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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
208:左平(仮名) 2008/05/16(金) 18:03:18 ID:pY4qHwSK 三国志(2008年05月) 今回のタイトルは「兄弟」。前回のラストから考えると、あの兄弟のことだな、とは見当がつくのですが… どうもそれだけではないようです。 初めに語られるのは、邢顒。田疇のもとにいたこともある彼は、厳格かつ実直な人物であることから、曹植 につけられます(ともすれば緩みがちな彼を戒めるために…ということです)。 ただ、曹植にはその意味はいまいち理解できていないようで、そのために劉禎の諫言(さすがは建安七子の 一人。かなりの名文)を受けるのですが…これもいまいち効かず。 前回は丁兄弟が語られましたが、今回は、曹植を支えようとしたもう一人の人物・楊脩が登場します。「慎 ましい〜」と評される一方、救愛にも似た曹植の誘いに応じたように、かなりの情熱家でもあり、また、顕 揚欲もあるというあたり、なかなか複雑な人物です。 彼の父が、以前に、曹操によって失脚したということもありますから、魏国をかき乱すという意図もあった のかも(彼にとっては、それは匡正の行為なのですが)…。 ともあれ、曹植が、王命を受けた門番を斬る、馳道の無断利用などといった失態をしでかしたこともあり、 魏国の太子―曹操の後継者―は曹丕に決まりました。 さて、曹操と卞氏との間には他にも子がいるわけで…曹丕と曹植の間、曹彰のことも忘れてはなりませんね。 学問が大嫌いで将軍たらんとした曹彰は、田豫たちの助けもあり、みごと烏丸討伐を成し遂げました。 遠征時の田豫の進言や凱旋時の曹丕の助言を素直に聞く、敵を完膚なきまでに叩きのめさないことには住民 の安寧は得られないと的確に判断する、というあたり、将軍としてはなかなかの力量を持つ人物です。 早くから、自分が何者であるか(将才はあるが政治には向かない→将軍向き)を見切っていたのでしょう。 学がない分、ちょっと足りないところもありますが、颯爽とした好漢です。 曹植も、自分が何者であるか(文才はあるが実務には向かない→詩人向き)を見切ることができれば、彼の ためにも、魏国のためにも良かったのでしょうね。 ただこちらは、なまじ曹操も自分の後継者になり得るやも…と迷っていただけに、事態はよりいっそうこじ れたわけですが。 長くなったので、ここで分けます。
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