【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
16:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:47AAS
抜け駆け一番槍、参る!
17:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:50AAS
 吾粲の眼(1)

−学園暦30年(29年度)、1月18日。


長湖を見下ろす堤防の上を、一人の少女が走る。
省54
18:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:52AAS
 吾粲の眼(2)

実は、今日は高等部による『長湖部体験入部イベント』が催されることになっていたのだ。
この蒼天学園では、中等部の生徒はそのほとんどが進級の道を選ぶ。
そのため進級を控えたこの時期に、一足先に中等部の生徒に活動を体験してもらおうということで
今年度から開催が決定していたのである。
省74
19:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:53AAS
 吾粲の眼(3)

「さて、そろそろ着くわね。 …ここが、今日の会場よ」
そう言われて気が付くと、何やら飾り立てられた門の前に来ていた。
どうやら長湖部の先輩たちが今日のイベントのために準備してくれているらしい。
辺りには高等部も中等部もとりまぜて多数の生徒の姿が見えていたが、中等部生はやはり数人連れのグループが多い。
省72
20:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:54AAS
 吾粲の眼(4)

イベント開始に向けて準備の追い込みに入るという顧雍と別れて、二人はいよいよ参加者集合場所へとたどり着いた。
「うわ、こんなに来てたのか…」
吾粲の想像も付かないような数の中等部生が集まっていた。もちろん全員が入部志望者のはずだ。
彼女らはこれから先輩達のデモンストレーションを見て、志望チームを決めることになる。
省65
21:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:55AAS
 吾粲の眼(5)

「中等部のみんなー、おはよーーーーっ! 長湖部へようこそーっ!」
「おはようございまーーーーーす!」
外見から想像されるとおりの第一声が発せられると、体育会らしいノリで挨拶が交わされる。
「……って言っても、実はボクもみんなと同じ中等部の三年生なんだけどね」
省59
22:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:57AAS
 吾粲の眼(6)

ステージ上では、チーム“錦帆”によるデモンストレーションが続いていた。
何に使うのか、特製と思われる大柄なラバーナイフで演武を行っており、
甘寧自ら鈴を鳴らしつつゴム製の刃を振るうその表情はすこぶる輝いていて、顕示欲の強さは相当なものとうかがえる。
そんな中、観客席の一角のざわめきのトーンが変わった。最初それと気付いたものは少なかったのだが、
省84
23:★玉川雄一2004/01/17(土) 22:59AAS
 吾粲の眼(7)

「ふぅ… 一時はどうなることかと思ったわねぇ」
「ああ。気付いていたら、ああなる前に止めてやれたかもしれなかったけど…」
休憩時間を挟んで、これからは各チームへの体験参加の時間が予定されている。
顧邵はやはりマネージャー志望で、姉の元に行くと言っていた。ここらで別行動ということになるのだろう。
省61
24:★玉川雄一2004/01/17(土) 23:01AAS
 吾粲の眼(8)

陸遜も含めて三人でまたいくつかのチームに顔を出してみたが、互いにその力量には感じ入るところがあったようだ。
普段は温厚そうな表情をしていながら、朱拠はここ一番で人が変わったような集中力を発揮する。
吾粲は日頃のトレーニングによって培われた基礎体力に加えて、飲み込みの早さが称賛を受けた。
陸遜はといえば既にユースでの活躍が知れ渡っており、三人は今や呉棟の期待の星として話題をさらっていたのだった。
省59
25:★玉川雄一2004/01/17(土) 23:02AAS
 吾粲の眼(9)

−明けて1月19日。

今日からまた、いよいよ中等部三年間のゴールが見え始めた授業が再開される。
一応は進級試験もあることゆえ卒業気分で浮かれているわけにはいかないのだが、やはり昨日の出来事は吾粲の気分をガラリと変えていた。
省49
1-AA