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【考察】Thanatosを読み解く
9:御伽 2009/07/26(日) 21:44:48 ID:ksPpdmzG 以上で4つの玩具の幻想を解説しました。残るは最後の曲。 「タナトスの幻想」 【─囚われし虚構の城 珊瑚が還るのは始まりの部屋─】 今までの曲の冒頭のナレーションは、それぞれ前の曲の言葉が入るんですね。これは繋がりを表してるのでしょうか? そのままの意味で捉えるなら、珊瑚の城から転生した先は始まりの部屋→屋根裏部屋ってことですね。 このナレーションのおかげで時系列(上記参照)の説明が完成するわけなんです。が、この曲は玩具ではありません。 【壊れたマリオネット 銀色の馬車 輪廻の砂時計 珊瑚の城 タナトス】 そこに在る風景を除いた曲目です。感情や主観が入っているものをまとめたんでしょう。(この曲も少女自身の主観がはいってる) 【全ては少女の幻想 眠れぬ夜の悪夢】 これらは全て少女の幻想。最初にありましたよね、幻想=詩を綴るような遊戯 そう、遊戯なんですよ。 少女は眠ることができないから、玩具で遊ぶことしかできない。ここ、間違えないで下さいね?{眠れない}から{遊ぶ}んです。 【意識の深層で タナトスの囁く声を聴く】 人間誰しも、{死}について考えない人はませんね?つまりそれはもう意識の奥底で常に意識しているってことなんです。 【不完全なる願望 恣意に傾く天秤】 少女の願望は輪廻の砂時計。{朝に死ぬ}ことができなかったが{あなたの腕の中で逝く}ことができたから不完全な願望。天秤は、多分生死のこと。 【現実と幻想に揺れる 少女の境界】 少女の現実は「そこに在る風景」 幻想は「玩具」。現実世界にいながら幻想世界を盲信しているため。 この曲はそんな{少女の境界}に位置する曲だと思います。(玩具でも現実でもないため。) 【不可逆なる時が 昼と夜を繰り返すように】 【意識の表層と深層は 鮮やかに配役(キャスト)を入れ換える】 入れ替わるのは、真夜中の少女(現実)とマリオネットの少女(幻想) 【現実は唯 そこに在るだけの風景】 ここで確実に言いましたね。 【幻想を映し出すのは いつも私の心】 【歪な鏡 死の本能 眩暈 駆け巡る衝動】 【仮面の獣 少女は檻の中】 少女の心の中で、幻想を映し(生み)出す。 仮面の獣が今は分かりませんね…。。。ABYSS??(笑 【刹那を生きられる程 私は強くもなく】 【永遠(とわ)を生きられる程 私は鈍くもない】 ここで自分は弱く繊細だと言ってます。生きることを不安に思ってます。 【私は…唯悲鳴を上げている私を抱きしめる】 【夜毎 タナトスに抱かれる夢を見ながら…】 少女は銀色の馬車で気づいたんです。そのため、永遠に死ねないことに苦痛を感じる。(眠れない=死ねない) 殺すのは嫌だ…もう操られたくない…壊れたマリオネットはそんな自分の気持ちに気づいてしまった。 気づけばもう苦痛しかない。けれどどうしようもない。マリオネットは操られなければ何も出来ない。操られるために存在している。 【廻る廻る 悪夢のような鐘の音】 【その果てに私が待っているのは 銀色の馬車?…それとも】 鐘の音は葬式の鐘ですかね。(Romanの焔とか)自分が今まで殺してきた人達のものでしょう。(または、少女自身の死のイメージ?) 殺戮を行い続けたその後に、(もしくは自分が死んだ時に)、銀色の馬車を待っている。つまり死を待っている。けれど…少女自身それが本当なのか分からない。 【偽りのタナトス 偽りの輪廻 零れ落ちるまでの詩】 【私は幻想を重ねながらも生きてゆく…】 {少女はタナトスに操られてなどいない。}→偽りのタナトス {輪廻を望んで死んでいった前世などない。}→偽りの輪廻 本当は、タナトスは自分自身が死を怖れるが故に作り出してしまったもの。 前世の自分が輪廻を望んで死んでいった少女なんていうのも嘘。 私が死ねるまでの、詩。幻想。つまり生きている限り幻想は続く。 【廻る廻る 悪夢のような鐘の音】 【死への途上を辿る仕組み(システム) 生は幻想を生み続ける装置(デバイス)】 死へ向かっていく人生。その人生を生きていくなかで、人は幻想を紡ぎ出す。 生きている以上、幻想を生み出してしまうのは自然の摂理…。少女も例外なく。 【廻る廻る 終わらない鐘の音…何処かで】 【タナトスに見つめられているような気がした…】 鐘の音は葬式の鐘。死に行く魂を送る餞(はなむけ)。率直に言えば、死の象徴なのでは? さっき殺した人達の葬式の鐘の音といいましたが、同時に少女自身の死の意識にもなるんだと思います。 それが頭に響くということは…。そりゃタナトスに見つめられてる気になりますわな。 上記内でも説明しましたが、この曲は{少女の境界}。現実と幻想を揺れる少女の境界。 この少女、境界ということもあってか、ちゃんと何が幻想で何が現実か分かってますね。それでいて分かっていても思い込んでいる。 …誰しもそうですよね、例えば…小さい頃スーパーマンになりたくても現実はなれない。けれど夢を見続けるそんな頃。 少女の心境もそう。分かっているけど、幻想を止められない。 だって、生は幻想を紡ぎ続ける装置なんですからね。
10:御伽 2009/07/26(日) 21:59:59 ID:ksPpdmzG さて、アルバム内の曲目は全て解説しました。 一度簡単にまとめてみましょう。 もしかしたらいままでのと矛盾するものがあるかもですが、こちらの説明が私の解釈に一番近い(私が誤字脱字などしてなければ;) 現実→「そこに在る風景」 境界→「タナトスの幻想」 幻想→玩具(+タナトスの幻想) 少女は輪廻を信じて一度死んで、珊瑚の城へ堕ちてしまう。 しかしタナトスのマリオネットになることで、屋根裏へ生まれ変わる。 銀色の馬車に乗り、雪原にて殺戮を行い、母親の嘆きを聞き後悔し、殺戮にためらいをもつ。 けれどマリオネットであるため、タナトスに操られる限り殺戮は続く。少女は葛藤する。 少女は、死を怖れていた。それは人間ならだれしも意識すること。 ただ、少女はあまりにも怖れていたため、タナトスという存在を作り出してしまった。 夜はタナトスの支配する世界。そう思いこんでしまったため、夜に睡眠をとることも怖れてしまった。 怖くて眠ることができないため、朝が来るまでの時間、部屋に在る玩具で遊ぶ。そして幻想を紡ぎ出す。 最初は玩具同士に繋がりはなかったが、自分自身を幻想世界に組み込むことで、玩具同士を繋げた。 そして今も、幻想しつづけ、タナトスに怯えている。
11:御伽 2009/07/26(日) 22:09:17 ID:ksPpdmzG …まとめてみると結構すっきりしますね。 ちなみに、私の解釈の根拠は、picomagicの「タナトスの幻想は終わらない」で、はっきり言っているからです。 今までの私の解釈をちょっと頭に入れて歌詞を読んでみると、結構あてはまるんじゃないでしょうか? 【冷たい月に導かれるように眠れない夜が訪れる】 【そんな時はいくつかの死を幻想して過ごす】 【私は死ぬのが怖ろしいのだ…】 【何故 私は此処にいる?】 【明日突然私がいなくなったとしても】 【何事も無かったかのように機能してゆく】 【私はこの世界が怖ろしいのだ…】 【何故 私は此処にいる?】 【生きているから哀しいのか…】 【死んでゆくから哀しいのか…】 【殺す為に生きているのか…】 【殺される為に生きているのか…】 【生きているから笑うのか…】 【死んでゆくから笑うのか…】 【殺す為に生かされているのか…】 【殺される為に生かされているのか…】 【黒の歴史…死の幻想…喪失の詩…】 【光溢れる夏には新しく歴史が生まれ変わるというのに】 【未だタナトスに抱かれる幻想は終わらない…】 【見ている…見ている…見ている…見ている…私を…私を…私を見ている】 【…見ている…見ている…見ている…見ている…】 【嗚呼…タナトスは今も何処かで私を… …私を見ている…】 もうこれが答えと言ってもいいですね。もうこの曲の解説はいいですよね? つまり、 死が恐ろしい少女が、それ故にタナトスという存在を作り出し、そしてマリオネットという幻想の自分を作り出してしまい、結局は自分自身に操られている。 自分の過去すら幻想で、操っていると思いこんでるタナトスも幻想で…幻想は全て自分が作り出してしまった。 現実は、ただそこに在るだけの風景。 遊んでいた玩具から幻想を紡ぎ、思いこんでしまった。 自分自身に囚われ続ける、真夜中の少女。 それがこのThanatosというアルバムなのだと、私は解釈しました。 以上が私の【考察】Thanatosを読み解く でした!(やっとまとまった…; 何か質問や意見など、「私はこう思う!」な解釈などありましたら、以下ご自由にどうぞ。
12:名無しさん@名も無きローラン 2010/12/21(火) 15:25:23 ID:SrmcRnAX 「タナトスの幻想」にある【仮面の獣 少女は檻の中】と言う歌詞を見ると ミシェルの方でもたびたび出てくる檻と言う単語と重なる・・・ ミシェルが実父を殺害した最初の事件じゃなくて 養父に引き取られる二番目の事件の間の話という解釈は無理やりだろうか 【明日突然私がいなくなったとしても】 【何事も無かったかのように機能してゆく】 【私はこの世界が怖ろしいのだ…】 【何故 私は此処にいる?】 と言う歌詞と ミシェルの手記である 檻(Cage)の中で咲き乱れ 枯れ朽ち果てる前に 愛(Amour)を失くしたこの世界に… 捧ぐ…お別れの挨拶(Au revoir) の【愛(Amour)を失くしたこの世界に…】の部分が繋がってるような気がする
13:名無しさん@名も無きローラン 2011/01/20(木) 01:15:34 ID:PoLLnu/0 いっぱい書いたね。 でもなにがなんだかわからないよ。
14:紅絹 2011/02/01(火) 22:47:29 ID:k/PjbHEI 私もミシェルとタナ子は別人だと思いますが、何となく似たところがあるので関係はあるように思えます。 『屋根裏の少女』で「右手に神を左手に悪魔を宿した」とありますが、私はミシェルがこの時キャンバスに描いた物を現実にできる、もしくは幻想世界を創る事ができる能力を得たと考えています。 『屋根裏の少女』は黒の歴史が紡がれる以前の話、「零の地平線」なのでこの後に殆どの地平線の物語がミシェルによって描かれた幻想世界ではないかと思います タナ子は『屋根裏の少女』でミシェルに描かれた「お友達」なのではないでしょうか。 だからミシェルと共通点が多くあるのではないかと思っています。 まだまだ矛盾点や謎は多いですが以上が私の考察です。
15:名無しさん@名も無きローラン 2011/02/02(水) 00:42:27 ID:vAhnQ8tu すみません。「零の地平線」というのがあるのですか?あまり見聞きしたことがないもので>< あと、なぜ「右手に神を左手に悪魔を宿した」から「キャンバスに描いた物を現実にできる、もしくは幻想世界を創る事ができる」 に繋がるのかよくわかりません>< Thanatosをもっと理解したいので、お願いします。
16:名無しさん@名も無きローラン 2011/03/20(日) 00:33:38 ID:75WaY8qp pico magic reloadedの『...reloaded』の歌詞を見れば零の地平線の意味が分かると思いますよ
17:名無しさん@名も無きローラン 2011/09/20(火) 01:03:25 ID:00h7OZKz Thanatos いいよね。Moira, Marchen とは違うシンプルながら美しいメロディーに心酔。
18:投稿 ★ 2013/10/14(月) 12:11:37 ID:AqcGdpDl とても分かりやすいですね。 他の地平線との繋がりは別としても、Thanatosの物語はこうなんじゃないでしょうか。
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