世界という鎖【Elysion考察】
2:眩夜 翠2007/11/11(日) 16:12:42 ID:z+Pg/kAk
●仮面の男が辿った軌跡 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 00時28分52秒) 


A1.【エルの肖像】 
エリスが束の間の楽園に居る、ほんの少しの間に……
誰もいなくなったその小屋を訪れた少年『A'』。
肖像画のエリスに恋心を抱いてしまったがために、
彼は鎖の螺旋へと巻き込まれます。
彼の想いはその場に留まっていた仮面の男『A』の夢想と共鳴し、
結果《アビス》が誕生、現実として形を得ます。
つまり、『A』+『A'』=仮面の男《アビス》
※ただし《アビス》の本質は仮面の男『A』の方にあるとします。
しかし、居るはずの彼女が居ないことに《アビス》はすぐに気付き、
彼は『エリスを求める』という共通の目的を果たすため旅に出ます。
 


A2.【Ark】【Baroque】【Yield】【Sacrifice】【StarDust】 
《アビス》の中の仮面の男『A』は、彼の《楽園》(エリス)を求めます。
《アビス》の中の少年『A'』もまた、彼の《理想》(エリス)を求めます。
もしもエリスが体質を治療しているのなら...白い肌、緋い瞳という特徴では判断できません。[1]
Ark,Baroque,Yield,Sacrifice,StarDust,いずれも《アビス》の求めるエリスではありませんでした。
さらに彼女達はほんの一部の例にすぎず、エリスを見つけるまで《アビス》の探求は続きます。
エリスが既に、再びあの場所へ戻っていることも気付かずに……
その長き道程、残酷な現実は、Track12〜43として表現されています。
 



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[1]この理由はエリスの症状から察して下さい。実際の症例に対する軽はずみな言動はあまり好ましくないので…
 


○●44.【Track44】 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 00時42分26秒) 
ただいま……エル……
永劫ともいえる奈落の探求の果てに、
ついに《深い森の廃屋》で《アビス》はエリスを見つけます。
 


■仮面の男『A』としての視点 
【エルの楽園[→side:E→]】で別たれた父、仮面の男『A』と娘、エリス『E'』は再び巡り会います。
漸く...仮面の男は彼の《少女》を見つけたのです。
しかし再び辿り着いたその《楽園》も、《アビス》の中のもう一人、少年『A'』の妄念によって失われます。
終わりの《楽園の扉》[2]が開かれてしまったのです。
その行為の果て…治療したとはいえ元々身体の弱かったエリス『E'』は
出産という負荷に耐え切れず、エリス『E'』はとうとう命を失います。
現実に留まる意味を失った仮面の男『A』もまた、エリス『E'』を追います。
その二人の辿りつく先は → ∞.【エルの絵本[笛吹き男とパレード]】
                   ここが、鎖の外部にあるもう片方です。
                   次の《楽園の扉》が開かれたことによって鎖から解き放たれた
                   仮面の男『A』とエリス『E'』の二人は、
                   冥府(奈落)に巣くう亡者共を引き連れて世界の果てを目指します。
                   でもこれでやっと、渡せなかった誕生日のプレゼントを渡すことが...
                    嗚呼...そのパレードは何処までも続いてゆく...
 


□少年『A'』としての視点 
一方少年『A'』にとっての《理想》は
あくまで病的に白い肖像画のエリス(さいあいのむすめ)であり、
よって仮面の男が求めた(体質を治し成長した)エリス『E'』ではありえません。
しかし彼にとってそれは予定調和の内でした。
なぜなら...少年は彼の《鍵穴》を見つけたのです。
たとえそれが永遠を孕ませる運命であったとしても、
彼の《理想》を手に入れることができるのならば……
そして彼の妄念は、始まりの《楽園の扉》[3]を開きます。
 



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[2]始まりの《楽園の扉》と同一です。
[3]終わりの《楽園の扉》と同一です。
1-AA