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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
285:左平(仮名) 2010/10/03(日) 22:25:49 ID:???0 [sage ] 続き。 曹叡が喪失したもの。それは、母でした。そんな中、実母・甄氏の死について上奏する者が現れます(これが事実で あれば、何者かの策謀があったということになります)。 「この皇帝は、男には優しいが女には厳しい」。甄氏の死によって皇后となり、あわせて曹叡の義母となった郭氏は、 曹叡をそう見ました。 その聡明さをもって曹丕に深く信頼された郭氏の見立ては正しかったのですが、それは、自身にも向けられることに なろうとは…。 郭氏と曹叡の関係は、おおむね良好でした。しかし、この上奏があってから、曹叡が郭氏を見る目が変わってきます。 「我が母を殺したのはあなただ」 たとえ最終的な判断は曹丕が行ったとはいえ、郭氏がそう仕向けたのではないか。曹叡の、郭氏に対する言動から、 そんな黒い情念が漂ってくるようになりました。曹叡の憎悪に慄いた郭氏は倒れ、ほどなく亡くなります。 ただ、いざ郭氏が亡くなると、その憎悪もきれいさっぱりと無くなりました(追悼もきちんとしているし、郭氏の 一族は引き続き厚遇されている)。それが帝王の資質と言えばそうなのかも知れませんが…。 ともあれ、聡明な曹叡がみせた影の部分。これが魏にいかなる影響をもたらすのか。文章表現以上に含みが感じられる ように思えます。
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