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小説 『牛氏』 第一部
7:左平(仮名) 2003/01/05(日) 23:56 「おぉ、瑠か。どうだ、そなたも飲むか?」 「そう言われれば飲みますけど…。いいのですか?お仕事の方はいかがなさったのです?」 「あぁ、だいたい片付いてるし、明日は休みだ。構わんよ」 「じゃぁ…」 そう言うと、彼女は夫の横に座り、その体にもたれかかった。 「ねぇ…」 彼女は、甘えた声を出し、目を潤ませながら夫を見つめる。董卓の方も、まんざらでもない様である。 「あ…。わ、わたしは、もう寝ますね。おやすみなさ−い」 二人の様子を察したのか、姜は、さっさと自分の居室に入っていった。その動きは、どこかぎこちない。 「あら、あの子ったら。もう男女の事を意識してるのね」 「そりゃそうだよ。あいつも、もうすぐ嫁ぐんだからな」 「早いものですねぇ…。わたしがあなたのもとに嫁いでから、もうそんなに経つんですね。わたしも、年をとるはずです」 「まぁ、あの頃より多少年はとったが…。こっちの方は、まだまだ盛んだな」 そう言いながら、董卓は瑠の胸に手をやった。数人の子を育ててきた乳房は、嫁いできた頃よりも豊かになり、触り心地も良い。 「あんっ。もぅ…あなたったら…」 瑠は、酒もあってか、少し顔を赤くしている。肌は上気し、声には、何ともいえぬつやがある。その姿が、董卓をいたく興奮させるのである。 二人は、互いの帯を緩めた。衣がするりと落ち、二人の裸体があらわになった。二人は、もつれる様にその場に横たわった。董卓の手が、口が、瑠の体をくまなく愛撫すると、瑠の体につやが増し、呼吸が荒くなっていく。やがて二人が交わると、瑠の喜悦の声があがる。それは長々と続いた。 (お父様とお母様は、一体何をやってるのかしら) 床にもぐり込んだ姜ではあったが、聞こえてくる母の嬌声に、興奮を禁じ得なかった。それ自体は小さい頃からしばしば聞いてきたものであるが、自分の結婚が決まったとなると、なおさら意識させられる。 このくらいの年頃になると、そういうものに対する意識が鋭くなるものなのである。 (男女の事って、そんなにいいものなの?) 目がさえて、ちっとも眠れない。する事もないまま、姜は、自分の敏感なところにそっと手をやった。しばらく手をおき、その指先を見ると、かすかに湿っている。いつもと、何かが違う。 (結婚したら、伯扶様がわたしの体を…こういうところも…あぁ…) 眠気と妄想とが交錯する中で、姜は眠りに落ちていった。
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