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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
421:左平(仮名)@投稿 ★2013/04/04(木) 03:29:19 ID:???0 [sage ]
続き。
この時、曹髦はかなり昂奮していました。普段は、学問を好む理知的な人物という感じですが、実のところは、かなりの激情家で
あったのではないでしょうか(ただし、全く理性が吹っ飛ぶというわけではない)。
確かに、これは無謀なことです。しかし、これまで異常なほどに正当性にこだわってきた司馬氏が相手である以上、勝算がゼロと
いうわけでもないのです(皇帝の尊厳が保たれているのであれば、皇帝自ら陣頭に立てば臣下は手出しができないはず。となれば、
司馬氏を倒すとまではいかなくとも、何らかの形での実権回復も見込まれる)。
諫言が聞き入れられないのをみた王沈・王業は、司馬昭に報告。王経は、この場に残ってなおも説得を試みたようですが…ついに
曹髦自らが出撃するという事態に至ります。
まずは、皇太后のもとに向かいます。一応、皇太后の同意も得られればそれに越したことはない、というところでしたが、既に、
曹髦と皇太后の関係は著しく悪化していましたから、これは、事実上の決別でした。
(武装した(不仲の)皇帝がいきなり現れたのですから、皇太后が恐怖したのも無理はないのですが)
当初は、曹髦が見込んだ通りでした。まず現れた司馬伷(司馬昭の異母弟)は、陛下に手出しは出来ぬ、というふうで、ほとんど
無抵抗でした。これに気を良くした曹髦はなおも進撃しますが、ここで、賈充が立ちはだかります。
賈充には、皇帝への敬意はありません。彼が敬意を持つのは、あくまで司馬昭。賈充は、皇帝を眼前にして戸惑う兵達を叱咤し、
攻撃を命じます。
本気で戦えば、司馬氏配下の将兵の方が圧倒的に強いので、曹髦率いる軍勢は押されます。そしてついに、成済が、曹髦を突き
殺しました。
続きます。
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