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☆熱帯夜を吹っ飛ばせ! 納涼中華市祭!☆
24:雑号将軍 2005/08/09(火) 20:03 〜益州の奇才 in蒼天大花火大会〜 U 「ふう、大変な目にあった。ああゆうのが一番面倒くさい」 張松は悔しそうにそう呟くと、はだけた浴衣を整え、再び歩き出した。 「ふう、ちょっと疲れたね〜。どっか、落ち着けると・・・・・・あった」 どうやら、文系の張松には簡雍を振り切るのが答えたらしい。さらに、浴衣姿で走り回るのは想像以上に体力を使うのだ。 張松は辺りを見わたし、休憩所と書かれた看板にみちびかれるようにとぼとぼと歩いていった。 そこで張松は缶ジュースを一つもらい、空いていた席に腰を下ろした。 「ふう、疲れたよ、ホント・・・。孝直と子度遅いなあ」 頭をうつむけ、缶ジュースの栓を指で何度も弾いている。 そうしていると、よくわからないが、横になぜか男が腰掛けた。なぜか男である。この蒼天学園は言うまでもないが女子校である。にも関わらず男子がいるのはなぜなのだろうか。 そんなことを考えている張松のお構いなしに男は腕を回してきた。 その男はどうも酒臭い。どうやら、かなりできあがっているらしい。言うまでもないだろうが、この男が二〇才未満だ。 「なあ、俺と今から、蒼天の花火を堪能しね〜か〜?」 どうやら(これでも)ナンパしている(つもり)らしい。 張松は鬱陶しそうに方に回された手を振り払うと、男の方に振り返り、睨み付ける。 もちろん、自慢の前歯を見せることも忘れてはいない。 「結構です!先客がおりますのでっ!」 本来、これだけきっぱり断られたのであれば、正気の人間なら諦めるものなのだが、不幸にもその男は正気ではない。酔っぱらっているのだから。 男はなおも張松を絡んでくる。 「いいじゃあね〜かよぅ。俺と一緒にこの花火会場を彩ろうじゃないか」 はっきり言って、くさい。いや三流の口説き文句だ。こんなことを言われて、ついて行く者は99%いない。 さすがの張松も笑いを堪えきれず、大声で笑った。と思ったら次の瞬間、辺りに怒声が響き渡った。 「黙らっしゃい!これ以上無駄口ばっか叩いていると、本気で噛みつくよっ!悪いけど、あたしのはかなり痛いよ」 張松の一言は凄まじいほどに現実感があった。ハムスター並の前歯で噛みつかれてはいかに強靱な肉体を持っていたとしても、悲鳴を上げ、激痛にもがき苦しむことだろう。 それにも、男は動じず、むしろ逆上しているのか、顔が真っ赤になってきた。まあ単に酒が回ってきただけなのかもしれないが・・・・・・。 「んだとう、俺に逆らうってのかっ!」 男は右腕を振り上げ、殴りかかろうとした・・・が、張松が目を開けたときには、反対側のテーブルに叩きつけられていた。 そのテーブルの真ん前には金髪で顔はこんがりと焼けた(一世代前の)女子高生だった。 その少女の両目は血走り、こめかみをひくつかせていた。怒っている、かなり怒っている。 「あんた、あたいがいながらナンパたぁ、いったいどういう了見だい!」 「ち、ちがうんだ、ちがうんだよ・・・」 「なにが違うんだい!こっちにきな!たっぷり聞いてやるからよっ!」 「い、痛い、痛いって。み、耳がちぎれるー!!」 男の悲鳴もなんのその。女子高生は男の耳を掴みぐいぐいと引っ張っていった。 彼らが、後々の帰宅部連合と激戦を繰り広げる、孟獲と祝融だとはこの休憩所にいる者は誰も知らなかった・・・・・・。
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