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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
298:左平(仮名) 2011/01/29(土) 09:55:28 ID:???0 [sage ] 続き。 そう思った丁謐は、曹爽に、その意見を開陳します。彼は、かつての曹操の幸臣・丁斐の子。物怖じしない態度と 読書で培った知識の故、沈毅とみられていた彼の意見には、なるほど一理あります。責任の所在が曖昧なままだと、 大事の際に、迅速な対応ができないということはあります。 もちろん、単に道理だけでなく、帝室たる曹氏一門の利害ということも考慮されています。いずれ、権力は一元化 されるでしょうが、それが司馬懿であったとしたら、彼は曹氏一門をどう扱うか。それに、群臣からの信望のある 司馬懿に大志があれば…。 その意見を容れた曹爽は、司馬懿を実験から遠ざけるよう、手を打ちます。もちろん、何の落ち度もない司馬懿を 降格させることはできませんから、実権のない名誉職に祭り上げるのです。これは、うまくいきました。 司馬懿も、これには何か含むところがあるということは察知しています。しかし、ここでは、特に何もしません。 曹爽とその周りに群がってきた者達を虫に例える嫡子・司馬師に、「なるほど…害虫だな」と言うところをみると、 不快感は持っているわけですが…。 既に齢六十を過ぎた司馬懿。歴史を巨視的にみると、正しい者が最後には勝利するとしても、それは決して容易な ことではない。そういう、ある種の諦念がみられます。害虫の駆除は、若い司馬師がすべきことである、と。 続きます。
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