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【か、カウ…】牛金【ゴールド…?】
4: 2002/11/02(土) 12:45 NOB 2002年02月19日火曜日 00時24分 すみません、追加です。 『晋書[冓斗]注』という晋書の注釈本(『三國志集解』の晋書版みたいなもんです)に、しっかり考察が書かれていました。先に調べてから書き込めばよかったですね(^-^; 孫盛『晋陽秋』では「牛欽」、魏收『魏書』では「牛金」になっているそうですね。[冓斗]注は王隠『晋書』が牛金鴆殺が公孫淵を滅ぼした直後のことであると言っているのを手がかりに、牛金と牛欽は別人だろうと言っていました。 なお、司馬睿が牛氏の子だというのは、沈約という歴史家が『宋書』「符瑞志」で言ったのが初出のようです。ちなみにそこでは「小吏の牛という姓の者」となっているようですね。 ところで、私ははじめ、黒龍さんの「司馬叡、字は景文。晋将牛金の子なり」が二十五史のどこにあるのか分からなかったのですが、まさか『魏書』に晋の元帝の伝が立っていたとは…ビックリです。
5: 2002/11/02(土) 12:46 黒竜 2002年02月19日火曜日 00時26分 補足です。 中央研究院のサイトで「牛金」で検索したところヒットは8件 うち3件がこのゴシップに関するものでした。 最初はNOBさんがあげていらっしゃるように晋書、 次が宋書の符瑞志で、最後に魏書僭晋司馬叡伝となってます。 で、司馬睿の親を牛金としてるのは魏書だけでした。 おそらく当初は、 「司馬懿は予言を信じて牛金を殺したけれど運命には抗えずしっかり牛氏の血統は残りました」 という話だったのが、より直接的に変わっていったんじゃないでしょうか? で、十八史略はそのあいだをとって小吏牛氏=牛金としたのでは?
6: 2002/11/02(土) 12:46 黒竜 2002年02月19日火曜日 00時28分 うわ、NOBさんと内容が被ってしまった(汗
7: 2002/11/02(土) 12:46 玉川雄一 2002年02月19日火曜日 00時59分 やってもーた… >「『晋書』「元帝紀」(司馬睿の紀)の末尾に、このことが書かれています しっかりと載っておりました。どこかで見たような気がしていたのですが… 冒頭部分しか読まなかった私の手落ちであります。しかし、ちゃんと考察されているのですね。 ところで、『晋書[冓斗]注』って「解體晉書」の方でもよく出てきますが、これも手に入るものなのでしょうか? 押さえておいた方がいいのでしょうかね。
8: 2002/11/02(土) 12:47 ぐっこ 2002年02月19日火曜日 01時33分 え!? 牛金じゃなかったんですか!? がーん! というか、三国志5あたりの辞書で見たきりだったんですが…そんなにも入り組んだ話だったのですか! 黒竜様、玉さま、NOBさま、情報ありがとうございます! …「晋書[冓斗]注」!? また新たなアイテムが!(;^_^A ああ、三国志集解もまだ読んでないのに…(T.T)
9: 2002/11/02(土) 12:47 NOB 2002年02月19日火曜日 15時39分 黒竜さん、先走ってしまいすみません(^-^; > 「司馬懿は予言を信じて牛金を殺したけれど運命には抗えずしっかり牛氏の血統は残りました」 > という話だったのが、より直接的に変わっていったんじゃないでしょうか? 私も最初、伝えられる話の内容そのものが意図的に変遷させられたものだと思ったのですが、『晋陽秋』で「牛欽」とあったことを考えると、きっかけは単純に「欽」と「金」をどこかで誤写しただけなのではないかという気もしてきました。 >玉川さん 『[冓斗]注』は台湾の芸文印書館から「注疏本二十四史シリーズ(名称うろ覚え)」として『三國志集解』などと一緒に出ていますので、入手は可能かと思います。私は琳琅閣書店の夏季セールで7700円で購入しました。通常時だと1万2千円くらいでしょうか? 自分が翻訳する場所については注釈の参考にもなりますし、コピーなどしておいた方がいいかもしれません。でも玉川さんはかなり読まれているので、いっそ買ってしまっても損になることはないと思いますよ(^-^) 夏まで待てば、琳琅閣書店は3割引きになりますよ♪ どうでもいいことですが『晋書[冓斗]注』は『三國志集解』に比べると活字が汚い、というか手書きで明朝体(宋朝体)を書いたような感じです(笑) ところで、晋書って逸話や小説の類も何でも取り込んでしまったため「二十四史中最悪」とも評されたりしていますが、元帝の出自の話などのような志怪逸話みたいなものは全部各伝の末尾に分けて記述されていますよね。(とはいっても、羊[示古]伝・杜預伝で確認しただけですが//爆) そのように史実と逸話をはっきり区別しているところに編纂者の歴史家としてのポリシーが垣間見られる気がしますし、晋書の読み方のヒントになるような気がしました。って、そんなのは当たり前だって言われそうですが(笑)
10: 2002/11/02(土) 12:48 中根東竜 2002年02月20日水曜日 00時43分 『晉書』の話題が出ると登場する、中根です(笑) >「或いは曰く、(司馬)睿の母、実は琅邪(王・司馬覲)の小吏牛金と通じて睿を生めり、と」 明の庶民向け歴史書、馮夢竜の『智嚢』(ちのう) にも似た記述があります。 まあ、庶民が読む本ではこういう誤りが流布していたんでしょうね・・ 世界ふし○発見でトンデモ本が良く出るようなものなのかなぁ。 >NOBさん >ところで、晋書って逸話や小説の類も何でも取り込んでしまったため「二十四史中最悪」とも評されたりしていますが、 基本的な評価としては、それはあたらないですね。 『晉書』は『三國志』よりも評判が悪いのですが、 それでも他の本よりはずっといいとされているようですよ。 正史を全部読んで研究ノートを書いた 趙翼先生という清の歴史家の意見はこんな感じです。 「『晉書』はおかしな逸話が多いが、それでも文章も上手いし『魏書』『宋書』よりは遙かに上だ。(中略)『十六國春秋』(五胡十六国の野史)とは比べものにならない」 (趙翼『二十二史剳記』より、意訳) 『晉書辞典』もこれに賛成のようです。ここらへんが妥当な 定説じゃないかな、と思いますが。 >元帝の出自の話などのような志怪逸話みたいなものは全部各伝の末尾に分けて記述されていますよね。 これは確かにそうですねぇ。うーん僕はこれまで気づかなかった・・ やはり、作者たち(『晉書』は18人のスタッフの分担執筆) の史料に対する見識なのでしょうか?
11: 2002/11/02(土) 12:48 NOB 2002年02月20日水曜日 17時30分 中根さんありがとうございます。 実は『廿二史箚記』(の電子テキストの一部?)も『晋書辞典』も持っているのですが、読んでいないことを暴露していますね、自分(爆) 卒論も終わったので、ゆるゆると読んでいこうと思います。『廿二史箚記』はともかく、『晋書辞典』の方は一石数鳥ですし。 #っていうか、読みたいもの多過ぎ…消費量が追いつきません。 どこで刷り込まれたのか忘れてしまいましたが、「正史中最悪」という強いインパクトだけが頭に残っていました(^-^; まぁ、それならそれで「どういうふうに変なネタが紛れ込んだのか」というのも非常に興味があるところなのですが。 すみません、ネタが牛金からどんどん離れてしまいました。というわけでsage〜(←無い)
12: 2002/11/02(土) 12:48 クェン 2002年02月20日水曜日 23時32分 こんばんわ。こちらには初めて書かせていただきます。 牛金って特攻したくせに敵に囲まれ右往左往…三国志で特攻に失敗したのって牛金だけですよね(史書に書かれてる限りでは)。 後で曹仁に怒られなかったのだろうか。
13: 2002/11/02(土) 12:48 ぐっこ 2002年02月21日木曜日 20時54分 >晋書 わたしもどこかで「晋書最悪」の強烈なイメージが刷り込まれてますが…(^-^; どこだろ…大澤教官の三国時代あたりかもしれない…。 ですが、なるほど、史書としての評価は低くなかったんですね! ああよかった…。 まあ妙な逸話を正史に盛り込む程度なら他のもやってるでしょうし…「文章が優れている」というのも初めて知りました! それに怪しげな話は後ろの方でコソーリやっているというのも、感心です! ううむ…本家中国での評価は高い、と。 …晋書辞典!? …おっそろしく奥が深い…史学は広大だわ…(素子風)。 >牛金 そうそう、最初はこの話だったんですよね(^_^; クェンさまようこそ〜。 牛金も、あんがい活躍してる人ですのにね〜。後将軍まで上ってるし、馬岱をうち破ってるし、司馬懿に毒を盛られて死ぬという胡散臭い話(^-^;の時は、「父上!あれほどの名将をなぜ!」と司馬師を嘆かせたり… ちなみに特効失敗のエピソード、よく読んでみると、かなり無茶な話です。「周瑜率いる数千の軍が到着」とあるのに対し、「曹仁は兵300人を集めて曲将・牛金に攻めさせた」と…。 曹仁! 魏随一の猛将・曹仁! 数千人の、しかも周瑜の率いる大部隊に、300人で攻めさせる曹仁! こりゃあ牛金が可哀想すぎます(^_^; 曹仁もこう思ったことでしょう。 「正直、すまんかった」 と。
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