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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
289:左平(仮名)2010/12/06(月) 01:34:35 ID:???0 [sage ] AAS
今回のタイトルは「長雨」。この長雨が止んだ時、それが…。
今回は、魏の皇后達の話から始まります。曹操の正室・卞氏は大皇太后として天寿を全うしましたが、以降の皇后に
ついては、というと、悲劇的な末路を辿るケースが相次いでいます。
曹丕の皇后であった甄氏は死を賜り、その後皇后となった郭氏は、曹叡(からの心理的な圧力)によって崩じます。
多くの面において父に勝る曹叡ですが、こと皇后達への扱いについては、さらに性質が悪いようです。
曹叡は、まだ王だった頃に、虞氏という女性を娶りました。本来であれば、彼女がそのまま皇后になるはずでしたが、
そうなりませんでした。曹叡の寵愛は毛氏に移り、彼女が皇后に立てられたためです。
激怒した虞氏は、卞氏に罵詈雑言を投げつけ、宮中を去ります。夫の祖母であり、国母ともいうべき女性にそのよう
な暴言を吐くあたり、曹叡が嫌ったのも分かるのですが、彼女の言葉がまんざら的外れでもなかった、という結末に
なろうとは…。
皇后となった毛氏は、男子を産むことはありませんでしたが、その日々は概ね穏やかなものでした。一族も立身し、
栄華を享受していたのですが…ある頃から、急激に状況が変わってきました。
その原因は、やはり、他の女性でした。曹叡の寵愛は、郭氏に移っていたのです。毛氏は、必死に情報を集めようと
します。後宮の管理者でもある皇后には相当の権限があります。ですが、その権限は皇帝のそれには及びません。
毛氏の動きに不快感を感じた曹叡は、ある事件をきっかけに、毛氏を賜死させます。
続きます。
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