★『宮城谷三国志』総合スレッド★
177:左平(仮名)2006/08/25(金) 20:49 [sage] AAS
ここ最近、別アドレスに書き込んでるみたいですので…こちらに
書き込みます。

177 : 左平(仮名) 投稿日:2006/06/12(月) 23:32
今回のタイトルは「高幹」。前回に続き、袁氏勢力の減衰過程が描かれる格好です。

壷関攻めに派遣された楽進と李典。自信たっぷりな言動をみせる楽進に疑問を抱く李典ですが、
楽進も、伊達に大口をたたくわけではありません。数多くの戦いに参加し、戦場という場を知悉
しているがゆえの強気です。
実際、いざ戦いになると、奇策等はありませんが、的確に相手の出方をみてとって然るべき対応
をとります。李典にとっては、何となくうまが合わない(理解できない)のですが、しかし、以
降も長くコンビ(あるいは張遼とのトリオ)を組むのですから、不思議なものです。

さて、壷関は関と城から成っている(そういえば、ゲームでもそんな感じだった様な…)のです
が、上記の戦いによって、高幹は城に押し込められる格好になりました。こうなると、身を守る
城が却って枷になります。
袁氏は地を重んじたが、それゆえ地によって死ぬ(思考が退嬰的になるという含みがあります)
ことになる。曹操の認識は確かです。
逆に、それゆえ、一切のものに―地のみならず妻子・部下にも―とらわれない劉備が不気味に感
じられる、と。
高幹も最後の抵抗を試みますが、既に孤立無援に陥っており(匈奴単于に協力を求めるのですが
高幹についたところで得るものはなし。それでは利に聡い彼らを動かせるはずもありません)、
結局、脱出を試みたところで殲滅されました。袁譚の最期とよく似ています。

荒廃した并州をどう治めるか。ここで梁習の名が挙がります。高幹の秕政による荒廃であるだけ
に、優れた行政官が何より必要だったのです。
既に、(同僚の王思の提出した建白書の件で)その気骨を認められていた梁習は、これまでの任
地と同様、目覚しい成果をあげてみせました。
こうして、并州の平定も完了。徐州・青州の海賊も退治し(ここも楽進・李典コンビが活躍)、
さて次は…?
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