが――――――――最後。
それは今まで私の頭からすっぽり抜け落ちていた――――いや、あえて考えようとしなかったこと。彼女の涙は私にそれを強く、印象づけた。
――――――――「女の涙は武器」とは、故人もよく言ったものだ。
「分かった、踊ろう。」
「え・・・ほんとですか!」
「ああ、本当だ。だからとりあえず涙を拭くと良い。」
「え・・・あ・・・あはは・・・ごめんなさい・・・」
彼女はそう言って半泣きのままへへぇと困ったように笑ってみせる。
その笑い顔に、曇り空からゆっくりと降り注ぐ粉雪が触れては溶けていった。
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