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【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
168:海月 亮 2006/01/19(木) 23:42 >北畠様 …先生…狼を指して「羊」と呼んでも、誰も信じやしません…。 そしてアレが「萌えじゃない」といわれて、信じられるはずもあろうハズが… ええぃ、まさか此処に来て、よもや董卓に萌えることになろうたぁ思わなかったっつの!(;´Д`)ハァハァ この間の董君雅の話は此処に繋がってくるんですな。GJであります! >冷霊様 おお、早速東州軍団登場でありますな!(゚∀゚) 確かにあの連中が雪合戦やったら、まぁただで済むはずもないでしょうなw …つか扶禁タソ哀れ(ノД`) そして楊懐がいたことを何時の間にか忘れ、文脈から雪だるまには劉璋が入っていたと思ってしまった私は負け組でしょうか…?_| ̄|○ あと、混乱する妹達。 海月の中では、虞姉妹の中で冗談を理解できるのは虞レだけだと思ってます^^A あと、結局みんな、お姉ちゃん大好きなんですよ。と言うわけで本気説に一票(何?
169:北畠蒼陽 2006/01/19(木) 23:45 [nworo@hotmail.com] >冷霊様 学三にSS初投稿おつ! 実にいい作品だと思います! というかこんなシチュエーション好き! 王昶世代もこんなふうに書いていきたいなぁ……
170:★教授 2006/01/20(金) 00:18 ◆◆ A CONVERSION! 〜転換〜 ◆◆ ■■ TROUBLE ■■ 「で…どうすんのよ、この状況」 「知らないよ。こんな漫画みたいなシチュエーション、私にどうしろって言うのさ」 成都棟内、階段踊り場付近でへたり込む女子生徒二名。 一人は赤いボサボサ髪の眠たそうな少女、もう一人は薄紫の艶やかな髪をした目線厳しい少女。言わずもがな、簡雍と法正だ。 二人は埃まみれの上に手足に擦り傷や痣を作っている。よくよく見てみると法正はそれほど傷を負ってはいなかった。それを痛がるような素振りを見せてはいないが、端から見るとやはり二人とも痛そうな状態だ。場所と状況を見れば二人が階段から仲良く池田屋ヨロシク転げ落ちたものだと推測する事に容易だろう。 「正直…困ったわ。憲和、何とかしなさいよ」 大きい溜息を一つ、簡雍がじろっと法正を一瞥して言う。 「冗談。何とか出来るような狡い知恵を孝直が搾り出して欲しいもんね。そーゆーの得意でしょ」 肩を竦めて法正が言葉を返した。 「狡いはともかく、私の範疇なら幾らでも考えるわよ」 「ま、こんなワケ分かんない状況は…医者にもどうにもならないんじゃない」 法正は立ち上がるとスカートの埃を大雑把に払う。それに続いて簡雍も立ち上がって着衣の乱れを整える。 「とにかく、ここは離れて会議室行こうよ。あそこなら一人くらいは分かると思うんだ」 法正は服を少し着崩して簡雍に提案する。着崩している法正を見て、簡雍が慌ててその着衣を戻そうとする。 「私のイメージダウンになるような事しないでよっ」 「あー…はいはい」 法正は思い出したように声を出して着衣を整える。安心したような表情の簡雍…二人とも様子がかなりおかしい。 「ともかく、それでいいと思うわ。問題はこの状態を信用してもらえるかってトコだけど」 「信用してもらわなきゃなんないよ。このままってワケにはいかないんだし」 二人は喧々諤々と廊下を歩いていった。 ■■ PANIC ■■ 「はー…で、そっちが孝直で…こっちが憲和って事なわけやな」 劉備が簡雍と法正を交互に珍しそうな目で見る。 「流石の憲和ちゃんも困ってるんだ。何とかなんないかな」 「いや、アンタは孝直やろ」 「だーかーらー…私が憲和なんだって」 「あ、そやったな」 劉備と法正が漫才じみたやり取りを横で見ている簡雍。疲れたような困っているような複雑そうな顔をしている、が堪り兼ねた様で口を挟んだ。 「総代…私、真剣に困ってるんですけど」 悲痛な思いが混ざった声に、さしもの劉備も咳払いを一つして漫才を止める。 「すまんすまん。でもな…この時間でここにおんのはウチと孔明くらいやで。孔明のトコには行ったんかいな?」 「一番行きたくないトコですが?」 「愚問やったな」 劉備、簡雍、法正の3人ともが一人の狂科学者の顔を思い浮かべる。何を置いても研究と萌えだけは手放さない、地球が滅びても一人生き延びそうな少女の顔を。 「まあ居場所は分かるから…最後の手段として」 法正はどかっとソファーに座ると、手近にあった本を開いた。 「ああ、エリア51な…」 劉備はノートパソコンを開いて信用できる口の堅そうなキレ者をピックアップしながらつぶやく。簡雍は劉備の横でサポートしながら頷いた。 エリア51。 それは諸葛亮孔明が自分の研究を誰にも邪魔されたくない為に、築き上げた専用研究室の事である。 その怪しい研究室は成都棟の旧校舎の中に設けられており、ただでさえ古い校舎というだけで不気味なのに危険な音を流して更に不気味さを演出していた。その為、一般生徒は怯えて近づかないのだ。当然、苦情も劉備の元に何十何百と寄せられてきた。こうなっては総代として動かざるを得ない劉備も張飛や馬超、趙雲といった歴戦の兵を率いて孔明に注意をしに行った。音には物怖じすらしないタイガーファイブに襲い掛かる侵入者排除システム。しかし、アスレチック感覚でそれを返り討ちにされていく。そして先導しているのが劉備では孔明も流石に最終防衛システムのスイッチを押すわけにもいかずお手上げ状態。結局、白旗を挙げた孔明と劉備のタイマン談義によって音は鳴らさない、侵入した一般生徒に危害を加えないという条件で研究室存続を許されたのである。 しかし、危険な音や侵入者排除システムは解除されたものの、今までの事もありやはり誰も近づこうとはしなかった。 そして一般人の近づけない絶対領域、成都の秘密研究施設と呼ばれ…現在の呼び名であるエリア51として呼ばれるようになったのだ── 劉備はあかんと一言言うと、ノートパソコンを閉じる。 「みんなそこはかとなく口が軽そうや。こういう事情なら尚更やなぁ」 「やっぱ、あそこ行くしかないのか? つーか、あそこしかない」 法正は髪をくるくると指先で弄びながら早くも最終手段を口にした。簡雍もまた同意したように強く頷く。 「今日中に何とかしないと。個人情報が危険に晒されてるもの」 早速とばかりに部屋を出ようとする簡雍。しかし、後ろからキツイ一言が襲い掛かった。 「ホント…貧しい胸だこと」 振り返った簡雍にぺたぺたと自分の胸を触りながら哀れみに近い溜息を吐く法正の姿が映る。 「う、うるさーい! 何さ、でかくたっていい事ない…な…の?」 逆上して同じ事をする簡雍。しかし、そこには未だかつて体験した事のない夢幻世界が広がっていた。気にして初めて分かった事…なるほど、自慢したい気持ちは分かる。むしろ、このままでもいいかも…なんて気持ちになってしまった。 「これはこれで…」 悦に浸り気味の簡雍から本音がポロリと出た。 「よくねー!」 それにツッコミを入れる法正。 そしてそれを新鮮そうな眼差しで見つめる劉備がいた── ■■ MAD and GENIUS ■■ 「ほう。経緯は理解できましたが…何とも萌え要素とお約束を混同…あ、冷めた目で見られるのは辛いのでやめてほしい」 白羽扇を手に本音感想を述べる諸葛亮に劉備、簡雍、法正の冷たい目線が浴びせられた。 「で、どないなんや? 何とかなるんか?」 「ははは。私に出来ない事は何一つないのです! この素敵現象を終わらせてしまうのはいささか残念ではありますが……これこれ、輪ゴムを撃たない」 簡雍が太い輪ゴムを何発か撃ち込んで諸葛亮を黙らせた。彼女には素敵要素満載なのかもしれないが、簡雍にしてみればこの上なく嫌らしい。 諸葛亮はこほんと咳払いをすると、こちらへどうぞと部屋の奥に案内をし始めた。三人は互いに見合ったが、詮索すると却って長引くと判断して後に続く。その途中、どこかで見た事がある猫型ロボットや自動歩行する城の模型が目に留まったが、敢えて無視する。そして、目的の場所に到着。 「こんな事もあろうかと、秘密裏に製作しておったのです」 「うっわー…お約束もいいとこだねぇ」 目の前に広がるその光景。椅子が二つと頭にかぶせるのだろう、色んな突起物とパイプが伸びているヘルメット。そして、その後ろにはこれまた何処かで見た事のある機械が鎮座していた。更にその横には『秘密結社○ョッカー』と書かれた手術台があったが、諸葛亮を除く三人が協議した結果、見なかった事になった。 「つまりは…私達二人があのヘルメットをかぶって椅子に座ればいいという事なのね」 「論理的な説明をしたかったのですが、平たく言えばそういう事ですな。後は、こちらで操作しますので」 ささ、ご両人と簡雍&法正を椅子に座らせる諸葛亮。渋い顔で椅子に座ると法正と簡雍はヘルメットをかぶった。ここに来て劉備が『ウチ、必要ないんとちゃうんかいな』と思った。 「では、お二方。覚悟完了でよろしいか?」 諸葛亮はリモコンを手に簡雍と法正に向き直る。 「覚悟完了ー…って! ち、ちょっと! それテレビのリモコンじゃん!」 「のーぷろぶれむ」 「棒読み!? ち、ちょっと覚悟不完了!」 「腹を括ってその時を待ちなさい、お二方」 逃げようとする二人を見て、諸葛亮がリモコンのスイッチを押す。と、椅子からベルトが飛び出し二人を拘束した。 「うわー! やめてー!」 「離してよ! うわっ! 何か生暖かい!」 法正と簡雍、絶体絶命。それを眺めてニヤリと諸葛亮。 「では、エキセントリックな世界へご招待!」 「「するなーっ! っぎゃー!!!!」」 馬耳東風の勢いで嫌がる二人を尻目に諸葛亮がリモコンのドクロマークスイッチを押した── ■■ an EPILOGUE ■■ 簡雍と法正は並んで夜道を歩いている。二人とも疲れきった表情で何を話すでもなく帰路を進んでいた。 今から約2時間前、諸葛亮の機械で幸いにも元通りに戻る事が出来た。その時に彼女の言った言葉『ヒトによる臨床実験初成功』に心底青褪める思いもした。 「まー…無事に戻れたからいいか…」 普段見せないような疲れ顔で呟く簡雍。 「贅沢も我侭も言わないわ…自分の体が一番よ」 自分の肩を叩きながら法正も同意した。 しかし、胸をちらりと見てやっぱり勿体無かったかな…と溜息を吐いた。 それを見ていたのはお月様だけでした。 ■■ RECOLLECTION ■■ 「待てーっ! そのカメラこっちに渡しなさーい!」 「やなこった! 折角のスクープ、台無しにしてたまるもんかー!」 毎日が日課。いつもの鬼ごっこを繰り広げる簡雍と法正。勿論、簡雍が法正のせくしぃショットを盗撮したのが原因なのだが。 廊下を走り、教室に逃げ込み引っ掻き回し…他人の迷惑を顧みず展開される鬼ごっこも終盤に差し掛かった時だった。 「あ! しま…」 階段を駆け下りようとした時、簡雍の足が縺れた。簡雍の体が吸い込まれるように階下に消えていく、が── 「憲和!」 法正の手が素早く伸び、簡雍の手を掴んだ。しかし、詰めが甘かった。勢いの付いた簡雍の体を支えるのに非力な法正の力が足りようはずもない。おまけに両手で掴んだ為、手摺に掴まる事も出来なかった。 「く…」 目を閉じ、来るべき衝撃に慄く法正。そして最初の衝撃…存外に痛みを感じなかった。その代わり、自分が抱きかかえられている事に気付いた。 「憲和!?」 更に二度三度と衝撃が続く。痛みをそれほど感じない法正は必死で自分の盾になってる簡雍を振り解こうとするが…現状ではどうする事も出来なかった。そして最後の衝撃が── 「いたっ!」「あいたっ!」 火花が散った。もがく法正と頭へのダメージを防ごうとした簡雍の無我夢中の動作がごっつんこだったのだ──
171:弐師 2006/01/20(金) 17:39 風が、心地良い。 やはり、私には北の地が会っている、と思う 易京棟の屋上で空を見るのが、私の日課だった。 「伯珪さま〜!」 誰かと思い、振り返ると、そこには見知った顔があった 「士起か。」 関靖 士起、いつも私のそばをうろちょろしている少女だ。 いつものように、他愛ない会話をして、それで終わり。 ・・・の筈だった。 「伯珪さまって、髪は伸ばさないんですか?」 会話の中の何気ない一言、だけど、私の胸の一番ふれられたくない場所に深く突き刺さる。 私は、思わず士起の胸倉につかみかかっていた。 「え・・・伯珪さま・・?」 だけど、彼女のおびえた瞳に耐えられなくて ――――――――私は、そこから、逃げ出した 「はあ・・・」 一人残された屋上で、ため息をつく。 結局、あのあと追いかけることもできず、ずっと屋上にいた。 どうしよう、伯珪さまを怒らせてしまった。 しかも、いつもの怒り方ではない、あんな悲しそうな、寂しそうな目をした伯珪さまは初めてみた。 「どうしたの?士起ちゃん」 「わっ!」 そこに立っていたのは、公孫範さまだった、伯珪さまの従妹で、勃海棟の棟長だったが、界橋の戦い以来、本体に合流していた。 「わっ!てなによ、失礼ね」 「す、済みません!」 そう言いながらも、範さまは笑っていた、彼女は、優しく、面倒見のいい方だった。 「で、どうしたの?ため息なんてついちゃってさ。」 「それが・・・」 あたしは、範さまにあのことを話した、髪の話をしたこと、いきなり伯珪さまが怒ったこと。 「ああ、なるほどね・・・そういえば、あの頃居なかったもんね。」 あたしの話を聞いた範さまの顔も曇る、あたし、そんなまずいことを言ってしまったのだろうか。 「うーん、ちょっと長い話になるんだけどさ、いい?」 「お願いします!」 迷いはなかった、伯珪さまのことなら、何でも知りたかった。 「伯珪姉にはさ、妹が居たの。」
172:弐師 2006/01/20(金) 17:39 生徒会室に戻ってきて、最初に思い出したのは、この髪を切ったときのこと。 ――――――――私の、妹のこと。 あの娘、越は可愛い娘だった、姉馬鹿といわれるかもしれんが、本当に可愛い娘だった。 その頃、私は髪を伸ばしていて、あの娘は逆にショートにしていた。 いつもにこにこと人なつっこい笑顔をしていて、周りの人皆から好かれていた娘だった。 ある日のことだ、私は彼女を同盟の使者に出した、袁術の元だ。 元々袁姉妹は気にくわなかったが、だからといっていまの私の力では、手を組まないわけには行かない。 隣り合う袁紹と組めばどうせあとで潰される、だから袁術と組んだ。 それだけのこと。 そう、それだけのことだったのに。 「あの娘、飛ばされちゃったの、袁紹との戦いでさ」 「え・・・」 「あのあとは大変だったわ〜、私が勃海棟長になったのもさ、その時の伯珪姉にびびった袁紹が私に棟長を譲ってきたの。それでさ、私とか厳綱ちゃんとかが必死で冀州に殴り込みに行こうとする伯珪姉を止めたの、私たちが止めなかったら本当に一人で殴り込みに行ってたね、あれは。」 そう、その時だ、私が髪を切ったのは。 復讐への覚悟と、鏡を見るたびあの娘を思い出せるよう。 だけど、その結果が界橋の、あのざまだ。 私は端から見たら馬鹿みたいなのだろう。 だけど、後悔はしていない。 あの娘の為なら、何だってしてやれる。 それが、我が身の滅びになろうとも。 何を犠牲にしようとも。 あの娘の、為なら―――――――― 「それ以来ね、伯珪姉が他人に心を開かなくなったのは。まあ、もともと自分にとって大切な人以外には愛想よくなかったけどね。」 「そんな・・・」 やっぱり、あたしは馬鹿だ、そんなことも知らないくせに。 伯珪さまにべたべたして、 傷つけて。 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 「ねえ、士起ちゃん・・・伯珪姉のところに行ってあげてくれない? あの人さ、いつも強がってるくせ、繊細って言うか、弱いところがあるからさ。」 範さまの声で、ふと我に返る。 「え・・・でも・・・あたし・・・」 「いいから!行って来なさい!」 私の声に驚いて、士起ちゃんは戸惑いながら階段へ向かって走り出している。 (ねえ、士起ちゃん。私、ちょっと口惜しくていえなかったけどさ、伯珪姉はね、貴女には心を開きかけてるの、貴女なら、あの人の「大切な人」になれるかもしれない。) 階段へのドアを開けようとしている士起ちゃんを見送る。 期待と、 羨みと、 ちょっとだけの、嫉妬を込めて。 「あーあ、何で私じゃだめなんだろ。」 何で私じゃ、伯珪姉の「大切な人」になれないんだろう。 誰も、多分伯珪姉自身でも答えられないであろう問いを、澄んだ青空に投げかけながら、 ――――――――私は、泣いていた。
173:弐師 2006/01/20(金) 17:40 そういえば、あの頃だったか。 あの娘、士起と出会ったのは。 あの頃は、袁紹を攻めるには力が足りず、だからといってじっとしてもいられなくて、 それで、よくバイクを乗り回して烏桓高の連中と「風紀を守るため」と言っては喧嘩していた。 そんなある日の事だ、烏桓高の連中にからまれている女の子を見つけた、その時いらいらしていたのと、その娘がうちの制服を着ていたから、気がついたら、そこへ突っ込んでいた。 喧嘩自体はすぐに済んだ、2、3人殴り倒したら、残りの奴らは逃げていった。 むしろ、問題はそのあとで、その女の子、士起が、私に妙になついてきたのだ。 最初は、鬱陶しい奴だと思った、しかし、段々私は彼女のことを―――――――― こんこん、と遠慮したようなノックの音で考えが中断される。 「入って良いよ。」 おずおずと入ってきたのは、顔をくしゃくしゃにして、目を真っ赤にした士起だった。 「あの・・・」 「士起・・・どうして・・・」 頭が混乱して、うまく言葉が紡げない、あんな事をしてしまったのに、なんでこの娘は。 「えっと、その、伯珪さまに謝りたくて・・・済みませんでした!!私、何にも知らないくせに無神経なこと言っちゃって、その、あたし、ほんとに馬鹿で・・・」 嗚呼、この娘は、なぜこんなに、私などを慕ってくれるのだろう? 「確かに、本当に馬鹿だな、私は、怒ってなどいないよ?」 そういって、頭を下げ続ける彼女を、そっと抱きしめる。 無性に、彼女が愛おしかった。 だけど、馬鹿なのは私だ。 本当に大馬鹿だったのは、私の方ではないか。 憎しみにとらわれ、また大切なものを手放してしまうところだったではないか。 もう、失うのは、嫌だ。 「あ・・・伯珪・・・さま・・・」 何で? 嬉しいはずなのに、 伯珪さまがこんなにも近くにいるのに、 ――――――――あたしは、泣いてるの? だけど、こんな馬鹿なあたしでも、一つだけは分かる気持ちがある。 この温もりを、絶対に、離したくない。 伯珪さまから、離れたくない――――――――
174:弐師 2006/01/20(金) 18:09 駄文失礼しました、皆さんを目標に頑張りたいです。 >雑号将軍様 後漢の四人組はいいですね〜w そして、二人の道教の方に萌えます >海月様 宣言乙でした。 海月様の書く呉の人々は素敵ですね。 自分も早く追いつきたいです・・・ >北畠様 まさか董卓に萌える日が来るとは・・・ これぞ学三の醍醐味ですねw >冷霊様 東州軍団の個性的な面々に悶えさせていただきました。 杜微さん・・・扶禁さん・・・哀れw >★教授様 簡雍さんと法正さん萌えです 「これはこれで…」な簡雍さんがいいですw
175:北畠蒼陽 2006/01/20(金) 18:30 [nworo@hotmail.com] >弐師様 冷霊様に引き続き初陣お見事! というか初陣? ……初陣? かなり見習わなきゃいけないな、と(笑
176:海月 亮 2006/01/20(金) 19:09 ―――――( ̄□ ̄;) ええい、今年のニューフェイスは化け物かっ!?(;;゚Д゚)w 冷霊様といい弐師様といい、貴公らは何故此処まで素晴らしい萌えをk(ry >教授様 うわーい久しぶりの簡×法キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!! 私めの知る限りでは、こういう「入れ替わり」ネタってないんですよね。意外なことに。 そして意外に誰と誰の組み合わせでも良さそうに見えて、やはり「このふたりじゃないとダメ」と思わせてくれるのは、教授様の描かれる簡雍と法正がやはりそれだけ魅力的であるという証左といえましょう(´ー`) …てかそんな堅っ苦しい言葉は要らんですな、GJ! >弐師様 今年はホンマ、今までになかった人物で萌える年になりそうですな…(;´Д`)ハァハァ 関靖たん可愛いよ関靖たん…(;´Д`)ハァハァ 正史の公孫サン伝ではあまりぱっとしない書かれ方されてたのが残念ではありますが…しかし裏返せばそれを逆手にとって萌えにつなげることもできようワケでありますな。 うおーし、私は二発目は審配と逢紀でいっちゃる! 今こそ隠れ袁氏フリークスの底力発動のときだ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!! w
177:北畠蒼陽 2006/01/20(金) 21:06 [nworo@hotmail.com] 「だめよ。認められないわ」 「なんでだよッ!」 2人の少女が睨みあう。 「わかるでしょう? 私たちには圧倒的に無双の経験がない……あんな歴戦のバケモノたちに太刀打ちできるなんてカケラも思えないわ」 「私があいつらに勝てるか、といったら確かにそうでしょうね! でもあんたは『あの』曹操閣下に認められて棟長になったほどの人間なんだ!」 物静かに……しかし強い意思を秘めて言葉を投げかける少女に、犬歯をむき出しにして噛み付くように吼える大柄な少女。 劉度と刑道栄は対峙していた。 この世における正のバランス 誰もが予想し得なかった赤壁での曹操の大敗……そして撤退。 それにより荊州校区の南部に曹操が指名した棟長たちは孤立していた。 長沙棟長、韓玄。 武陵棟長、金旋。 桂陽棟長、趙範。 そしてこの零陵の棟長である劉度。 すでに長沙、武陵、桂陽は荊州校区南部に地盤を固めようとする劉備によって攻略され、この零陵だけが孤立している状態であった。 「刑道栄……あなたは私を買いかぶりすぎてる。私は卓上の仕事でいっぱいいっぱい……この校舎が襲われるなんて今すぐにでも逃げ出したいくらい」 「でも逃げてない!」 刑道栄の一喝に劉度は顔をしかめて目をそらした。 「今日はここまでにしましょう」 「劉度!」 なにも結論を出さずに会議を終わらせようとする劉度を刑道栄は止める。 「劉備は明日明後日にここにくるわけじゃない。今はいったん冷静にならないと結論は出ないわ……あなたも、私も」 そう呟くようにいって部屋を出る劉度。 刑道栄はその後姿に投げかける言葉を見失い……机に拳を落とした。 刑道栄は劉度の昔からの親友だった。 劉度は文に、刑道栄は武に。 それぞれの専門とする分野は違っていたがお互いを高めあういい関係だと思っていた。 親友が曹操に抜擢され、この零陵の棟長になるとわかったときはどれほど嬉しかったことか。 でも…… 刑道栄はそんなやるせない思いをぶつぶつと不機嫌に呟きながら寮の自室のドアを開けた。 「おかえり」 「……ただいま」 寮の部屋で刑道栄を出迎えたのは同室の親友……劉度だった。 部屋に気まずい沈黙が落ちる。 あれだけ棟長室で言い争ったのだ。どう声をかけていいかもわからない。 やがて……口を開いたのは劉度だった。 「刑道栄、私、劉備と戦うことにするわ」 親友の沈うつな口調に、それとはまったく別の刑道栄が待ち望んでいた言葉。 刑道栄はそのギャップに眉をひそめながら親友を見る。 「でもあなたには劉賢をつれてこの校舎から逃げてもらう」 「お断りだ」 劉度の妹、劉賢の護衛。 護衛といえば聞こえはいいがただの厄介払いではないか。 刑道栄は親友に疎まれていることにぐったりする。 「なぁ、劉度。私はなにかお前に嫌われることをやってしまったのか? 私はずっとお前と一緒にいたいと思っていたのに……」 「嫌いなんて思うわけないじゃない、このばかぁッ!」 刑道栄の言葉は劉度の涙声にさえぎられた。 「でも、そうでもしなきゃあんたは前線に出たがるじゃない! あの歴戦のバケモノにあんたが勝てるわけないじゃない! だから……だからトばされてほしくないのに……!」 劉度の思いが刑道栄の心にしみこむ。 劉度は刑道栄の前でしゃがみこんで泣いていた。 「確かに私じゃあの歴戦のバケモノ連中に勝てないかもね」 体を震わせて泣き続ける劉度の頭を刑道栄はそっとなでる。 もうなんのわだかまりもない。 「でも、弱虫には弱虫の戦い方だってあるんだ……劉備がイヤになるくらい引っ掻き回してやろう」 そっと劉度の髪をなで続ける刑道栄。 「大丈夫だ。絶対に負けない」 刑道栄は決意をこめて宣言した。親友のために。
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