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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
211:左平(仮名) 2008/06/20(金) 22:28:00 ID:a7pA1sHW 続き。 劉備が王位に就くにあたり勧進がなされたわけですが、当然、関羽の名もあります(こういうものは現在の 署名等と同様、面と向かってせねばならないというわけではないので、おかしくも何ともないわけですが)。 ただ、本作においては、関羽の想いは劉備のそれとはやや異なっているように描かれているだけに、その時、 どのような心境でいたか…。 ともかく、関羽は、軍を北上させます。 「今年は長雨になる」。関羽はそれを予感していたわけですが、魏においても、温恢がそのことに気付いて いました。ただ、それが荊州方面の魏軍の共通認識になっていなかったために…。 今回のラスト付近の龐悳の戦いぶりは、悲愴の一言でした。ビジュアル的にも、実に絵になる場面です。 馬上にあっては決して後れを取らない勇将なれど、折からの豪雨に伴う堤防の決壊のため白兵戦を余儀なく される。 関羽の軍勢は安全な船上から容赦なく矢玉の雨を降らせるのに対し、龐悳たちはわずかに水没を免れた堤上 でそれをかわしながら戦わねばならない。 そして、降り続く雨。雨は、将兵の気力も体力も奪い取っていきます。 援軍がいつ来るかは知る由もなく、彼我の圧倒的な差の前に、降ろうとする者が現れます。龐悳は、自らそれ を討つという苛烈さを示しつつ、兵を鼓舞してなおも戦いを続けます。 関羽が説得を試みますが、龐悳も毅然として言い返します。 それぞれに義があり、理がある。しかし、溺死よりは…と降る者が増え、ついに、なお戦い続ける者が龐悳と 二、三名になり…。 今回でこの場面ということは、建安二十四(219)年も暮れ近く。気が付くと、曹操の命尽きる時も迫って いるわけですよね…。
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