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★しょーとれんじすと〜り〜スレッド 二学期!★
44:韓芳 2007/04/02(月) 01:10 風凛華惨 其ノ弐 「夏候惇様! 敵バイク部隊とまもなく交戦状態に入ります! 敵将は…高順です! 後方には歩兵も居るようです!」 「了解した。 …指示を出す、各部隊長へ伝えてくれ。」 「はい!」 空は、うっすら赤く染まり始めていた。その空の下を、夏候惇率いる200人の部隊が進んでいる。 今回の任務は名目上『劉備の援護と呂布の撃退』が目標ではあるが、実際は、曹操が来るまでの時間稼ぎだ。長い付き合いだからその辺のことは良く分かる。(サインも出ていたし ただ、普通の時間稼ぎで終われるほどの自制心は持ち合わせていない。 それに、この人数なら呂布に一泡吹かせるくらい出来るかもしれない。そう考えていた―― 「まず、横15列縦10人に並ばせ、各列横の間隔はバイク1台半空けさせろ。縦の間隔は1台分でいい。 敵は列の間に割り込んでくるだろうから、なるべく列を乱さないようにしつつ通り過ぎるのを待て。 バイク部隊が通り過ぎたら、前半分は各々の間隔を無くし歩兵へ突撃、後ろ半分はバイク部隊を追撃。 残りの50人は各列の最後尾にバリケードを作り、敵がUターンしようとしたところを襲ってバイクから蹴落とせ。 その後は、各員の判断に任せる。」 「了解しました!」 これでいい。 いくら高順とはいえ、100人ほどに囲まれたらたまったものじゃないだろう。 例え包囲から抜け出したとしても、その頃には私が歩兵を粉砕して応援に来ているだろうから、どうあがいても終わりだ。 「…いままでの恨みを晴らしてやる!」 敵が陣を整えているのを、高順からも見えてきた。 「改めてみると、圧巻ね…。」 「こっ、高順様… ああ、あの中を行くのですかっ?」 「当たり前。 怖がるのは今のうちよ。 …怖がってる暇も無くなるから。」 高順の目つきが変わった。 この瞬間から、彼女は『清楚潔白』から『陥陣営』へと姿が変わる。 「相手の布陣はすかすかよ! 隙間通ってかき乱してやりなさい!」 「はっ、はい!」 「かかれぇ!」 「来るぞ! 総員構えろ!」 風のように夏候惇の脇を数台駆け抜けていった。 その中に高順の姿が見えたのだが、剣を抜くことは出来なかった。 なぜなら、 「…あいつ、笑ってた… この状況で…」 背筋に寒気が走った。 作戦には問題ないはずだ。 たとえかき乱されたとしても、兵力で何とかなる。 いざとなったら私が―― 振り向くと、悪い夢を見ているような気がした。 列はほとんど面影が無いほど乱れ、3分の1の兵は倒れ、もう3分の1は傷つき、残りの3分の1はただその場に呆然と立ち尽くしていた。 バリケードで待機していた兵などは、傷ついていない者は居ない有様だ。 そのうえ、敵の損害は10人。 半分に減らしたとはいえ、こちらの損害とは比べ物にならない。 これが陥陣営なのだ。 夏候惇もその光景をただ見ているしかなかった。 「高順様はうまいことやったみたいね。」 「曹性様! 敵は怯んでいます! 今ならいけます!」 「よし! みんな、行くよ! ん? あれは…夏候惇!」 「こちらに背を向けているようですね。 これはチャンスでは?」 「私が行くわ。 貴方たちは残りをお願い!」 「了解しました!」 「かかれっ!」 空の大半は赤く染まっていた。
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