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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
347:左平(仮名)2011/11/04(金) 23:08:33 ID:sAtiQhzY0
続き。
さて、魏に攻められたとなれば、呉は当然に反撃してくるはず。王淩は、これを好機とみて、呉が川をせき止めたことを上奏して、
呉を攻めたい(あわよくば、これで司馬懿を誘い出したい)と申し出ます。
が、これに、司馬懿は不審を抱きます。
この頃、司馬懿は病が悪化しており、自邸から出るのも辛い状態になっていました。しかし、それを抜きにしても、この上奏には
不自然な点がありました(剛毅な王淩がこの程度のことで…というわけです)。
司馬懿は動かない。それを知った王淩は、やむを得ず、実力行使に出ようとします。しかし、それには、令狐愚の後任である黄華
を取り込む必要がありました。
使者が、黄華のもとに向かいます。しかし…
令狐愚が亡くなったことで、計画には(王淩からみて)赤の他人が多く関わるようになっていました。それは、計画が漏れる危険
性が高まることでもありました。
黄華は、かつて魏に背いたことのある人物でした。それ故、利をちらつかせれば味方に引き込める、と王淩はみたのですが…彼は
根っからの反逆者ではなく、このことを中央に知らせます(使者も寝返った)。
司馬懿も、王淩の計画を(噂でですが)耳にしてはいました。それ故、この知らせにも驚きはしなかったのですが、人というもの
の不思議さを実感せずにはいられませんでした。
ともあれ、王淩を止めねばなりません。司馬懿は、最後のご奉公だ、と言い、自ら王淩のもとに(兵を率いて)赴きます。
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