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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
280:左平(仮名)2010/08/29(日) 22:48:00 ID:???0 [sage ] AAS
続き。
魏軍は追撃を開始します(ただし、辛毗は、まだ諸葛亮の死に半信半疑ということもあってか追撃には慎重)。途中、
はまびしを踏んだ将兵が痛がるので簡易な下駄を履いた兵を先頭に立てるという奇観もありますが、このまま蜀の地に
入りそうな勢いを示します。
魏延と魏軍に挟まれた格好になる楊儀は半狂乱。しかし、まずは丞相の棺を守らねばなりません。姜維に叱咤されて我
にかえった楊儀は、魏軍を迎撃。みごと撃退します。
もっとも、狭隘な場所での衝突でしたから、魏軍の損害自体は大したことはありません。最終的に魏軍が撤退したのは、
辛毗の指摘によるものでした。
陛下が長安まで来ておられるのであれば蜀の地に踏み入ってもよかろうが、いま陛下は南方におられる。陛下に良い
ことも悪いことも言上できる者は、ここから遠くにいるということよ。
曹叡自身は優秀な部類の帝王ですが、無謬の存在ではあり得ません。その近くに、司馬懿に悪意を持つ者がいれば…。
こういうことも考えながら身を処する必要がある、ということです。
このような指摘をしてみせるあたり、辛毗は、司馬懿に悪意は持っていないようです。
これで、後ろの敵は心配しなくてもよくなりました。後は、魏延をどうするか、です。
続きます。
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