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サンホラ雑談スレ
209:惟新 2004/11/01(月) 21:25 <メモ> ○「楽園」 堕ちるものであり、追われるものであり、還ろうとする場所。 アンドロギュノスの神話を引くまでもなく、同一になりたい、同一でありたい という欲求が人間にはある。「けれどそれ以上には…」。 ・「限りなく同一に近づける 追憶は狂気にも似た幻想」 ・「求める儘に唇を奪い合い 少しずつ楽園を追われてゆく」※1 「楽園」へ堕ちていく過程の描写である。 しかし、それはむしろ「楽園」から遠ざかることになる。 (コピーでもある「楽園へ堕ちてしまった」は《「楽園」希求に囚われた》と同義か) そこで新しい「楽園」が必要になる。 一つ目の楽園:幸せだった二人。歪な愛の記憶。在りし日に咲かせた花弁。 二つ目の楽園:信仰。新しい世界。大地から解き放たれたところにある。 共通するのは、同一であること。同一となること。――過剰投影型依存。 両者を繋ぎ渡るものは「進行」。「妹」の中で両者は同一のものと捉える。 ※1:原罪による失楽園伝説を意識した描写か。 ○Ark 信仰の核心、「哀れなる魂を大地から解き放つ」もの。「我々を楽園へ導ける」もの。 その結果――「殺害」。 「愛憎の箱舟」「背徳の箱舟」は《「楽園」へ向かう》ことにおける両者の視点の比喩か。 ○実験 海馬を弄ることにより情動抑制を解放? 結果として過剰に《求める》ことになったか。 「過剰投影型依存」。その、末路。ただし、実験自体が比喩の可能性もある。 ○監視卿 実験の関係者? 「左手の薬指」:結婚、愛、心臓。同一たるものの象徴? 「失った筈の『左手の薬指』が虚しく疼いた」は比喩を込めた表現? とすれば、「妹」と「兄」の物語に呼応する描写か。 失った理由まで物語に求めれば、監視卿=「その人」。可能性は低そうだが。 実験同様、監視卿の存在そのものが比喩の可能性もある。 ○時間軸 『兄の記憶』に「最期の瞬間に廻った」とあることから、 これを素直に「兄」の死と取れば『妹の記憶』→『兄の記憶』の順になる。 また、「手繰り寄せた糸」は、結末から回想した記憶、因果の比喩と取れる。 『妹の記憶』は崩壊の発生、Arkの起点か。 ○妹視点 求めていく。拒まれる。信仰。進行。Ark。 ○兄視点 律するが堕ちる。傷は深く甘く。嘘を吐く。拒絶或いは応えられなくなる。Ark。
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