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206:左平(仮名) 2008/04/14(月) 23:26:58 ID:6n1ZaDHe 三国志(2008年04月) 今回のタイトルは「魏国」。今回は、けっこう時間が経過してます。 最初は、韓遂の死から語られます。韓遂の首に向かって曹操が「白髪も少なくなったではないか」とコメント …ってことは、韓遂は禿頭? はて、肉体面の描写ってそうはないはずですが…どのようにイメージされたのか興味深いところではあります。 そして、漢中の張魯攻めとなります。 約三十年にわたって独立王国を保っていた張魯。普通であれば、衆を恃んで一戦しそうなところですが、彼は 随分と現実的な思考をする人物で、曹操来るの知らせを聞くと、すみやかに投降するよう指示を出します(勿 論、弟の張衛のように、それを拒む者も中にはいます)。 張衛に同調する人々も結構多く、曹操も苦戦覚悟だったのですが…何とも意外な形で決着がつきました。 さて、張魯のこの決断には、孔子の玉版なるものが少なからぬ影響を与えたとのこと。王莽や光武帝のあたり でよく出てくる讖緯の思想がこの頃にもなお相当な影響力を持っていたことが伺えます。 しかし…老荘思想を根底におく道教の原型・五斗米道の教主たる張魯が、(偽りとか裏切りを嫌うという教義 からすれば当然とはいえ)本作においては老荘的な感覚で行動する劉備を嫌っている、というのは面白いもの です。 思わぬハプニングによるものとはいえ、大した損害もなく漢中を制したことに、曹操が上機嫌だったのは言う までもないでしょう。 ここで、ここまで目立たぬ存在であった司馬懿が登場します。「隴を得て蜀を望」んではどうか、というわけ です。 しかし、曹操はその進言を容れませんでした。純軍事的に考えれば利も理もある進言ですが、この時の曹操の 中では、欲望の自制、ということがあったようです。 ただ、それは一方で、冒険を嫌うという、老いの兆候であったのかも知れません。 長くなったので、ここで分けます。
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