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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
380:左平(仮名)@投稿 ★2012/06/04(月) 00:12:34 ID:???0 [sage ] AAS
三国志(2012年05月)
今回のタイトルは「廃位」。司馬師のいう、最後の大掃除が行われます。しかし、司馬師の悩みの種がなくなったかといえば…。
司馬昭の暗殺計画はかなり緻密なものであったようで、ついに立案者の名は出てきませんでした。この計画は、西方への遠征を
行うにあたって参内する司馬昭を宮中で捕え、勅命によって誅する、というものですから、皇帝・曹芳が直接的に関与するもの
です。
そして、その時がきたわけですが…なぜか曹芳は動きませんでした。俳優の雲午が「青頭鶏」(鴨=オウ=押さえるに通じる)
というサインを出したにもかかわらず、です。何ゆえに、かは分かりません。しかし、曹芳の振る舞いに何か異常を感じた司馬
昭は、退出すると直ちに司馬師に報告。
商(殷)の伊尹(王の太甲が暴虐であったので幽閉し改心させた)に憧れる司馬師ですが、現実には、漢の霍光(擁立した昌邑
王が皇帝にふさわしくないとみるやこれを廃した)の道を取らざるを得ないことを嘆きつつも、それを実行せざるを得ないこと
を悟ります。
ただ、霍光は皇帝の廃位(及び宣帝の擁立)には成功しましたが、その死後、一族は滅びました。皇帝を廃するという荒々しい
手段は、かなり危険なことでもあるのです。
しばし思案した司馬師は、「箒を持つ手を変えれば大掃除しても埃をかぶらなくて済む」と、謎めいたことを言います。皇帝を
廃するという大事を掃除に例えるのはいかがなものかとは思いますが、一体、どうしようというのでしょうか。
続きます。
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