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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
240:左平(仮名) 2009/08/23(日) 01:39:56 ID:bq1phsVL0 続き。 同じ敗戦でも、趙雲のそれがそう思わせないほどにみごとなものであったのに対し、馬謖のそれは、甚だ無様な ものとなりました。 副将の王平がまっとうな行動をとっているだけに、「策士、策に溺れる」を地でいく馬謖の判断ミスが余計に 目立つのです。 相手は「半世紀の武人」張郃。敵将を侮り、のみならず、策の危険性を軽視し、副官の指摘にも耳を貸さない。 兵書に通じているはずの彼が、最も基本的なところを見落としていたのです。 「彼を知らず己を知らざれば、戦うたび即ち殆し」。彼の敗戦は、必然でした。 王平に助けられ、辛うじて撤退した馬謖。しかし、これは単なる敗戦ではありません。その咎は、死をもって 償う他ありませんでした。 馬謖の将来を最も期待していたのは諸葛亮です。ゆくゆくは丞相にも。そんな未来図を描いていたでしょう。 しかし、法を枉げることはできません。辛い決断を下すことになります。 ここで馬謖を斬るべきだったのかどうかは、議論の余地があるところです。しかし、馬謖の失敗は、彼に嘱目 していた諸葛亮にも向けられます。「諸葛亮は万能ではない」。先にも言われてはいましたが、かなり辛口な 評価がされています。 為政者に問われるのは、ただただ結果のみ。事情を知る者には酷に思えるところですが、そういった、不条理 にも思えることをも引き受けなければならないのが為政者の宿命。 全く得るところなく終わった、第一次北伐。しかし、それでも、何もなかったわけではありません。 諸葛亮は、ひとりの偉才を拾いました。姜維です。
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