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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド 二学期!★
41:彩鳳 2007/03/31(土) 23:17 ○作者後記 大変お待たせいたしました。『王者の征途』終章(第五章)です。 ギリギリ3月中に投稿できました。「俺の人生綱渡り」を地で行ってますね・・・。 就活でバタついていた私ですが、先日の卒業式を前に何とか内定取れました。卒業式によく間に合った。感動した!(馬鹿) というわけで、来週から1年遅れで社会人の彩鳳ですが(滝汗)この後『王者の征途』の劉備サイド版を仕立てる前に 劉Nの補完ストーリーと言えば良いのでしょうか、SSSみたいなものを書き上げるつもりでおります。 役回り上仕方ないとはいえ、三章&四章の終わり方では劉Nが気の毒ですからね。演義で損な役回りになった分の名誉回復 ・・・になればと思っております。 >雑号将軍さま 劉備サイド版のプロットが組みあがりつつあります。早期実現に務める所存です。 >海月亮さま 蒯越の扱いは正直悩みますね。ここでは「曹操シンパ」と割り切って書きましたが、劉備サイド版では『蒼天航路』に配慮した 役回りをしてもらう予定です。 >韓芳さま 曹性が主役ですか! となると夏候惇との死闘は必至ですね。『王者の征途』ではほとんど文官になってしまった彼女ですが、 活躍に期待しております!
42:雑号将軍 2007/04/01(日) 00:05 >韓芳様 曹性よりも高順に目がいってしまう雑号将軍です。 いやあ、高順格好良いですね〜。高順は自分の大好きな武将の一人なのでこうやってSSになると感動しますね。 >彩鳳様 就職おめでとうございます! 作品の方もお見事なまとめ方で、自分も見習いたいものです。 夕日を見つめる曹操と夏侯惇が言葉では言い表せないなにかを感じさせて頂きました!
43:雑号将軍 2007/04/01(日) 00:10 連レス失礼致します。 >劉備サイド版のプロットが組みあがりつつあります それは!楽しみに待っております!無理はなさらないで下さいね。
44:韓芳 2007/04/02(月) 01:10 風凛華惨 其ノ弐 「夏候惇様! 敵バイク部隊とまもなく交戦状態に入ります! 敵将は…高順です! 後方には歩兵も居るようです!」 「了解した。 …指示を出す、各部隊長へ伝えてくれ。」 「はい!」 空は、うっすら赤く染まり始めていた。その空の下を、夏候惇率いる200人の部隊が進んでいる。 今回の任務は名目上『劉備の援護と呂布の撃退』が目標ではあるが、実際は、曹操が来るまでの時間稼ぎだ。長い付き合いだからその辺のことは良く分かる。(サインも出ていたし ただ、普通の時間稼ぎで終われるほどの自制心は持ち合わせていない。 それに、この人数なら呂布に一泡吹かせるくらい出来るかもしれない。そう考えていた―― 「まず、横15列縦10人に並ばせ、各列横の間隔はバイク1台半空けさせろ。縦の間隔は1台分でいい。 敵は列の間に割り込んでくるだろうから、なるべく列を乱さないようにしつつ通り過ぎるのを待て。 バイク部隊が通り過ぎたら、前半分は各々の間隔を無くし歩兵へ突撃、後ろ半分はバイク部隊を追撃。 残りの50人は各列の最後尾にバリケードを作り、敵がUターンしようとしたところを襲ってバイクから蹴落とせ。 その後は、各員の判断に任せる。」 「了解しました!」 これでいい。 いくら高順とはいえ、100人ほどに囲まれたらたまったものじゃないだろう。 例え包囲から抜け出したとしても、その頃には私が歩兵を粉砕して応援に来ているだろうから、どうあがいても終わりだ。 「…いままでの恨みを晴らしてやる!」 敵が陣を整えているのを、高順からも見えてきた。 「改めてみると、圧巻ね…。」 「こっ、高順様… ああ、あの中を行くのですかっ?」 「当たり前。 怖がるのは今のうちよ。 …怖がってる暇も無くなるから。」 高順の目つきが変わった。 この瞬間から、彼女は『清楚潔白』から『陥陣営』へと姿が変わる。 「相手の布陣はすかすかよ! 隙間通ってかき乱してやりなさい!」 「はっ、はい!」 「かかれぇ!」 「来るぞ! 総員構えろ!」 風のように夏候惇の脇を数台駆け抜けていった。 その中に高順の姿が見えたのだが、剣を抜くことは出来なかった。 なぜなら、 「…あいつ、笑ってた… この状況で…」 背筋に寒気が走った。 作戦には問題ないはずだ。 たとえかき乱されたとしても、兵力で何とかなる。 いざとなったら私が―― 振り向くと、悪い夢を見ているような気がした。 列はほとんど面影が無いほど乱れ、3分の1の兵は倒れ、もう3分の1は傷つき、残りの3分の1はただその場に呆然と立ち尽くしていた。 バリケードで待機していた兵などは、傷ついていない者は居ない有様だ。 そのうえ、敵の損害は10人。 半分に減らしたとはいえ、こちらの損害とは比べ物にならない。 これが陥陣営なのだ。 夏候惇もその光景をただ見ているしかなかった。 「高順様はうまいことやったみたいね。」 「曹性様! 敵は怯んでいます! 今ならいけます!」 「よし! みんな、行くよ! ん? あれは…夏候惇!」 「こちらに背を向けているようですね。 これはチャンスでは?」 「私が行くわ。 貴方たちは残りをお願い!」 「了解しました!」 「かかれっ!」 空の大半は赤く染まっていた。
45:韓芳 2007/04/02(月) 01:21 はい、今回も曹性ほとんど出ず。 次回は、次回こそは出ますよ。 出さないと終わっちゃうし… orz 『陥陣営』表現するのに損害出しすぎたかな? >彩鳳様 内定おめでとうございます。 これから大変だと思いますが頑張ってください!(何様 作品は、最後の曹操と夏候惇の2ショットがとても印象的です。 2人の絆は深いですね。
46:韓芳 2007/04/04(水) 00:39 風凛華惨 其ノ参 夏候惇はようやく我に返った。 実際はほんの数秒だったのだが、その何十倍も長く感じられた。 「私としたことが… 驚いている場合ではないな。」 そうつぶやくと、夏候惇は軽く深呼吸をした。 大半のものも我に返り、怪我人の手助けを行っているが、まだ呆然と立ちすくんでいるものも居る。 「おい! しっかりしろ!」 「…えっ? …あっ、はい!」 「あんたは後方で怪我人を助けて。 あと、まだ突っ立ってるやつもね。 それから、元気な者の半分はすぐここへ来るよう伝えて。」 「はい!」 こうしている間に、敵の歩兵は目の前まで迫っている。 「夏候惇様! ご命令の通り、元気な者15名集合しました!」 元の1割にも満たない人数だった。しかし、過ぎたことを言ってもしょうがない。 「よし、作戦を伝える。 まず、10名ここで―――」 「…あ、危ない!」 「くっ…!」 「くらえぇぇ!」 夏候惇は振り向きながら回避行動をとった。 だが、振り向きながら避けようとしたため、敵の1撃を左目に受けてしまった。 「ぐぁっ… おのれ…」 「夏候惇様ぁ! …夏候惇様を守れ!」 15人が夏候惇を取り囲むように戦っている。 しかし、人数と士気の差が大きく徐々に押されていく。 「夏候…惇様… ご、ご無事ですか…?」 隣に倒れた兵の声はか細く、意識は朦朧としているようだ。 「ああ、何とか大丈夫だ。 しっかりしろ!」 「よか…た… 本当に…」 「おい… おい!」 「――覚悟は決まりましたか?」 どこかで聞いたことのある声。 …そうだ、1撃食らわされたやつだ。 「…フン。 覚悟なんてとっくの昔に出来てるさ。」 「なら…階級章、いただけますか?」 「残念ね。 私があいつと出会ってなければ考えたかもしれないが、今は無理な相談だな。 あいつより先にくたばるわけにはいかない。」 「なら、しかたありません。 …力ずくでも、階級章頂きます。」 「力ずくでも? …ちょうどいい。 私やこいつらの痛み、返させてもらうよ。」 周りに味方は20人、敵の兵は夏候惇を入れ3人。 もらった! 「曹性様、どうしましょう?」 「決まってる。 …行けぇ!」 わっと一斉に襲い掛かった。 だが、急に下腹部に痛みが走った。 別に病気など持っていない。 もちろん、走って息が切れたせいでもない。 ということは―― 「どうした? もう終わりか?」 「なっ、こいつ… 強い…」 正面に木刀を握った夏候惇が立っている。 その周りに、味方の兵たちがうめき声を上げながらころがっていた。 「くっ… まだ…高順様が来ていない… このままで…終われるかぁ!」 「そうだ。 それでいい。 次はこちらから行くぞ!」 「くっそぉぉぉぁぁぁ!!」 夏候惇の頭を狙った一撃。 しかし、それはフェイクで実際は下からの切り上げ。 読めた! 「夏候惇! これでもくらえぇ!!」 下からの切り上げをガードし、がら空きの体への蹴り。 決まった! 「決まったとでも思ったか?」 「なにっ?」 そんなばかな。 確かに、ほんの0,数秒前にそこに居たはずの姿はすでに無く、あるのは曹性の背後から横腹へ1撃をくらわせた姿だった。 「なんという…速さ…」 「お前と私じゃ、格が違うのさ。」 「ぐぁ… 高…順さ…ま…」 薄れていく意識。 ああ、私はもうだめだ。 遠くからバイクの音が… バイク? 「曹性!」 猛スピードで現れた高順は崩れ落ちる曹性を抱え、そのまま走り去っていった。 あまりの速さに夏候惇は手が出なかった。 「高順… いつかはお前も―――」 そう言うと、夏候惇はその場に倒れこんだ。 首の後ろに、殴られたような跡がついていた。 「もう…しわけ… ございません…」 「仕方ないわ。 やり損ねたのは私なんだから。」 バイク上で抱きかかえられながら曹性は思った。 この人は、なぜこの軍団に居るのだろう。 なぜ、危険な役目を受けても嫌な顔ひとつしないのだろう。 ほかの軍団ならもっと活躍の場が―― 「どうしたの? さっきからじっと私のほうを見て。」 「あっ… いえ、何でもありません。」 「? ならいいけど。」 でも、この人が同じ軍団にいてよかったと思う。 このような人にはなかなか出会えないだろうし、その人の下でいっしょに過ごせるか分からないし。 例えどんなにつらいことが起きても、この人が居るなら乗り越えられる… そんな気がした。 「私… 階級章とられてしまいました… 高順様、いままで…ありがとうございました。」 「…こちらこそ、ありがとう…。」 まるで映画のように、バイクで走り抜ける姿が夕日に照らされている。 「はは、呂布様に何言われるだろ。」 「そう…ね。 いざとなったら、ちゃんと止めてあげる。」 「いえ、でもそれでは――」 「私はあなたの上官よ。 それはいつだって変わらないわ。」 「…ありがとうございます。」 「…今のうちに、泣くなら泣いときなさい。」 「…はい。 すいま…せん…!」 高順様のぬくもりを、私は今でも忘れない。
47:韓芳 2007/04/04(水) 00:42 よく考えれば明日(と言うより今日)入寮日なので、書き終えないとしばらく来れないという事に気付きました。 ということで急遽完結です。 ホントはもうちょっと長かったんですけどね… 時間が… orz おかげで主役が夏候惇ぽく…
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