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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
275:左平(仮名)2010/08/02(月) 00:48:02 ID:???0 [sage ] AAS
続き。
諸葛亮と司馬懿の決戦は、完全に膠着状態。互いに負けない自信はありますが、うかつには動けません。蜀漢の全権を
握る諸葛亮はいくらでも待てますが、司馬懿はどうなのでしょうか。
…こちらも、いくらでも待てる状態でした。皇帝・曹叡自身が、決戦を急ぐ必要はないと判断していたからです。また、
使者として派遣された辛毗も、的確な戦略眼を持った人物ですから、ここは動くべきではない、ということを認識して
います。
諸葛亮が司馬懿に巾幗を贈り、司馬懿がこれに激昂したというのも、将兵の士気を保つため以上のものではありません。
そんなこんなで数ヶ月が経過したのですが、秋、八月。諸葛亮が体調を崩します。
食欲不振から始まって粥くらいしか食べられなくなり、やがて病臥。余りにも早い症状の悪化は、スキルス胃癌あたり
を思わせますが、詳細は分かりません。
丞相病む。この急報が成都にもたらされると、宮中は震撼します。特に皇帝・劉禅の取り乱しようは相当なものがあり、
直ちに李福が見舞の使者として遣わされます。
全権を握る丞相・諸葛亮を失ったら、蜀漢はどうなるのか。即位以来、ずっと政務を任せきりにしていた劉禅には為す
すべがありません。曹叡と劉禅。年齢的には近い二人ですが、その力量は天地ほども異なります。
続きます。
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