★『宮城谷三国志』総合スレッド★
273:左平(仮名)2010/08/02(月) 00:45:51 ID:???0 [sage ] AAS
三国志(2010年07月)

今回のタイトルは「秋風」。ついに、その時が来ました。

まずは、孫権による合肥攻略が失敗したところの続きから。中軍を率いる孫権がさっさと撤退してしまったため、東軍・
西軍もまた、撤退を余儀なくされます(最も大きい中軍が真っ先に撤退してしまっては戦略も何もありません)。
東軍を率いる孫韶は、齢十七でおじの後を継ぎ、長年にわたって国境地帯を守り抜いてきた名将。彼我の力を正しく把握
し、そつのない戦いのできる人物ですが、ここでは特に見せ場はありません。
一方、西軍は、当代屈指の名将・陸遜が率いているだけあって敵中深く侵入することに成功していましたが、これがあだ
となり、孤立状態に陥ります。
とはいえ、主将の陸遜も、副将の諸葛瑾も、取り乱すことはありません。おのが知略への自信と、学問によって培われた
胆力が、冷静な判断力を保たせているのです。ここで慌てて撤退すれば、それこそ敵の思うつぼになるということは承知
しています。ここは、策をもって粛々と撤退すべし。
陸遜が攻めかかるとみせて魏軍に迎撃態勢をとらせると、諸葛瑾が動かしていた軍船に素早く上船。攻撃がなかったこと
にほっとした魏軍は追撃態勢に入るのが遅れたため、難なく撤退に成功します。
見せ場はなかったとはいえ、大きな損害もなく撤退に成功したわけですが、陸遜には満たされないものが残ります。軍功
が挙げられなかったことに物足りなさを感じること自体は分かるのですが…。

続きます。
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