Sacrifice考察

下
Sacrifice考察

1:オリー 2007/11/11(日) 11:24:59  ID:z+Pg/kAk
(2005年08月14日 21時47分25秒)

はじめまして、オリーと申します。
数ヶ月前にＳＨを知り、ドハマりしました。
何度も聞いて、やっと全体の意味がわかってきたような気がします。
他の方の考察を幾つか拝見し、頷かされる部分が多々ありましたが、
やはり私なりの解釈も書いてみます。
もし誰かとかぶってたらごめんなさい。

「無邪気な～可愛い天使」の部分から、妹は自分の身の回りのことが
できない、ある種の障害（多分、知的な障害）を持っていたと思います。
そのため、母親は妹につきっきりで世話をすることになります。
それを見た幼い頃の姉は、妹だけが愛されているのだと勘違いしてしまいました。
妹は妹で、ほったらかしにされる姉を可哀想だと言いますが、姉は嫉妬心から
その言葉を歪んだ形で受け取ってしまいます。（「器量の～死んじゃえばいいのに」の部分）
もしかしたら、妹は障害があるために思考力が低く、言って良い事と悪いことの区別が
つかず、実際に姉の器量について悪く言ってしまったのかもしれません。

姉が妹の死を願った翌日、妹は高熱を出します。
もちろんその願いは、本心からは思っていない、つい勢いで願ってしまったものなので、
姉は後悔し、懺悔をします。
その後妹の熱は下がり、しばらくは平穏に暮らしますが、今度は母親が病気になり
あっさりと死んでしまいます。
姉は母親の言いつけ通り、妹の面倒を見るため、そして二人で生活していくために
働きに出るようになります。

村の男達は、姉が仕事に出ている間、妹の世話をしてやると言って姉に優しくします。
姉はまだ若く、人生経験が少ないために、男達の言うことを真に受けます。
しかし実際は、男達は親切心からではなく、妹の体目当てで世話を申し出たのでした。
妹はヤられる事の意味さえ知らず、容易に口止めされてしまいます。
村の女達は、妹に付っきりになる男達を見て嫉妬し、妹（と姉）を逆恨みします。
そして、次第に姉に対して冷たく接するようになっていくのです。
そんな事とは露知らず、姉は妹のために一生懸命働きます。
仕事に忙殺されながらも、妹と二人、肩を寄せ合い、それなりに幸せに暮らしている
つもりでした。

しかしある日、何かの拍子に妹が妊娠していることが分かってしまいます。
姉は、自分が働きに出ている間に妹が男達にヤられちゃっていること等想像もしていなかったので
処女受胎、いわゆる神の御子を授かったのだと思い、喜んで村の皆に報告します。
すると村の男達は互いに顔を見合わせ、口をつぐみます。そりゃそうです、この男達の中の
誰かとの子だなんて、言えるはずはありません。
沈黙の後、仕立て屋の若女将が溜まりに溜まった鬱憤と嫉妬心を爆発させ、妹に暴力を振るいます。
この時のセリフから、若女将は男達と妹がヤっちゃってることを知っていたと思われます。
姉は妹を守るために若女将に掴みかかり、殴り合いの喧嘩をします。（台詞から、姉もケガを
していることが分かります）
神父様は、妹の授かった子が本当に神の御子なのか確かめるために、村の人々に
ガブリエル（神の御子を授ける際に現れるとされる天使）を見ていないかと尋ねます。
しかし、姉をはじめ、誰一人としてガブリエルを見たと言う者が現れません。
また、前述の通り「自分との子である」と認知する男も現れません。
では誰との子か？
神父様の台詞の部分で「悪魔の血に」または「悪魔と契り」と言っているのが聞こえます。
（耳コピ不十分ですみません）
つまり、神の御子でも人間との間に出来た子でもないなら、悪魔との間に出来た子だろう、
という発想です。

悪魔の子を身篭ったと誤解されてしまった妹は、宗教上の理由か何かから、
火炙りにされてしまいます。
一人では何も出来ない、何も理解できない子だと思っていた妹ですが、最期に姉に
「ありがとう」と言って息絶えます。
姉が自分のために精一杯働いてくれていたことは、分かっていたのでしょう。
男達にヤられちゃってるのを言わなかったのは、状況を理解していなかったからではなく
姉にこれ以上心配をかけないように気遣っていたからかもしれません。
これは私の勝手な妄想ですが、妹は最期に笑顔で逝ったのだと思います。
惨い仕打ちを受け続けながらも、全てを許し、自分のために奔走してくれた姉に
感謝していたのだと思うのです。（「心無い～赦すのでしょうね」の部分から）
しかし姉は、こんな仕打ちを赦せるはずもなく、村人全員への復讐を決心します。
村中に火を放ち、全てを焼き尽くしたのでした。

･･･と、私はこんな感じの解釈をしました。
長々と失礼しました。

上前次 1-新書写板 AA 設索