★『宮城谷三国志』総合スレッド★
223:左平(仮名)2008/12/20(土) 15:30:20 ID:G2aSbWbiAAS
三国志(2008年12月)

今回のタイトルは「報復」。蜀漢を中心に、動きがみられます。

晴れて?皇帝となった劉備が最初にしたこと。それは…呉を討つことでした(本作では、その動機はあくまで関羽を殺
されたことに対する報復として扱われています。地政学的な意図も考えられるところですが、劉備という人のありよう
を思うと、こういうふうになるということでしょうか)。
趙雲・秦宓の諫言も聞き容れず、着々と準備にとりかかります。

話は変わりますが、ここで許靖の名が再び出てきました。実務面ではこれといった事績は挙げられていませんが、それ
なりに気骨のある清廉な人物という感じで、割に好意的な書かれ方ですね。
所詮結果論…なのかも知れませんが、許劭に比べ、穏やかに天寿を全うできた分、勝っています。
あと、呉皇后(呉懿の妹)のことも。もともと、劉焉の子・劉瑁に嫁していたわけですが、夫が廃人となって早世した
後、寡婦となっていたところを劉備に…というわけで、波乱に富んだ生涯です(個人的には、劉備に嫁した時点で何歳
くらいだったのかが気になりますが。彼女と劉備の間に子は生まれたのか?等…)。

劉備とともに、呉との戦いに意欲的だった張飛(、そしてその死)をみるにつけ、関羽を喪ったことの衝撃は、相当に
大きかったようです。途中、劉備・関羽・張飛の関係が(他作品に比べ)やや希薄にみえたものですが、やはり、「義
は君臣といえども情は父子【兄弟?】の如し」ってなところでしょうか。

一方、呉の方は、というと…。こたびの戦いにおける最大の功労者・呂蒙が亡くなります。周瑜・魯粛に続き、軍事上
の偉材であった呂蒙を喪うわけですから、かなり堪えています(それはそうと、余計な気を使わせたくない、というの
は分かるのですが、病室の壁に小さな穴を開け、そこから呂蒙の病状を覗くというのはどうも…。村上豊氏の挿絵も、
普段のほのぼの【?】調とはやや異質な感じに見えます)。

長くなりますので、続きます。
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