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☆熱帯夜を吹っ飛ばせ! 納涼中華市祭!☆
29:北畠蒼陽 2005/08/09(火) 20:58 [nworo@hotmail.com] 「……残念無念っていうじゃない?」 「いうね」 クーラーのきいた部屋の中で王昶と王基はだらけた格好でなにやら話していた。 王昶はすでに制服ではなく黒いドクロマークのTシャツとグレーのミニスカートという格好で執務机の上に両足を投げ出し、扇子で涼んでいる。 普段はマジメな王基ですら学校内だというのに胸の辺りまでブラウスのボタンをはずしソファに腰掛けている。 「……『念が残ってるの』と『念が無い』のが同列ってのはおかしくない?」 「あー、なるほどねぇ」 王基の言葉に王昶は感心したような声を上げた。 「じゃ、次、こっちね。『偽』って漢字があるじゃない?」 「……あるね」 今度は王基が王昶の言葉に頷く。 「偽って『人』の『為』になる、って書くじゃない」 「……そうだね」 うんうん、と頷く。 「なんねーよ」 王昶は言い切った。 「それともあれかな? 『嘘つきはその人を傷つけたくないから嘘をつくのだ。優しい人なのだ』って意味なのかな?」 「……かっこいいね、それ」 王基は頷いた。 「あんたら、なにやってんだ?」 「ん、素朴な疑問対決」 呆れたような諸葛誕の言葉に王昶は事もなげに答えた。疑問を出すのが勝負であり、疑問に答えるのが目的の勝負ではないらしい。 夏い暑のフタコマメ 「ぅあーづッ! ぅあーづッ!」 真っ赤な顔の王昶が神速で扇子を動かしていた。 「こ、公休、あんたねぇ……なんでわざわざここまできて……」 校舎の一室……王昶の執務室。 そこは異様な熱気に包まれていた。 クーラーはすでにスイッチを切られ、動く気配もない。 王昶ははしたなく襟元を大きく開けて扇子で胸元に風を送ろうと必死になっていた。 また王基は…… 「……ぁっぃ」 下半身はソファに腰掛けたまま上半身は机に突っ伏している。顔面蒼白。あと異様にだらだらと流れる汗。 なぜこのようなことになったのか…… 「いや、ごめん。私、冷房に弱い体質だから」 1人、このむしむしとした部屋の中で平然とした顔で、それでもわずかに悪そうに諸葛誕が答えた。 諸葛誕がクーラーを切ってしまったのである。この部屋のボスは王昶なのに! 勝手に! 「……ごめんぶんじょわたしもうだめかも」 「わぁー! 伯輿、死ぬなー!」 もう王基のほうは余裕がなさそうだ。 「……わたしがしんだらうみのみえるおかのうえにうめてくださいひなげしのはながさくおかがいいですあとおかあさんにおうきはゆうかんにたたかいましたとつたえてください」 「伯輿ッ! 伯輿ーッ!」 なんの三文芝居だ、これは 「あー……」。 さすがにバツの悪そうな顔をしていた諸葛誕は……少し考えていいことを考え付いた、というように手を打った。 「プールいかない? いや、おごるわ。悪いことした、みたいだし」 みたいだし、って自覚はないのか。
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