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【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
14:7th 2004/01/17(土) 21:33 えーと、しょーとれんじスレに書いたように「旭記念日」に起きた出来事のSSじゃないんですが… この場合ここに投下して良いものでしょうか? …まぁガッチリ難航中なわけですが。 ネタは痛快アクション?もの。萌えねぇ。 18日中に投稿出来れば良いなぁ…
15:★惟新 2004/01/17(土) 21:53 >ヤッサバ隊長様 何ですとー! い、一体どんな作品が…(;´Д`)ハァハァ いちはちでなければ全然無問題ですー! 楽しみ… >7th様 >>2の最後にもありますが、その場合は通常通り、SSスレにお願いします〜 少しでも場所を分散させないと、運営側としては不安なもので(^_^;) 「ネタは痛快アクション?もの」ですか〜! 難航中とのことですが、大期待させていただきます!
16:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:47 抜け駆け一番槍、参る!
17:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:50 吾粲の眼(1) −学園暦30年(29年度)、1月18日。 長湖を見下ろす堤防の上を、一人の少女が走る。 一歩一歩足取りを確認するかのようにしばらく行ってはまた折り返し、 時折ステップに変化を加えながら黙々とトレーニングに励んでいた。 ボーイッシュなまでに短くカットされた髪は軽快さをより一層引き立てており、 誰が見ても“スポーツ少女”という表現が思い浮かぶことだろう。 また、くりくりとよく動く大きな瞳は、見る者を惹きつけるに違いない。 彼女の名は吾粲、字を孔休。長湖のほとりに位置する呉棟で学ぶ蒼天学園中等部生であり、 高等部への進級を数ヶ月後に控える身である。 「…………………………」 どうも、先程から視線を感じる。無視を決め込むつもりだったが、仕方なく声をかけた。 「私に、何か用?」 すると、堤防の縁に立っていた少女が決まり悪そうな、それ以上に人なつこそうな笑顔を見せて寄ってきた。 「あら、ごめんなさい。気に障った?」 「いや別に。でも、私が走るの見てて何か面白いことでもあるのかな、って思ったから」 吾粲が見たところ、高等部の生徒ではなさそうだ。たぶん、自分と同じ中等部の三年生… 肩の辺りまで伸びた濃紺の髪は先端の辺りで軽くウェーブがかかっており、 やや華奢に見える体つきも相まってか自身が運動をしているようには見えなかった。 「そうねえ… 偉そうなことを言わせてもらうと、あなたはスジが良さそうだな、って感じたわ」 「スジがいい?」 「ええ。失礼だけど、あなた何か運動をやっている?」 初対面ながら、よく話しかけてくる少女である。吾粲とは異なるタイプではあったが、 不思議と嫌な印象は受けなかった。だから、自然と会話を続けることができたのだろう。 「まあ、多少はね… 別に、上手ってわけじゃないよ」 「そうかしら… でも、今日みたいなお休みの日までこうしてトレーニングしてたんでしょう? 努力するタイプなのね。これからまだまだ伸びるはずよ」 そういって微笑まれると、自分の事ながらその気になってくるから不思議なものだ。 この娘は話が上手だと吾粲は感じ取った。おそらく、普段から人に囲まれているのだろう。 自分には真似できない性格ではあるが、このように嫌味なく身に付いた人もいるということか。 そう考えると、我知らず相手を値踏みするような目つきになっていたのかもしれない。 少女はふと気付いたように姿勢を正すと手を差し出した。 「勝手に喋ってしまってごめんなさい。私、顧邵、字を孝則っていうの。中等部三年生よ。よろしく」 「ああ、こっちこそ… 私は吾粲、字を孔休。同じく三年生」 吾粲はそう答えると、顧邵と名乗った少女の手を握った。やはり、年相応の細い指をしている。 運動で太くなるのを気に病むクラスメイトの姿はよく見られたが、 彼女のそれはそんな悩みとは無縁だった。やはり、体育会系ではないのだろう。 「それで、吾粲さん。今日はずっと一人でこうしているつもりだったの?」 自己紹介を交わして気を取り直したのか、顧邵はさらに質問を重ねてきた。 「孔休でいいよ。 …ああ、別に予定もなかったし、すこし汗でも流そうかって」 「それじゃ、私も孝則でいいわ。で、そうって事は… あら、“体験入部”には参加しないの?」 顧邵の顔が驚きに包まれる。とすると、彼女は参加するつもりだったのだろうか。 この体格でよくも… とはさすがに知り合ったばかりの相手に言うわけにはいかず、心の内にしまっておいた。 続く
18:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:52 吾粲の眼(2) 実は、今日は高等部による『長湖部体験入部イベント』が催されることになっていたのだ。 この蒼天学園では、中等部の生徒はそのほとんどが進級の道を選ぶ。 そのため進級を控えたこの時期に、一足先に中等部の生徒に活動を体験してもらおうということで 今年度から開催が決定していたのである。 長湖部は現メンバーが中等部時代に結成した団体が母体となっているため、 その流れを汲んで中等部からも「ユース参加」を募っている。 しかしそれに加わるのはよほど腕に覚えがあるかもしくは高等部からスカウトされたかというような生徒であり、 長湖部自体が発足間もないということもあってその浸透度はさして高くはなく、 現在の所は高等部進級後からの入部が多いようだった。 吾粲もこの呉棟で学んでゆく以上は長湖部に入部するものだとさして疑問に思うでもなく決めていたが、 だからといってそこで身を立てるなどとは想像したこともなく、 有り体にいえばさしたる動機も持ってはいなかったのだ。 「ああ、どうせ進級すればあそこに入部することになるだろうしさ。それに一緒に行く相手もいない」 と、興味もなさそうに −実際、ないのだが− 吾粲は首をすくめてみせた。 ちなみに最後の一言にさしたる意味はなく、顧邵にもっともらしく理由を付けて説明してみただけである。 彼女とてそれなりの人付き合いはあるが、基本的に一人でいることを苦にしない性格なので よくこうして黙々とトレーニングに励んでいるのだった。 だが、その一言は却って逆効果だったらしい。顧邵は吾粲の手を取ると、ニコニコと微笑みかけたのだ。 「それじゃ、私と一緒に行きましょうよ。ね?」 「おい、ちょ、ちょっと…」 顧邵は見かけに寄らず強引なところもあるらしく、グイグイと吾粲の手を引き歩き出す。 もとより抗えぬような力であるはずもないのだが、勢いに流されて吾粲は結局ついて行くことになってしまった。 (まあ、それでもいいか) どのみち、急用があるでもない。きっかけがあるのならば、顔を出してみても損はないだろう… 二人がしばらく堤防を歩くと、なじみの呉棟が見えてきた。 顧邵が教えてくれたことには、現在、長湖部の本部はここの高等部の敷地内にあるのだという。 思えば、青と白のジャージを着た高等部の生徒をよく見かけていたのはそのためだったのだろう。 その間にも色々と長湖部に関するレクチャーは続いていた。相槌を打つばかりの吾粲だったが、 話し上手の顧邵もさすがに一息ついたのを見計らうとふと気付いたことを尋ね返した。 「あのさ、孝則は長湖部のこと詳しいみたいだけど、誰か知り合いでもいるの?」 「え? …そうよ、姉さんがね、マネージャーやってるの。それで私も時々、遊びに行ったりしてるのよ」 名前は、顧雍っていうんだけど、と付け加える。それを聞いてようやく、吾粲も得心がいった。 「あ、そうか… 顧ファミリーだったのか」 「あら……? ええ、まあみんなからはそう言われてるわね」 顧邵は苦笑したが、すぐにもとの優しい表情に戻った。 吾粲は忘れていた、というかさして気に留めてもいなかったのだが、 この顧邵という少女の生家である顧家はこの辺りではちょっとした名門であり、 朱・張・陸と並んで“呉の四姓”と称されていた。 代々優秀な生徒を輩出してその多くは学園の生徒自治組織において指導者を務めており、 あるいは主将として功を挙げる者も少なくはなく、他の生徒たちからは一目置かれていたのである。 そして顧邵もその一員であるというのならば、人当たりの良さや話慣れした態度なども納得がゆく。 以前よりそういったつき合いに慣れているのだろう。 そして吾粲の見るところ、彼女はそれだけではなくおそらく天性の素質を持っている。 一方で顧邵の方としても自分の立場というものは弁えており、それと知って接してくる相手への応対も身に付いていた。 けして自らのステイタスに奢ることはなかったが、それなりに名の知れた存在であることは自覚しているだけに、 吾粲が見せたようなリアクションは新鮮でありまたどこか嬉しかったのだった。 そうして彼女は、見所のあるこの新たな友人をバックアップしようと決意したのである。 「うん、きっと孔休さんは長湖部で活躍できるはずよ。私が保証する」 そう言うと、まあ今の私の保証なんかアテにならないけどね、とペロリと舌を出して笑ってみせた。 彼女のそんな言動も笑って許せてしまうとなると、これは相性がいいのだろうか。 吾粲とて人付き合いが悪いわけではないにせよ、これほどまでに速やかに他人とうち解けたのは初めてのことだったのだ。 「そういう孝則はどうなのさ? 期待されてるんじゃないの」 別に揶揄したつもりはなかったし、顧邵の方もそうと汲み取ってくれたらしい。 少し歩みを早めると、吾粲の前で両腕を広げてみせる。やはり、彼女の体格はお世辞にも運動には向いていないようだ。 当人もその事は熟知しているのだろう、さして悲観するでもなく言葉を継ぐ。 「私は見ての通りだし、あんまり体が丈夫じゃないの。だから、姉さんみたいにマネージャー志望ね」 そういうのって結構向いてると思うのよ、と微笑むその表情に悔しさは微塵もない。 彼女ならよく気が利くだろうし、確かにマネージャー役には最適なのだろう。 裏方稼業の大切さは実感は薄いとはいえ吾粲も知っており、であればこそ顧邵を素直に応援する気になれた。 「ああ、きっとみんなの役に立てると思うよ」 「……ありがと」 彼女は微笑んでくれた。吾粲の気持ちは通じたのだ。 続く
19:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:53 吾粲の眼(3) 「さて、そろそろ着くわね。 …ここが、今日の会場よ」 そう言われて気が付くと、何やら飾り立てられた門の前に来ていた。 どうやら長湖部の先輩たちが今日のイベントのために準備してくれているらしい。 辺りには高等部も中等部もとりまぜて多数の生徒の姿が見えていたが、中等部生はやはり数人連れのグループが多い。 この年頃の少女というものは何事につけグループで行動したがるものであるし、 “先輩”の領域に踏み込むにはやはり一人では心許ないのだろう。 吾粲にしてみればその気になりさえすれば別に一人でも平気だったかもしれないが、 今では顧邵が隣にいてくれることをやはり嬉しく思い始めていた。 「あら、孝則ちゃんいらっしゃい。友達と一緒?」 そこへ、例のジャージを羽織った女生徒が声をかけてきた。口振りからして顧邵と知り合いのようだ。 「おはようございます、伯海先輩。この方は先程お知り合いになったばかりですけど、お誘いしちゃいました」 そう言うと、そっと下がって吾粲を前に立たせた。どうやら早速、先輩に紹介してくれるらしい。 「え、えっと… 初めまして。吾粲、字を孔休といいます。本籍はこの呉棟です。よろしく、お願いします」 いきなりのことで通り一遍の挨拶しか言えなかったが、なんとか無様な姿は見せずに済んだようだ。 「はじめまして。私は孫河、字は伯海よ。今は私がここの棟長をやってるから、進級したらまたよろしくね」 そう言うと優しく手を握ってくれた。 温和そうな表情をしているが、その手触りは紛れもなく歴戦の風格を宿していることに吾粲の胸は密かに躍った。 「ユカちゃーん、妹さんたちがみえたわよー!」 「あら、もう着いたのね。…それじゃ吾粲ちゃん、悪いけどこれで失礼するわね。また、会いましょう」 ざわめきの中で上がった声を聞きつけ、孫河先輩はもう一度吾粲の手をギュッと握ると、手を振って門の方へ駆けてゆく。 「はいはい、ここよー…って、あれ、叔武は?」 「従姉さん、叔武ならもう、奥の方に」 「ああもう、いつもあの娘ってば! 公礼、探すからついてきてくれる?」 「はい。それじゃ、あちらへ」 慌ただしいやりとりを残して孫河先輩とその妹らしき少女は人混みの中に消えていった。 「……あれ、孫河先輩、今『ユカ』って呼ばれて返事してなかった?」 「ええ。なんでも、もとは兪家の出身だからとか、孫家から兪家に養子に入ったからとか聞いているわ。 ちなみに、一緒にいたのが従妹の孫韶さんで、探しに行った相手は実妹の孫桓さんね。二人とも私達と同学年」 なるほどね、と頷く吾粲。やはり彼女と一緒にいると何かと心強い。 「さて、それじゃ私達も中に入りましょう。いい場所、とらないとね」 顧邵はそう言うと吾粲の手を引いて歩き出す。波に揉まれる思いの吾粲だが、出会いの波はまだほんの序の口だった。 −なお、孫河との再会は実現した。数ヶ月後、進級した吾粲が呉棟の執行部から呼び出しを受けたとき、 何事かと出頭した彼女を待っていたのはニコニコと微笑む孫河の姿だったのだ。 このときから、吾粲の執行部員として、また長湖部員としてのささやかな第一歩が記されることになる… 「あ、姉さんだ。姉さーーーん!」 人混みをくぐり抜けながら、特設会場である巨大温水プール −学園内でも比較的温暖な地域にあるとはいえ、今は真冬である− へと向かう途中で、顧邵が突然声を張り上げた。 その方を見ると、一人の女生徒と視線が合った、ように見えた。実際は隣の顧邵に向いていたのだが。 相変わらず、顧邵は吾粲の手を引いたまま歩いて行く。どうやら今度は彼女の「姉さん」に引き合わせるつもりらしい。 「ふぅ、ふぅ…… やっぱり人が多いわね。姉さん、大変でしょう?」 「……平気」 ようやく辿りついた顧邵が挨拶も抜きに切り出すと、半テンポ送れて細い声が返ってきた。 見れば、確かによく似た女生徒だった。濃紺の黒髪はやはり肩口あたりまで伸び、先の方で緩く波打っている。 華奢に見える体格も瓜二つではあったが、決定的に異なるのが声もさることながらその表情。 闊達な“妹”に比べ、姉の方はいかにもおっとりとしている。 動作も落ち着きがある、というのを通り越して緩慢ですらあり、巡り巡って運動向きでなさそうな所はまた似通っていた。 (そういえば、お姉さんの方もマネージャーをやってる、って言ってたな) そう思いつつ、吾粲はまたしてもしげしげと眺めてしまっていたらしい。 「………お友達?」 「そうよ。吾粲さん、っていうの。素敵な人とお近づきになれて、私もう嬉しくって」 顧邵はすっかり舞い上がってしまっている。さすがに買いかぶりすぎだろう、とは思いつつ吾粲は一礼する。 「初めまして。中等部三年生の吾粲、孔休といいます。孝則さんにはとてもお世話になっています」 彼女とはつい小一時間前に出会ったばかりではあったが、そうでもなければここにはいなかっただろうから、 吾粲はできる限りの感謝の念を込めて相手を見つめた。 「…顧雍。……元歎。 …妹と、仲良くしてあげてね」 「はい! こちらこそ、よろしくお願いします」 微妙に肩透かしを食らわせるような会話のテンポが印象的だったが、吾粲は素直に返事をすることができた。 自分の中で、何かが変わろうとしている。長湖部は、今まで知らなかった自分を引き出してくれるのではないか? 我知らず沸き上がる興奮を感じ取る吾粲をじっと見つめて、顧雍は微かに微笑んでいた。 続く
20:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:54 吾粲の眼(4) イベント開始に向けて準備の追い込みに入るという顧雍と別れて、二人はいよいよ参加者集合場所へとたどり着いた。 「うわ、こんなに来てたのか…」 吾粲の想像も付かないような数の中等部生が集まっていた。もちろん全員が入部志望者のはずだ。 彼女らはこれから先輩達のデモンストレーションを見て、志望チームを決めることになる。 様々なウォータースポーツを中心とした運動部の連合体である長湖部には、それぞれの競技を行う数多くのチームがあった。 入部した生徒は基本的にそれらのいずれかに属して活動を行うことになる。 あるいは顧姉妹のようにマネージャーとして部の運営に携わる者もおり、著しく規模を拡大しつつある長湖部においては その方面でも力を発揮する道が開けていたのだった。 一方で現役部員としても来るべき新入生獲得に向けて今日のイベントには力を注いでいるとみえ、 控えの方からは打ち合わせの声やら威勢の良い掛け声やらが漏れ聞こえていた。 「うん、ここならよく見えるでしょう」 ようやく歩みを止めたところで顧邵が目の前を指し示す。確かに絶景。よくもまあこんな特等席が… というのも当然で、何せ顧邵は顔が利く。上級生相手ですらあの様子なのだから、同級生には言わずもがな、 会う人会う人から声をかけられてその都度挨拶を交わすハメになった。 そして彼女はその一人一人に、吾粲のことを紹介してくれたのだ。 吾粲にとってはそのほとんどが初対面であり、正直言って一度では覚えきれるものでもなかったが、 顧邵の紹介ということでおおむね好意的に迎えられたようだった。 わずか数十分間で、吾粲の中の人名録は不完全ながらも一気に数倍に膨れ上がったのだ。 −その中には、後に心強い仲間となる少女が数多く名を連ねていた。 やがて一年、二年と時が過ぎ、無二の親友が既に部を去った後も、 この時の出会いは吾粲にとって掛け替えのない宝となったのだった。 (あれ、さっきのは……?) そんな中、吾粲は珍しく知った顔を見つけた。 ダークパープルの髪をショートカットにしたその少女に声をかけてみようとしたのだが、 それより先にまたもや顧邵のもう何十人目かとなった“お見合い”が始まってしまい、 それきり声をかけるチャンスを逸してしまったのだった。 (でも、なんだか目つきがとても怖かった…) その少女とは特に親しいわけでもなかったが、確か同じ呉棟で何度か見かけた記憶がある。 元々鋭い目つきをしていたような気がするが、今のその瞳は明らかに殺気を宿していた。 (気のせいだといいんだけど…) 吾粲の胸に、微かな不安の灯がともった。 「ねえねえ孔休さん、こちらは張敦さんと卜静さんっておっしゃるんだけど… あら、そういえば同じ呉棟だったわね?」 彼女の密やかな心配をよそに、顧邵はますます絶好調だった。 人の波もそろそろ落ち着きを見せ始め、そろそろ開幕の時間を迎えようとしていた。 吾粲がふと視線をやった先には、長湖部の幹部連と思われる女生徒が整列している。 周囲もそれに気付いたようで、ヒソヒソとかわされる囁きが耳に入ってきた。 「ほら見て、周瑜先輩がいるわよ」 「四天王の皆さん、カッコいい…」 「何言ってるのよ、周泰さまが一番に決まってるじゃない!」 彼女らにとって憧れの先輩かはたまたアイドルか、数ヶ月後にはそれどころではない苛酷な日々が待ち受けているのだが、 今日の日は“夢”を大きく膨らませるためのイベントだからこれでも良いのだろう。 しばらくすると、その前に小柄な女生徒が姿を現した。マイクを片手に何事か周囲と打ち合わせを重ねていたが、 やがて最終確認を終えたのか、背後の幹部連に一声かけるとこちらを向き、それに合わせて一同が整列した。 ホスト席が姿勢を正したのを見て、観客席のざわめきも波が引いたように静まってゆく。 誰が音頭をとったわけでもないが、集団行動の素養は日頃から身に付いているのだろう。 小柄な少女はそれを見て満足げに頷くと、一歩前に進み出る。 (あれ、あの娘って…?) 違和感を覚えたのは、少なくとも吾粲だけではなかったはずだ。 色素の薄そうな巻き毛と遠目にも分かる青みがかった瞳、何よりどう見ても高等部生とは思えない幼げな雰囲気。 訳知りらしい中等部生は周囲にヒソヒソと何事か説明していたようだが、 残念ながら事情通とは対極に位置する吾粲には事情が掴めない。さすがの顧邵も場を弁えてか、おとなしく黙っている。 しかしあれこれ思い悩む間もなく、くだんの女生徒がマイクを握りしめると大きく息を吸い込んだ。 いよいよ、長湖部主催体験入部イベントの始まりである。 続く
21:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:55 吾粲の眼(5) 「中等部のみんなー、おはよーーーーっ! 長湖部へようこそーっ!」 「おはようございまーーーーーす!」 外見から想像されるとおりの第一声が発せられると、体育会らしいノリで挨拶が交わされる。 「……って言っても、実はボクもみんなと同じ中等部の三年生なんだけどね」 てへっ、とやってみせると満場がドッと笑いに包まれた。これだけで既にペースを掴んでしまっていた。 「はーい、ほとんどの人には初めまして、だよね。ボクは長湖部の部長をやってる孫権、仲謀っていいます」 ペコリと頭を下げたのに応じて一斉に拍手が鳴り響く。ニコニコと笑顔を浮かべて、 大舞台でも動じたように見えないのはさすがだ。彼女もまた、場慣れしているのだろう。 (それにしても、中等部でもう部長をやってるのか…) そういえば、吾粲も昨年の夏休み明け頃にそんな噂を聞いたような気がする。 休み中に長湖部で人身事故が発生し、部長が病院に担ぎ込まれたとか云々… 確かに「大事件」ではあったが、中等部でもいっとき話題を席巻していたのは きっと彼女が後任に選ばれたこともあったのだろう。 年齢以上に小柄に見える彼女の後背に控える高等部の幹部連を見れば、誰もが一緒になって拍手を送っている。 後輩どころか中等部の生徒を部長と仰ぐなど前代未聞の事態なのだろうが、これほどまでの一体感を見せるとは 長湖部はよほど結束力が強いのか、孫権に破格のカリスマが備わっているのか、おそらくはその両方なのだろう。 −吾粲の目利きは間違ってはいなかった。 ……少なくとも、この時点では。 同年齢ということもあり相通じるものがあったのか孫権自らの司会は絶好調で、イベントは順調に進んだ。 デモンストレーションが開始され、各チームの趣向を凝らした演武に観客席も大盛況となる。 先頭を切るのは文字通りの斬り込み隊長にして四天王の一人、韓当率いる“海兵隊”。 水上を驀進する四隻の強襲揚陸艇『天馬(ペガサス)』、『駿馬(サラブレッド)』、 『木馬(トロイホース)』、『白対手(ブランリヴァル)』に分乗した『解煩』『敢死』の二隊による勇壮な模擬上陸戦で幕を開け、 続いてレガッタ部は一糸乱れぬストロークで水上を滑るがごとき競漕を披露し、 シンクロ部の凛々しさと優美さが融合した絶妙な演技は黄色い声援を巻き起こした。 水球部のミニゲームには手に汗を握り、日頃の鍛錬の成果が次々と中等部生の心を捉えてゆく。 一変して呂範、賀斉、潘璋らのチームによる観艦式もかくやという満艦飾のパレードが雰囲気を一層盛り上げ、 誰もがこのイベントの大成功を確信していたその時、事件は起こったのだった。 「さあ、パレードもいよいよ四チーム目、期待のニューフェイス、チーム“錦帆”だよっ!」 孫権の高らかなアナウンスをかき消すように盛大なドラの音が会場に響き渡る。 先の三チームも華々しさではいずれ劣らなかったが、今度の一団はまた群を抜いていた。 自らの威勢を誇示するかのように舟艇練習用の水路を往復すると、 接岸して上陸してきたメンバーの先頭に立つ少女の姿がまた実に個性的である。 金色に染めた髪を無造作に散らし、比較的暖かいとはいえ真冬のこの時期にもかかわらず サラシ巻きの胸にジャージを羽織っただけ、その背中には二旒の羽根飾りが揺れており、 腰のベルトにぶら下げたいくつもの巨大な鈴が一歩ごとに派手な音を立てるのだった。 続くメンバーもどこか異質な雰囲気を漂わせており、雰囲気に飲まれた中等部生にも 彼女らが何か“ワケアリ”な集団なのではないかと薄々感じ取った者は少なくなかっただろう。 例の羽根飾りの少女はひとり孫権の前まで進み、マイクを受け取りこちらに向き直ると声を張り上げる。 「お前ら今日は俺のためによく来てくれたな! 俺様が甘寧だ! 根性あるヤツはいつでも待ってるぜ!」 まさに唯我独尊、居並ぶ幹部連も囃し立てる者がいる一方で、苦笑している者はまだマシな方、 中には今にも怒鳴り出すのではないかと思われるほどに顔を真っ赤にしている者もいた。 中等部生は声もない。その気勢に辛うじて追随できる剛の者もいるにはいたが、 大部分はザワザワと戸惑いの声を上げるのみだったのだ。 「あいつか……!」 その時ふと、吾粲の耳に短く押し殺したような声が響いた。 けして大きな声ではなく、誰かに呼びかけたわけでもなかったはずだが、耳に残って離れない。 気になって辺りを見回すと、一人分のスペースが空いている。 誰かがいたような気がしたが、吾粲には思い出せなかった。 続く
22:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:57 吾粲の眼(6) ステージ上では、チーム“錦帆”によるデモンストレーションが続いていた。 何に使うのか、特製と思われる大柄なラバーナイフで演武を行っており、 甘寧自ら鈴を鳴らしつつゴム製の刃を振るうその表情はすこぶる輝いていて、顕示欲の強さは相当なものとうかがえる。 そんな中、観客席の一角のざわめきのトーンが変わった。最初それと気付いたものは少なかったのだが、 席を抜けだして一人の少女がステージ上に現れるに至り、何事かと不審の波が広まっていった。 「あぁん?」 雰囲気を察して、演武を中断された甘寧が闖入者を睨み付ける。 彼女の風体と先程からの言動で誰もが容易に推測し得ただろうが、急速に気分を害していく様子がありありと見えた。 幹部の列からは、不穏な空気を察して数名の部員が進み出ようとしていたが、 それより先に闖入者の少女は一気に甘寧の前に詰め寄ると− 「姉さんの仇!」 「!!!」 誰もが予想し得なかったことに、その少女は一声叫ぶと素手ではあるが甘寧に飛びかかったのだ! 満座が息を飲む中で、だが甘寧の反応はまったく容赦がなかった。 少女の渾身の一撃を上半身を揺らしただけでかわすと怒りに表情を歪め、その身を掠めた右手首を無造作に掴み乱暴に引き寄せる。 そしてバランスを崩した少女に強烈な脚払いをかけ、そのまま片手で地面に叩きつけたのだった。 一瞬の空白の後、あちこちから悲鳴が上がる。狂騒を沈静化すべく長湖部員が各方面へと走り出した。 ステージ上では、投げ飛ばされた少女を烈火の如き形相で睨み付ける甘寧。 ラバーナイフを握り直した手は怒りに震えており、先程の一連の動作を見せつけられれば、 甘寧がそれを躊躇なく少女に振り下ろすであろう事は火を見るより明らかだった。 だが、その少女を庇うように飛び出たサイドポニーの部員がいた。 甘寧の発する殺気に怯える風もなく、却って押し返すように口火を切る。 「目を覚ませ興覇! 今がどんなときか忘れたとは言わせないよッ!」 「………………」 二人の視線は数十秒間絡み合い、やがて甘寧は大きく舌打ちするとナイフをうち捨てた。 一応は、危害を加える気がないことをアピールしたつもりなのだろう。 サイドポニーの少女はそれを素早く拾い上げると、再び倒れた少女の側に駆け戻った。 「わかったよ子明、もう手は出さねえ。だけどな、ソイツと少し話をさせてくれねえか?」 「部長、この場はどうします?」 “子明”と呼ばれた少女はまず、孫権の指示を仰いだ。当事者を相手にするよりは賢明な判断だろう。 「そうね… まずは中等部のみんなを落ち着かせて。それからその娘は… 怪我はない? 大丈夫だったら、とりあえず話を聞いてみてちょうだい。甘寧さんも収まらないでしょうから。 大変でしょうけど、呂蒙さん、それはあなたにお任せするね」 サイドポニーの少女は呂蒙というらしい。甘寧が“子明”と呼んだのは字だったのだろう。 孫権からステージ上の収拾を任されたその呂蒙が今度こそ促した。 「……いいわ。ただし、これ以上事を荒立てるようなら今度はアンタをはり倒すからね」 この呂蒙、見たところは普通の少女と変わりはないがなかなか度胸が据わっているようだ。 それでも、息を付く少女に「いい、立てる?」と手を貸す辺り気遣いも持ちあわせているのだろう。 そしてようやく立ち上がった少女はまだ気力を失ってはいないらしい。 傍らで見守る呂蒙に一礼すると再び甘寧へと向き直ったのだが、この時、吾粲にもその少女の顔がはっきりと見えたのだ。 「あれは… さっきの!」 そう、開会直前に見かけた、ショートカットの少女だった。名前は今でも思い出せないが、 あの顔には確かに見覚えがあった。ということは、あの憎しみを含んだつぶやきも…? 「さて、まずは名乗りな。俺様を甘寧と知ってこの場をぶち壊しにしてくれた度胸は認めてやるよ」 やはりまだ甘寧の苛立ちは収まっていないのだろう。しかし少女も一歩も引こうとはしない。 「私は凌統… 字を公績! 姉さんのために、お前は絶対に赦さない!」 だが、名前を聞いて驚きを見せたのは甘寧ではなかった。 「凌統!? あの娘が…?」 「これはまずいことになったわね…」 口々に何事か言い交わし始めたのは、長湖部の幹部連だった。何か知っているようだ。 「姉さん? そういやさっき、仇だとかぬかしていたよな… 生憎と俺様は買った恨みの数なんざ掃いて捨てるほどだ、 悪いがいちいち覚えちゃいねえ。まあ、あきらめることだな−」 「忘れた、だと……!? 余杭の凌操の名、忘れたとは言わせない!」 背後のざわめきをよそに継がれた甘寧の言葉を、凌統と名乗った少女が遮る。 彼女は思わず制止しようとした呂蒙の腕を振り切ると甘寧に詰め寄った。 「凌操…? ああ、凌操な! ……わりぃ、さっきのは一部訂正な。…うん、アイツはいい腕だった。 そうだ、久々にマジでやりあった相手だったぜ…」 “仇”の名を聞いて思い出したらしく、甘寧は一人でしきりにうんうんと頷いている。 先程までの張りつめたような空気が一瞬緩んだように感じられ、凌統もわずかに表情を緩めたが… 「だけどな、真剣勝負だからこそ、俺の勝ちは譲れねえ。中坊のお前にはまだ分からねえだろうけど、 俺らの世界ってのはそういう所なんだよ。そこに殴り込む覚悟はあるんだろうな?」 甘寧の言葉がピシャリと凌統を打つ。だが、言葉こそ荒いが、一方通行の敵意は既に消えていた。 凌統も悟るところがあったのか、唇を噛んでうつむいていたが何事か決意したらしくキッと顔を上げる。 「ならば、私はお前を越えてみせる! いつの日かきっと、私自身の力で…!」 「わかった、いい度胸だ。できれば俺のチームに欲しかったが… まあ、せいぜい頑張りな」 けして“和解”したわけではない。憎しみの輪廻こそ断ち切られたかに見えはしたものの、 ライバルと呼ぶにはあまりに殺伐とした関係がここに幕を開けたのだった。 「部長、勝手な行動でお騒がせしてしまい、すみませんでした。この償いは、必ず活躍してお返しします」 一礼すると、凌統は退場していった。甘寧も苦笑して、孫権に詫びを入れる。 「済まねぇ、またやっちまったよ… この落とし前は必ず付ける。悪ぃが、この後は公瑾のギターでも演ってもう一回盛り上げてくれ」 軽く頭を下げ、チームの面々を引きつれて引き揚げる。盛大にドラを鳴らしていったのは、沈んだ雰囲気をせめて盛り返そうとしたのだろう。 最悪の事態は免れたということで孫権もこの場を収めてイベントの続行を指示し、甘寧のリクエストに応えて真打ちである周瑜の出番を繰り上げた。 周瑜はデモンストレーションのフィナーレを締めくくる予定でこの日のために作ったという曲を披露したのだが、 彼女の的確なパフォーマンスも手伝ってステージには熱気が舞い戻った。 その後も予定は消化され、波乱を含んだデモンストレーションは何とか終了したのだった。 続く
23:★玉川雄一 2004/01/17(土) 22:59 吾粲の眼(7) 「ふぅ… 一時はどうなることかと思ったわねぇ」 「ああ。気付いていたら、ああなる前に止めてやれたかもしれなかったけど…」 休憩時間を挟んで、これからは各チームへの体験参加の時間が予定されている。 顧邵はやはりマネージャー志望で、姉の元に行くと言っていた。ここらで別行動ということになるのだろう。 「今日は本当にありがとう。色々と助かったよ。春になったら、また会えるといいな」 やはり、礼を言わねばなるまいと切り出すと、顧邵は何がおかしいのかクスクスと笑い出した。 「ふふっ、なに言ってるのよ。同じ呉棟じゃない、明日からでもすぐ会えるわよ」 「あ、そうか…ははっ、そうだな。うん、それじゃ、明日からまたよろしく」 「ええ。あなたとお友達になれて嬉しかったわ。またね」 ペコリと頭を下げると、顧邵は手を振って去っていった。 (半日前には、全く予想すらしなかったな…) 何が縁になるかなんて、その時になってみないと分からないものだ。 得難い友人に巡り会えたことは、感謝してし足りないということはない。 それに、彼女を通じて吾粲の世界は一挙に広がったし、新たな繋がりもたくさん生まれた。 目の前に開けた新しい世界のことを思うと、長湖部に入部するのが俄然楽しみにもなってこようものだった。 「よし、いっちょ見て回るとするか…」 足取りも軽く、人の波に飛び込んでゆく。 そうして、吾粲は興味の向くままにあちこちのチームを覗いて回った。 先程の一件の記憶も生々しい“チーム錦帆”にも足を運び、怖い者見たさで遠巻きにコソコソしている生徒を後目に 内心少々は怯えつつも操船のレクチャーを受けたりもした。 ちなみにこの時には甘寧の機嫌は全快しており、鈴を鳴らしながら例の調子で立ち回っていた。 吾粲の運動能力は基本的に水準を超えており、“体験”してみる分にはどの種目もそつなくこなしてみせた。 部員の方も来るべき新年度の部員勧誘に向けて多少の社交辞令を交えている感もないではなかったが、 彼女は確かにどこのチームでも絶賛され、入部したらぜひうちのチームに、と誘われたものである。 これまで無名で通してきただけに却って逸材として注目され始めたらしい。 顧譚が最初にかけてくれた言葉もまんざらではなく、さらに実力によって裏打ちされてゆくのだった。 そんな中、一息ついた吾粲を呼び止める者があった。 「失礼、吾粲さんよね? あ、よかった… 探したのよ」 「ん?」 まさか他人から声をかけられるとは思ってもおらず、意外に感じつつ振り向くと− 「あ、あんたは確か… 陸遜、だったかな」 「知っていてくれたのね。呉棟の陸伯言よ。直接お話しするのは初めてよね。よろしく」 ボブカットの少女が手を差し出した。呉棟でその名を聞いたことがある、陸遜だった。 彼女もまた“呉の四姓”のひとつ陸氏の出であり、直接の面識こそ無かったがその噂は耳に届いていた。 たしか、数少ないユース参加者であり、その才能は期待されるところが大だという。 「こちらこそ… それにしても、よく私のことが分かったね」 吾粲はもう何人目の相手か忘れたほどの握手を交わしながら、いつの間にか自分の名が知られていることに内心驚いていた。 「ええ、以前より人づてに噂を聞いて姿はお見かけしていたのだけれど… さっき、孝則にね」 あなたにぜひ会ってくれ、ってもうしつこいくらいに念を押されてしまったのよ、と苦笑した。 (そうか、孝則が…) あの押しの強さは筋金入りだったということか。それでも、彼女の心遣いは嬉しく思えた。 「いや、私もあの娘にはとても世話になったよ。いったい、今日は何人と知り合いになったのやら」 「ふふっ、あの娘も世話好きよね。 …それで、私からももう一人ご紹介したいのだけれど、いいかしら?」 そう言うと、陸遜は今までにこやかな表情で隣に立っていた長身の少女を前に立たせた。 「吾粲さん、といったね。私は朱拠、字を子範という。お会いできて嬉しいよ」 「ありがとう。私は吾粲、字を孔休。そういえば… 確か君の名も呉棟で聞いたことがある」 お互い有名人になったものだね、と冗談を言い合って笑った。 聞けば彼女もまた“呉の四姓”朱氏の一員であり、従姉である朱桓先輩は新進気鋭の成長株だとか。 朱拠自身は吾粲と同じく進級後からの入部を予定しているそうだが、 従姉のつてもあってか既にあちこちのチームから声が掛かっているのだと陸遜が教えてくれた。 「お互い、頑張ろう。君もこれから、きっと素晴らしい選手になれるはずだよ」 顧邵に加えて、朱拠までもが太鼓判を押してくれた。二人の言葉が持つ言いしれぬ重みが嬉しかった。 続く
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【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】 http://gukko.net/i0ch/test/read.cgi/gaksan2/1074230785/l50