★『宮城谷三国志』総合スレッド★
163:左平(仮名)2005/07/08(金) 23:44AAS
今回のタイトルは「新都」。まだ8日ですが、10日が日曜日だからか、もう文藝春秋が出てました。
電車の時間があったのでいささか流し読みですが、↓こんな感じの回でした。

ついに曹操が天子を迎えます。この時仲介に入ったのが董昭。袁紹のもとを去ってからいろいろあった
わけですが、本作の董昭、なかなかの大物キャラですね。
董昭もれっきとした勤皇の士ではありますが、志は貴いけれど惜しいかな政治手腕に欠けた楊奉とは違い、
その現状認識は非常にしっかりしています。
現状は、ありていに言えば「周の襄王の御世に似ている(※作品中、そういう言葉があったわけではあり
ませんが、曹操を晋の文公【重耳】にたとえているのを考えると、そんなふうに思いました)」。
曹操もまた、それに近い認識を持っています。なので、曹操は、天子に甘い庇護者ではありません。

それにしても、政治的力量は董承>楊奉(曹操などからみると実に低いレベルですが)に対し、勤皇の
志は楊奉>(越えられない壁)>董承という図式は面白いですね。元白波賊の故、とかく低く扱われがち
だった楊奉ですが、1800年以上の後に、思わぬ栄誉に与った形です。
「三国志]T」の顔グラが格好よくなったり「義理」の数値が上がったりして。

ただ、ともに勤皇の志を抱く者であっても、その想いにはずれがあります。
すっかり荒廃した洛陽の有様をみて、曹操は許への移動を行うわけですが、たとえ廃墟ではあっても
天子は洛陽に想いを残しているというのを知る楊奉は、それを専横とみなして戦い、そして敗れると
いう事態に至ります。
張楊もそうですが、ちょっと切ないものがありますね。

後半は、荀攸、鍾繇、それに郭嘉も登場。曹操のもとに続々と人材が集まってきます。
そんな曹操のもとにやって来た、腕長耳デカの男。次回、この男が波乱を呼ぶ…?
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