★『宮城谷三国志』総合スレッド★
274:左平(仮名)2010/08/02(月) 00:46:52 ID:???0 [sage ]
続き。
長江を下る陸遜は、突如、狩りをしようと言いだします。しかし、まだ呉領内には入っていません。何を狩るというの
でしょうか。
…狩りというのは、魏領である江夏の諸県を襲撃することでした。特に石陽のそれは、城外に市が立って賑わっていた
ため、多くの庶民を巻き込む惨いものとなりました。
結果、少なからぬ数の捕虜を得ましたし、襲撃後の慰撫もあって投降する者も出たことから、一定の戦果を挙げたとは
いえるのですが…後世の史家たる裴松之は、これを悪行であると批判します。
 個人的には、裴松之の批判に同意。天下統一を掲げる勢力が同じ天下に属する非戦闘員を虐殺するのは、非道の行い
 としか言いようがありません。戦略的にもこれといった意義がないだけに、擁護の余地もありません。
 とはいえ、このことと後の悲劇との関連性は、いわゆる春秋の筆法以上のものではないでしょうね。孫権自身、こう
 いう行いに倫理的嫌悪感を覚えるということもなさそうですし。
一方、諸葛亮は、そのようなことはしなかったようです。将帥としての力量は陸遜に劣りますが、為政者としての格は
明らかに諸葛亮が勝ります。

続きます。
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