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☆熱帯夜を吹っ飛ばせ! 納涼中華市祭!☆
27:雑号将軍 2005/08/09(火) 20:08 23,24の続き 〜益州の奇才 in蒼天大花火大会〜 V 「なんか今日、悪いことばっかだなあ」 張松はそう言いながら、会場を何度も行き来していた。そうして、そんなことを繰り返すこと数回、曲がり角に差し掛かった張松は、うつむいていたため、前から来る二人組に気がつかなかった。 案の定、張松は体当たりする格好となり、しりもちをついてしまった。 「あっ、ごめん・・・って、永年!」 「う〜ん、孝直〜。探してたんだからー。遅いなあ」 「悪いな。孝直が行く途中で、なんでも『小等部の頃、靴踏まれたヤツを見つけたから復讐する』とか意気込んでなあ。そんでそいつが今日履いてた靴を使い物にならなくしてると、まあこうなったと・・・・・・」 と語るのは張松の数少ない友人、孟達である。 「あらあら、相手もお気の毒なことで。まあ孝直にしたのが運の尽きだあねえ〜」 張松の言葉に孟達がうんうんと頷く。法正はさっきからひたすらほくそ笑んでいる。よほど恨みを晴らせたのがうれしいのだろう。 「あら、永年、その浴衣新調したの?」 張松の浴衣姿を見た、法正が言う。それに張松は笑って頷いた。 「じゃあ、行こっか!」 こうして、張松たち三人の祭りは今始まった・・・・・・。 参考までに、法正、孟達の服装(浴衣)を紹介しておこう。法正は青地にアザミの(薊)花があしらわれたタイプ。また孟達は黄色に白のチェック柄という珍しい浴衣を着ている。 張松たち三人はしばらく夜店を回り、食糧を確保したために花火の開始時間ぎりぎりになってしまった。 「す、座れないね」 「しかたないさ」 「見れたらそれでいい」 三人が焼きそば片手にそう言っていた、その時。 ヒュ〜〜〜〜〜〜ドン! ついに蒼天大花火大会が開幕した。 次から次へと、無数の花火がうち上がっていく。そして、それが宇宙という平原に花を咲かせていく。 まさしく夏の風物詩であった。 張松たちいや、会場に来ていた者たちはみんな、この美しい光景に目を奪われていた。時には「おお〜」という感嘆の声さえ聞こえてくる。 時間にして50分。しかし、張松たちにとってはあまりにも短く感じた。 ・・・・・・最後の大目玉。 大きな音共にうち上がった、花火は暗闇の中を駆けていくただ一つの光明となった。今まで上がってきた花火とは、高さがまるで違う。 そして、今まで上がってきた花火の倍の高さまで駆け上り、華を咲かせた。 その大きさは比類するものなく、落ちていくごとに、赤→青→緑→金色と色を変えていく。そして中央には「蒼天」の二文字が金色に輝き続けていた。 「あ〜よかったー」 法正が漆黒の大空を見上げて言う。 「見事だった。感動とはこのことを言うんだな」 いちゃもんをつけるのが基本の孟達も、今回ばかりは文句の付け所がなかったのだろう。しきりに褒め称えている。 「来年はどこであるか、知らないけどさあ。またみんなで見よう!」 「「「おう!」」」 しかし、この約束が果たされることはなかった。 なぜなら来年の二月、劉備に通じ、益州校区を譲ろうとさせていたことが、発覚し、階級章を剥奪されることなる。 そして、張松はいじめに遭い退学。張松の退学と同じくして孟達は法正と共に築き上げた帰宅部連合から離反し、連合生徒会員となった。 こうして三人がこの蒼天学園で再び花火を眺めることはなかったのである・・・・・・。
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