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★『宮城谷三国志』総合スレッド★
346:左平(仮名) 2011/11/04(金) 23:05:58 ID:sAtiQhzY0 続き。 敵国のこのような異常事態を、魏が見逃すはずはありません。将軍として前線に近い新野にあった王昶はこれに気付き、呉を攻める べきであると上奏し、許しを得ました。 王昶は、これまで様々な官職を歴任し、いずれにおいても成果を挙げてきたそつのない人物です。当然、呉の政情も抜かりなく調べ 上げた上での上奏ですから、司馬懿もすみやかに了承し、王昶と王基・州泰に出撃命令を下しました。 王昶と王基は、王淩ゆかりの人物です(王昶は、王淩とともに地元で名が知られた人物。王基は、王淩の元部下。中央での王基の 扱いに王淩が憤り、手元においた、というような話も)。ただし、ともに私より公を重視する人物ですから、王淩の計画を知った としたら、どうしたでしょうか。 州泰は、司馬懿が孟達を攻める際に、先導役を務めた人物。身内に不幸が相次ぎ九年も服喪しましたが、司馬懿は彼を忘れず、喪 が明けるのを待って起用しました。 まず、王昶は江陵を攻撃します。江陵は要地で城も大きく、容易に落とせる城ではありませんが、ここを攻めることで、敵の耳目を 他から逸らす(王基・州泰への間接支援になる)という意義があります。 守る施績は迎撃しますが、王昶はこれを撃破。施績が籠城すると、挑発した上で引き揚げると装い、追撃してきたところをまた撃破。 鮮やかな勝利を飾ります。 王基は、敵将・歩協が固守して動かないとみると、食糧庫を攻めこれを奪取。数千の人々が降ったといいます。州泰も結果を残した ので、王昶の計画はみごと成功したわけです。 続きます。
347:左平(仮名) 2011/11/04(金) 23:08:33 ID:sAtiQhzY0 続き。 さて、魏に攻められたとなれば、呉は当然に反撃してくるはず。王淩は、これを好機とみて、呉が川をせき止めたことを上奏して、 呉を攻めたい(あわよくば、これで司馬懿を誘い出したい)と申し出ます。 が、これに、司馬懿は不審を抱きます。 この頃、司馬懿は病が悪化しており、自邸から出るのも辛い状態になっていました。しかし、それを抜きにしても、この上奏には 不自然な点がありました(剛毅な王淩がこの程度のことで…というわけです)。 司馬懿は動かない。それを知った王淩は、やむを得ず、実力行使に出ようとします。しかし、それには、令狐愚の後任である黄華 を取り込む必要がありました。 使者が、黄華のもとに向かいます。しかし… 令狐愚が亡くなったことで、計画には(王淩からみて)赤の他人が多く関わるようになっていました。それは、計画が漏れる危険 性が高まることでもありました。 黄華は、かつて魏に背いたことのある人物でした。それ故、利をちらつかせれば味方に引き込める、と王淩はみたのですが…彼は 根っからの反逆者ではなく、このことを中央に知らせます(使者も寝返った)。 司馬懿も、王淩の計画を(噂でですが)耳にしてはいました。それ故、この知らせにも驚きはしなかったのですが、人というもの の不思議さを実感せずにはいられませんでした。 ともあれ、王淩を止めねばなりません。司馬懿は、最後のご奉公だ、と言い、自ら王淩のもとに(兵を率いて)赴きます。
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