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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
217:左平(仮名) 2008/09/21(日) 22:33:30 ID:/lB/9KId 三国志(2008年09月) 今回のタイトルは「曹操」。建安二十五(220)年。ついに、その時がくるわけです。とはいえ、今回の内容は、 そのほとんどが関羽についてのものなのですが。 背後で呉が蠢いているのに気付いた関羽は、状況を把握すべく、偵察を行います。偵察に向かったこの兵士、肚も 据わっているようですし、見るべきところもしっかり見ているところからすると、なかなかの人物と思われます。 ひょっとして、廖化?とも思うのですが、そのあたりについては分からずじまい(彼だけでなく、その父もなかなか の人物なんですよね、これがまた)。 呂蒙も、そのあたりは心得たもので、見事な対応を見せています。 呉に奪われた各郡は、呂蒙によって治まっている。この事実は、関羽にとっても衝撃でした。というのは、本作では 何度か述べられているように、関羽の行政手腕はかなりのものでしたから、この地の民衆は、新たな支配者に対して 強く反発すると思われていたからです。 それが、目立った混乱もなし。ということは、単に軍事上に留まらない敗北を喫したということでもありました(関 羽の徳が十分に及ばなかったということです)。 関羽が、策を弄し自分を欺いた陸遜に対しては怒りを露わにしたのに対し、呂蒙に対してはそれほどでもないように 見えるのは、そのあたりのこともあるように思われます。 あるいは、この時点で、関羽の中にある種の諦観があったのかも知れません。 麦城に籠った関羽ですが、兵の士気はもはや失われています。戦えないと判断するや、密かに城を脱出し、西に向か おうとします。もちろん、それは孫権も承知しており、分厚い包囲網が敷かれます。 天命とは何であるのか。何が正しく、何が正しくないのか。その答えは…。 一度は軽々と呉軍の包囲を突破しましたが、二回目(ここの呉軍の将が馬忠)は成らず。ついに、その小集団は殄滅 しました。あたかも、流星が燃え尽き、一筋の光芒を残して闇に溶けるかのように。 長くなったので続きます。
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