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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
292:左平(仮名) 2010/12/06(月) 01:37:00 ID:???0 [sage ] 続き。 もはや打つ手なし。今はただ戦うのみ。卑衍の決死の覚悟が兵にも伝わったか、この戦いは激戦となります。互いに 策もなく、ただただ死力を尽くした攻防が繰り広げられます。 「これが、遼東国の存亡の分かれ目だな」 となれば己の名は歴史に残る…。これぞ武人の本懐ということか。卑衍は微笑を浮かべます。持てる力の全てを出し 尽くした卑衍は、激戦の果てに、ついに斃れました。 司馬懿は、襄平を包囲します。しかし、ここで長雨に見舞われます。撤兵すべしという論が多数を占めますが、曹叡 と司馬懿には、ここは耐え忍ぶべきということが分かります。 物事には、時宜というものがあります。今こそ、遼東攻略のとき。決して退いてはならないのです。 およそ一月後。ついに雨がやみました。このとき、襄平の内部においては既に食料が尽きています。襄平に籠る公孫 淵に残された選択肢は…。 追記: 本作においては、ちょっとしか出ない武将にも、ちょこちょこと見せ場があります。今回は、卑衍。結果だけみると、 司馬懿の用兵に翻弄され続けて終わったわけですが、決死の覚悟で臨み、ついに斃れたその戦いぶりは、将としては 平凡だったにせよ、実に格好いいものでした。 それと、将帥としての司馬懿の成長ぶり。勝つべくして勝っている、としか言いようがありません。なぜ、今、ここ で、このように動くのか。それらがきちんと論理的に語られているのが、実に読み応えがあります。
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