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【1月18日】旭記念日創作発表スレッド【お祭りワッショイ】
166:冷霊 2006/01/19(木) 22:58 ■雪降る戦場にて・5 ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ。 校舎の南側へと足音が近付いてくる。 「うっわー。こりゃまた盛大に壊したねぇ……」 やってきたのは高沛。 「多分トウ賢と冷苞の仕業ね。ってことは、まだ近くにいるのかな?」 周囲を警戒しつつ、じりじりと進んでいく。 誰かが見ている気がする。 だが、はっきりとはわからない。 「んー、校舎の中にもいないみたいだね」 ひょいと覗き込み、廊下を見渡す。 見た所、中へと続く足跡はない。 そのとき、背後に何かの気配を感じた。 「はっ!」 振り向き様、その気配を一蹴する。 高沛に迫っていた雪玉はあっさりと砕けた。 「やっぱ誰かいるなー……隠れてるってことはトウ賢の方が勝ったかなー……?」 雪玉の飛んできた方を確認する。 そこには大きな木。 そして、木の下に放置されている雪だるま。 高沛はふと、その雪だるまに目が留まった。 「……楊懐?」 ピク。 雪だるまが動いたような気がする。 そう言えば刺さっている腕代わりの木の枝には何処かで見たバンダナも…… 足元の雪を掴み、おもむろに雪玉を作る。 「せーの……」 ピッチャー高沛、振りかぶりまして第一球……そんなナレーションの入りそうな雰囲気。 その刹那、雪だるまから足が生えた。 「でやぁっ!」 高沛の腕が振り下ろされる。 その手から雪玉が放たれた。 「はぁっ!」 雪だるまが避けようと横っ飛びに逃げる。 だが、玉は僅かに弧を描き、雪だるまもとい楊懐を捕らえる。 雪玉は容易に雪だるまの腕を砕き、木に激突した。 ……しぃぃん……どさっ! 「うわっ!」 「うっ……」 木に積もっていた雪が一斉に落ちてくる。 綺麗に雪の中に埋もれる高沛とと楊懐(雪だるま)。 「やはり高沛には見抜かれたか……」 少しばかり悔しそうな顔を見せる楊懐。 「へへへ、まだまだ演技力が足りないよ?」 高沛は見抜けたことが嬉しいのか、非常に御機嫌だ。 「おめでとう、高沛。君の勝利だ」 楊懐が雪だるまの右腕を差し出す。 「楊懐こそ御苦労様。三人もアウトにするなんて流石ね」 高沛もがっちりと握手し返す。 「三人?」 楊懐が首を傾げた。 「あれ?三人倒したんじゃないの?」 高沛が首を傾げたそのとき。 ぼすっ。 ……手首に巻いていたバンダナに雪玉が命中した。 「やった〜!ちゃんと当たりました〜!」 声は屋上からであった。 ぴょんぴょんと跳ね、そして足の痛みでこける向存。 そう、範囲はあくまでラク城棟周辺、当然ながら棟内も良いのだ。 「これは一本取られましたね」 「あはははは……忘れてたや」 苦笑いを浮かべる楊懐。 そして、笑うしかない高沛。 まだ、雪は降り止む様子はなかった。 後日談 件の蜜柑は杜微や劉循を加え、八人で分けることとなった。 が、蜜柑を食べ終わるなり冷苞とトウ賢は劉循をつれて逃走。 高沛と楊懐の追跡を振り切り、成都方面へと逃走。 結局、始末書は扶禁が徹夜で仕上げる羽目になったらしい。 合掌。 了
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