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【考察】ミシェル=エル
7:古時計2010/11/05(金) 00:03:27 ID:QHPDPxoZAAS
さて、皆さん!
青い服を着たイヴェールはどんな存在だと思いますか?
「生まれてくる前に死んでいく僕の〜」〜朝と夜の物語〜
と言っていますので、生まれていないけど死んでいる存在です。
そこで「輪廻」が登場します!!
イヴェールとは「輪廻」における生、「始まりの扉」を開けない、
つまり「輪廻」しない存在なのです。
生きている痛みがない、うらやましい存在ですね。
そしてタナトスに抱かれているこそ、生きたいと強く願うMichele。
生きる為にはタナトスとの手を切らなければ。
…彼女の目的、それは「終わりの扉」を閉じ、「輪廻」という輪からはずれ
死なない存在になる事。
その為に、「輪廻」から既にはずれたイヴェールという存在が邪魔だったのではないか?
だから、13人の少年の液体をどのようにするのかまでわかりませんが、
イヴェールの「始まりの扉」を開き、生まれさせる事によって永遠の存在から
引きずり下ろし、代わりに自分が永遠の存在になる……
あの勝ち誇った様な笑い声に続く言葉
「生まれておいでなさい、イヴェール」
ちなみに、Micheleは2度目の舞台をきっかけに『彼女』に蝕まれていきます。
しかし『彼女』の肉体は既に死んでいます。
もしくはMichele自身がタナトスに操られているので『死』に人並み以上に接しています。
ここで「澪音の世界」を思い出してください。
「『死』とは…精神(こころ)に先行してまず肉体に依存する感覚から朽ち果てるものらしい」
つまりMicheleの『死』は早まっており、
2度目の舞台の8年後には、肉体の死、「老婆」となっていたのも納得いきます。
こうして3度目の舞台もやがて幕を閉じます。
しかしElsyonの最後の謎が残っています。
44番目のトラック
この解釈にも「輪廻」を使わせて頂きます。
エル(=Michele)は「パパの幸せ」を描きました。
しかし自分の「幸せ」は?
それこそが44番目のトラック。
表層のエルが望むのは「お父様」が普通に帰ってくる日常…かもしれません。
そしてなぜ44番目なのか?
4と4、「死」と「死」
そしてElsyonのトラック全体は45「死後」まであります。
まあなんとも言えないんですが、
私はある種の「輪廻」を暗示させているのではないかと思います。
それでは皆さん、「檻の中の花」を聞いてMicheleの舞台を終わらせましょう。
「彼女は、自らを閉じ込める狭い檻の中から抜け出したかったのでしょうな…
それも極めて偏執的なまでに。
…しかし、残念ながらその願望は生涯叶う事は無かった。
…そして、死後一世紀を経過した今でも、彼女はその檻の中にいる…
…何故そんな事が断言出来るのか?…良い質問だ。
よろしい、誤解を招く事を承知で、この『Christophe Jean-Jacques Saint-Laurent』
あえてここで公言しておこう。
我々もまた、彼女と同じ檻の中にいるからだと…
[『Michele Malebranche』の手記に遺されていた詩の断片]
檻の中で咲き乱れ 枯れ朽ち果てる前に
愛を失くしたこの世界に… 捧ぐ…お別れの挨拶
〜連作幻想戯曲『檻の中の花』 (著) Noel Malebranche 」
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