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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
297:左平(仮名) 2011/01/29(土) 09:54:30 ID:???0 [sage ] 三国志(2011年01月) 今回のタイトルは「浮華」。三国鼎立となってから十年余り。そろそろ、緩みが出てきたということでしょうか…。 曹叡は、司馬懿を待っていましたかのように崩じました。司馬懿が到着し、彼に後事を託したその日のことです。 「死さえ忍べは引きのばすことができる。朕は君を待っていた」。帝王からこのように言われて感動しない臣下は いないでしょう。しかし、司馬懿の胸中は複雑です。何しろ、自分とは親子ほども年の離れた若い帝王を送らねば ならないのですから。 明帝と謚された曹叡は、なかなかの名君でした。戦場を踏まなかったにも関わらず優れた戦略眼を持ち、人材の任 用にも過ちが無く、何より、諫言した臣下を殺さない、優れた自制心の持ち主です。 しかし、自制された鬱屈は、やはりどこかで発散させねばならないのでしょうか。鬱屈を晴らすかのように宮殿の 造営に狂奔したことは、かつての秦始皇帝や前漢武帝に例えられ、批判的に論じられています。 ともあれ、魏は新たな時代に入ることになります。幼弱の新帝を補佐するのは、曹爽と司馬懿の両名。国家の柱石 を担うだけにその封邑も多く、この時曹爽に授けられた封邑は、建国の功臣たる夏候惇や曹仁に授けられたものの 数倍にのぼります。 小心な曹爽は、当初、独断を避け、何事も司馬懿に相談する等、謙譲の姿勢をとりました。司馬懿も謙譲の姿勢を もって応じたので、まずは穏やかな雰囲気の中のスタートです。 しかし、両雄並び立たず、と言います。当然ながら、二頭体制はよろしくない、と考える者もいるわけです。 続きます。
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