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三国雑談スレ ◆奥の方のテーブル◆
208:中根東竜 2003/02/09(日) 00:59 お久しぶりの中根です。 >「ダ・ヴィンチ」の三国志特集 期待していませんでしたがぱらぱらとは見ています。 如何にも出版社から売れ筋を集めてきました!という 感じの広告みたいなモノでしたね。同誌は余り濃い雑誌では ないので、『三国志』をまるっきり知らない人向けなんでしょ。
209:★ぐっこ 2003/02/09(日) 02:24 おお、久々に本ネタあがってる(^_^;) あ、中根様だ〜。 ところで義兄上レポ乙。「三国志と日本人」ですか。 確かに「三国志先進国(色んな意味で)」である日本が、具体的に どの程度三国志を解題しているか、興味のある内容です。 そして「三国志に熱中する日本人」を中国人がどのように見ているかも 気になるところかも(^_^; ホラ、うちなんか学三が台湾でボゴられたり マンセーされたり、日本でもヲチられたりとイロイロですし。 こっち系はともかく、普通に学術面で日本の研究が本場とどれほどの差が 在るか、興味がありますね。 「ダ・ヴィンチ」も同様。まあ誌面の関係上、サブカルチャー部分にまで 立ち入れないのが現状でしょう。
210:左平(仮名) 2003/02/15(土) 00:40 三国志とはちょっとずれますが、中国史関連で、面白い本があったので、紹介しておきます。 『「春秋」と「左伝」』(平セ【生+丸+力】隆郎・著、中央公論新社 2003)という本です。 余り詳しく書くとネタバレになるのですが、概要は、こんな感じです。 「春秋」は、戦国時代のある時期(この時期になるという根拠については、同氏の『中国古代の予言書』などを参照)に、王の正当性を立証すべく作られたものである! そして、「左伝」は、それからさほど時をおかずに作られたものである! というものです。 平セ【生+丸+力】氏はまだ五十前。このまま順調に研究を進められれば、あるいは白川静氏の様な存在になられるのかも…。
211:★ぐっこ 2003/02/16(日) 11:30 牛氏感想〜 一カ所を除いて緊張が解ける牛輔たん(;´Д`)ハァハァ… しかし…初々しいなあ…。どういう経過を経て董卓軍団を切り盛りする 豪傑に育つのか楽しみ。 >>210 むう、その説が大道になるのかトンデモ学説として埋没するか… 大概の史書なんてものは、権威正当化のための道具だといいますから、 正解といえば全部正解なんでしょうけど…
212:左平(仮名) 2003/02/17(月) 22:48 210の補足をば。 平セ【生+丸+力】氏の説が衝撃的だというのには、幾つかのポイントがあるんです。 1,称元法(○○王の◇◇年という言い方)の違い 「史記」の、戦国時代の年代表示には多くの誤差がある(三割近くという)。その多くは、称元法の誤解によって生じたものである。 戦国時代の「ある時期(=諸国の君主が王と称する様になった頃)」に始まったやり方を、太古の昔からやっていたかの様に書いた為に、この様なずれが生じたのである。 太古からのやり方は「立年称元法(例:昭和→平成)」であったが、この頃から「踰年称元法(帝王の死後、次の帝王は、年が明けてから正式に即位する)」が始まった。 ↓(暦年のズレ等の検証により、新たな称元法の開始時期を特定) 2,各国で暦が異なる 春秋時代の暦は、まだごく簡単な「観象授時暦」であった。その為、各国で正月が異なる。 ↓(「春秋」などの暦の記載と一致する暦を用いる国は…) 3,「春秋」とその伝の成立時期がほぼ同じ 通説では、「春秋」は孔子によって(またはその死後間もない頃に門人達によって)書かれた、そして、三つの「伝」は、その意味が分からなくなった後世の作とみなされていたが、実は戦国時代後期(諸国の君主が王と称する様になった頃)に、「春秋」と「伝」がセットで書かれたのではないか。 以上の結果、 「竹書紀年」 →○国の王の正当性を主張 「春秋」「公羊伝」→○国の王の正当性を否定すると共に●国の王の正当性を主張 「春秋」「左氏伝」→●国の王の正当性を否定すると共に◎国の王の正当性を主張 「春秋」「穀梁伝」→◇国の王の正当性を主張 (○、●、◎、◇国は、それぞれ個別に名が特定されていますが、ここまで言うと完全にネタバレなので、ぜひ一読してください) となる。 …正直言って、概要は分かったつもりになれましたが、詳細については、今もよく分からないままです。暦の計算などが出てくると、数学の公式を見ている様で、理解不能。 王の正当性を立証する為、という意図は理解できても、なぜ、かくも隠微な表示にする(ほんまに、「ほのめかす」という感じ)のか、というところにも若干の戸惑いがあります。しかし、強烈です。
213:中根東竜 2003/02/21(金) 19:54 >平勢隆郎説 およそ『春秋』と『春秋左氏伝』くらい議論百出している 古典はないのですが、平勢説も異説の一つ・・ だと思います、はい・・ 個人的な意見では、暦の分析は納得がいくモノの、 春秋三伝を「正統性主張の書」という話はどうなのでしょうか、 一般向けの平勢氏の本を読む限り納得がいきかねる説のように 思います。中国歴代史上、正当性の主張は何度も行われ ましたが、平勢説のように暗号のような形で示した例は 滅亡国の家臣が隠居して書いた書物以外にないのです。 (宋の鄭思肖『鉄函心史』など) その点、何故こういう考え方をしているのか疑問です。
214:★ぐっこ 2003/03/06(木) 00:51 おっとっと、えらくご無沙汰になってしまいました。 古典全般に付き物なのかどうかはわかりませんが、まあ、古籍は歴史学 以外にも、ロマン追求という観点で読む流れもあるものでして。 むかし「百人一首の秘密」だったか、そう言うタイトルの本がありましたが、 これがまたトンデモな学説(?)でした。 百人一首の歌が記している風景、人物、地名などを並べていくと、不気味なくらい ピッタリと近畿地図が出来上がってしまうと。その中央に位置する歌こそが、 「小倉百人一首」が撰された真の理由。詠み人知らずを含めた百人の魂魄で、ある人物 の「鬼」を封じる図式が出来上がる、と。 …まあ要するに、百人一首は、それ自体が一個の封印だった、という説ですね。 真偽のほどはともかくとして、この説にいたく昂奮した私は、当時興味の対象だった西洋史 の方面でこれをノベライズし、某文庫に応募しましたわ(;^_^A。とりあえず二次選考までは 行った覚えがあります…。現在なんとなく脳内でリメイク中… てなわけで、まあこーゆー系統の楽しみ方としては、奇説怪説おおいに結構では、と思います。
215:★ぐっこ 2003/04/29(火) 21:13 ところで、別冊宝島の「僕たちの好きな三国志」なる本を買ってきました。 お値段は950円と、ちいと割高ですが、内容はそれなりに濃い! メイン文書いてるのが大澤教官ですから、まあ当然と言えば当然ですが…。 巻頭ページが光栄の三国志シリーズや無双の特集ですんで、割合ライトかとも思った のですが(「三国の野望」のリクそんさんがコラム書いてたよ…)、本文はみっしりと 人物辞典や当時状況の概説などが詰まっていて、大澤節が読み応え満点。 ただまあ、「三国時代スペシャル」とか「真実の三国志」とかの大澤本を読んだ方は、 内容が重複してるから、確認が必要ですな。 個人的にはお薦めの一品。お金に余裕がある人は是非。
216:左平(仮名) 2003/04/29(火) 23:02 私も、こないだ書店でちらっと見かけました。 実のところ、執筆陣にリクそんさんがいるとか大澤さん(ここでは教官と言った方がいいですか?)が私と同じ‘73生まれという所に目がいってたりして…。 全体を俯瞰すると、ところどころ演義と正史がごっちゃになってる部分もありますが、普及していく過程を考えると、そうなってしまうのでしょうね。
217:★ぐっこ 2003/04/29(火) 23:22 あはは、松竹梅様のところで辛く評されてましたが、構成に関しては 仕方がないですねえ。原稿依頼のメールの後は、打ち合わせ無しで、 それぞれの原稿を組み合わせるだけ。お互い、誰が何を書いているか 解らないと言う状況ですから、ごっちゃになるのも無理ない話で。 (ほとんど同人誌のノリらしい。別冊宝島) 大澤教官も、自分の文章につく挿絵とか人物関係図とかノーチェック だったらしいですな。 ただまあ、三国志上級者と呼ばれる方々にとっては、中途半端な内容 でしょうね…。初心者向けの大澤節なんか、彼らにとっては斬新でも なんでもないでしょうし。 そういえば大澤教官、私がログイン読者の頃21、2だったような。今思えば 若いのにエラソーな文章を書いてらっしゃった(^_^;)
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