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【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
214:弐師 2007/01/20(土) 22:27 流石に、立派な会場だな。公孫範さんたちが設営をしただけのことはある。 私は今まで一応幹部という立場にありながら、何かと理由を付けて旭記念日のパーティーはさぼっていたので、驚きも大きな物であった。普段はがらんとしているホールに、多くのテーブル、その上の料理、大勢の生徒達。こんな時でなければ見ることもない光景に、ただただ驚嘆するのみだった。 そんな私の袖を、田揩が引いた。 「ね、来て良かったでしょう?」 満面の笑み、私も最高の笑みを返す。とは言っても、こんな私に出来る範囲で、だが。 「ああ、そうだな。なかなか見られる物でもない。有り難う、田揩。」 彼女は無言で微笑み返す。幸せいっぱいといった風情だ。そして、それは私も同じ事だった。 来て良かった。少なくとも、彼女のこの笑みを見られただけでもここに来た価値は充分あったと言っていい。 ダンスが始まるまでにはまだ時間がある、それまでは立食をしている事になる。しかしあまりそういったのは得意ではない、それは田揩も同じだった。まあ、私に話しかけてくるような変わり者などはいないだろうから、その点は安心なのだが。 ・・・どうやら、世の中は物好きが多いらしい。 パーティーが始まって物の10分ほどで私は多数の生徒に囲まれてしまった。同じ様な状態になっている伯珪様、劉虞さんは慣れているようで上手く応対しているが、私はこのような状況は初めてなのでそうもいかない。人の輪の外から田揩が心配しているような、何やらよく分からないが不満そうな顔をしてこちらを見つめていた。 そんな時、私を救うアナウンスが流れる。公孫範さんの声。 ――――――――これよりダンスの部に移ります。参加される方は準備の程をよろしくお願いいたします―――――――― 「じゃぁ、単経さんはダンスの準備があるので失礼しま〜す。ごめんあそばせ〜。おほほほほ・・・」 田揩が妙な口調で挨拶しながら私を輪の中から引き出した。何やら、いつもの彼女らしくもない不自然な笑いと、私の腕をつかむ力が妙に強いというか、怒りを感じる気さえするのが気にかかるところだが、まあ、この際それはいい。 輪から離れて、控え室に向かう道すがら、私は彼女に礼を言った。 「有り難う。おかげで助かった。」 だが、返事が返ってこない。 彼女は少し怒っているようだった。一体どうしたというのだろう? 「なあ、田・・・」 「なんですか!?」 「・・・何を怒ってるんだ?」 「怒ってなんて無いです!」 「・・・充分怒ってるじゃないか。」 「・・・だって!単経さんが私を無視して他の人とばっかり話しちゃって!私の事なんて忘れちゃってるみたいで!」 よく分からないが、さっきのことに腹を立てているようだ。 確かに放って置いてしまった感はあったな。反省せねば。 だが、私が彼女のことを忘れるなど、そんなことは決してないと言い切れる。だから、そのことを彼女に伝えなければ、と思った。 「そんなわけないだろう?私の親友は君だけだ。」 「え・・・」 呆気にとられたような顔。さっきまで膨らんでいた頬が今度は赤くなる。 私にとっては何を今更という感のあることであったが、よく考えてみれば言葉にして伝えたことは殆ど無かったように思う。 「聞こえなかったか?私の親友は君だけだといっている。」 「あの・・・もう一回・・・お願いできます?」 「・・・私の親友は、君だけだ。」 「・・・嬉しい・・・」 今日は、きっと良い踊りが出来るだろう。 理由もないけれど、そう思った。
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