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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
397:左平(仮名)@投稿 ★2012/09/04(火) 03:23:35 ID:???0 [sage ]
続き。
魏にとっては最悪の展開です。王経は、迎え撃つ側であるにもかかわらず、不利な地に布陣してしまったのです。速戦を
好む姜維にとっては、願ってもない状況。あっさりと打ち破りました。魏軍は川に追い落とされ、甚大な損害を蒙ります。
辛うじて狄道に逃げ込んだ王経。なお一万の兵を擁するとはいえ、城は包囲され、兵糧は僅か。絶体絶命と思われました。
姜維がさらに攻勢に出ようとするのも無理からぬところ。張翼が「蛇足である」と諌めますが、聞くはずもありません。
しかし、陳泰は慌てません。援軍は、いずれもケ艾等の良将の率いる精鋭。都の司馬昭からも十分な後援が期待できます。
陳泰が行軍の速度を落とすまでもなく、援軍が追い付いてきました。ここで、軍議です。
軍議において、ケ艾は、要地に拠って敵の鋭鋒を避けては…と進言しますが、陳泰はこれを退けました。姜維の動きは、
魏にとっては最悪のものではない(狄道の攻略に固執したことで、西方諸郡を抑えられる危険がなくなった)。それゆえ、
速やかに狄道に向かい、王経を救うべきである、というのです。
ここは、陳泰の言うことに理がありました。ケ艾は良将ですが、ここは慎重に過ぎたようです。
ともあれ、魏軍は狄道に向けて進軍します。狄道に向かうルートは二つありますが、陳泰はあえて迂路とみえるルートを
進みました。それでも十分な速さで進み、蜀漢軍に気付かれることなく、狄道の近くまで進出することに成功しました。
そのまま奇襲することも可能でしたが、援軍の到着を知らせるべく、狼煙をあげました。陳泰にしてみれば、この戦いの
目的はあくまで王経の救援であって、蜀漢軍の撃滅ではないからです(城内が援軍の到着に気付かないと、動揺した将兵
によって王経が殺害される恐れがあった)。
続きます。
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