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☆熱帯夜を吹っ飛ばせ! 納涼中華市祭!☆
30:北畠蒼陽 2005/08/09(火) 20:58 [nworo@hotmail.com] 王基がなにも言わずに立ち上がりふらふらと部屋の出口に歩きだす。 「……みずぎとってくる」 ふらふらふら。 「ありゃ死んだな」 その後姿を見ながら王昶が呟いた。 死にはしないと思う。 …… …… …… 「……生き返ったかも」 プールまでの道のりで干からびていた王基は水の中でようやく息を吹き返した。 ハイネックタイプのワンピースで赤い花柄がちょっとオシャレな雰囲気である。 「いや、いんだけどさ……帰り、大丈夫?」 それを運んだ王昶がげんなりしながら呟く。 白いハーフトップに下半身はネイビーブルーのカーゴパンツ。あと日差しを避けるためにサングラスをかけている。 「……それよりあれ」 「うわ、すげぇ」 王基が指差し、王昶が唖然とする。 「あ、あんまり見ないでよ」 諸葛誕は銀のビキニだった。 プールサイドのパラソルの下で王昶と諸葛誕はぼ〜っとしていた。王昶はジンジャーエールで諸葛誕はメロンソーダ。 ちなみに王基は浮き輪に乗っかったまま流れるプールに流されている。それなりに楽しそうだ。 「いやー、それ女同士3人でプールに来るような水着じゃないって……別にいいんだけどさぁ」 「い、いいじゃない、そんなこと!」 恥ずかしがる諸葛誕。 恥ずかしいなら着なければいいのに。 それを流れるプールの中か狩人のような目で見ていた王基は一言呟く。 「……男ね」 呟いたんだけど流れるプールなのでそのまま流されていった。 「あー、いってらっしゃーい」 王昶が手を振ると王基がはるか向こうでぷかぷか浮かびながら手を振り替えした。平和である。 「で、男なん?」 「な、ち、違うわよ! そ、そんなわけないじゃない!」 諸葛誕、顔真っ赤。 「あやし〜い」 「あ、あや! あやや! 怪しくなんかないわよ!」 あやや、ってなんだ。 「で、公休」 「はぁはぁ……なによ?」 興奮する諸葛誕をどうどう、と宥めるように王昶が声をかける。 「で、その男ってかっこいい? その人の友達のかっこいい男、私に紹介してちょ」 「ちッがーうッ! っていってるでしょーッ!」 諸葛誕が絶叫した。 世界はまだまだ平和である。 「……♪」 王基はまだ流されていた。 世界はまだまだ平和である。 …… …… …… 「……遊んだ」 「あんた、流されてただけじゃん」 王昶が王基にツッコみ、諸葛誕は苦笑する。 夕闇が差し迫ったプール。 今日は夏祭りで夜遅くまでプールも開放されている。 「もう、そろそろ、かな」 諸葛誕の言葉に2人は空を見上げる。 この夕闇の空を彩るのは…… 花火が上がった。
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