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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
187:左平(仮名) 2007/01/20(土) 22:28 [sage] ここのところ仕事の方がバタついてまして書き込みが遅くなりました。…それはともかく。 今回のタイトルは「赤壁」。言うまでもなく、あの戦いが描かれるわけです。 曹操と周瑜の艦隊が接触。いきなりの水上戦から始まります。蒼天では曹操が食中毒でダウンしてました が、こちらでは健在につき、しっかりと采配を振るってます。 水上では孫呉有利とはいえ、決して一方的ではない、水戦らしい戦いが繰り広げられており、何とも絵に なる場面でした。 本来の構想であれば、長江を埋めんばかりの大軍で殲滅するところでしたが、疫病により相当数の軍船を 焼いた(それでも数では孫呉を圧倒しているのですが)ため、なかなかに苦戦。下流から攻めてきている というのに、巧みな操船技術で曹操軍を翻弄する周瑜の力量は確かです。 危うい場面もありましたが、確かな状況判断に基づき死地を回避した曹操。戦いは、水上から陸上に移り ます。 水上では有利にことを進めた周瑜ですが、陸に上がられてはなかなか手が出せません。攻めあぐねた周瑜 は、やむを得ず、劉備を使うこととします。 といっても、先に劉備の助力を断っているわけですから、いかに感情を面に出さない劉備とはいっても不 快感はあります。さて、どうするか。 …劉備は動きました。諸葛亮の、高度な政治的判断に基づいて。実は、周瑜もまた、劉備が曹操と本気で 戦うなどとは思っていなかったのです(これにより曹操に動きを見せれば隙も生まれるだろう、という判 断。長期戦になれば孫呉不利は明らかでしたからね)。 さて、次の手は…。 ここで黄蓋登場。ビジュアル面の記述は全くないのですが、蒼天のもので想像してもいいような忠魂ある 武人です。風向きのことも書かれてましたが、本作でも、火計の主眼は、偽りの投降をした黄蓋が曹操軍 の奥深くに侵入することでした。 とはいえ、この策のポイントとして、「曹操は猜疑心が『薄い』」という点が挙げられているのが、他 の三国志とは違うところ。確かに、本作での曹操は、篤実さとか堅実さというところが強調されてます からね。 そして、ついに決行。火計が成功し、水上の軍船はもとより陸上の陣営までも焼き尽くすそのさまは壮絶 の一言ですが、ページの下の方だったからか、ビジュアル面の派手さの割に、以外に地味な印象を受けた のは私だけでしょうか。 ただし、曹操は、これもまた直前に回避。周瑜は、戦勝に酔う間もなく次の戦いに臨みます。曹操を討た ないことには、真の勝利とはいえないからです。
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