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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
361:左平(仮名)@投稿 ★ 2012/01/06(金) 01:22:50 ID:???0 [sage ] 続き。 皇后の急逝にも、どこかうつろな孫権。しかし、おのが死を自覚した孫権は、あらためて、後事を託すべき者達を招集します。 呼ばれたのは、諸葛恪、孫弘、滕胤、それに呂拠の四名(孫峻は、孫権の命をうけて招集する側)です。 孫権は、諸葛恪が独断に走らないよう、入念に指示をします。そこまで指示しないといけないのか、とも思いますが、そんな 諸葛恪にまさる臣下がいないがゆえのこと。 これが、皇帝・孫権の最期の詔。と言いたいところですが…いつ亡くなるか分からないとはいえ、まだ生きている以上、これ とは異なる詔が出る可能性も否定できません。 この日は、孫弘が孫権の看護にあたることになったのですが、孫峻は、これに嫌な予感を抱きます。翌日、他の者と交替する までの間、孫権の容態を知る者が、孫弘ただ一人になる。これが何を意味するか。 はたして、孫弘にはある予感がありました。「陛下は、今夜、亡くなる」という予感が。孫弘が、諸葛恪を失脚させて自らが 実権を握るためには、何としてでもこの機会を逃すわけにはいかないのです。この間に、孫権が何を話したか、話さなかった か。それを知る者が孫弘のみということになれば、彼の勝ちなのです。 この夜は、孫弘・孫峻の二人にとっては、とても長く感じられたことでしょう。孫権が生きて朝を迎えるか否かで、すべてが 決まるのです。 孫権の容態を確認しながら、孫弘は、孫権の生涯に思いを馳せます。孫弘にとっての孫権とは、正直言って、よく分からない 存在でした。学問好きということだが、酒癖が悪いと印象が強く、何が偉大なのかよく分からない…が、それゆえに偉大なの であろう、と。 そして…孫権は、殂きました。 続きます。
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